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絶望には欲望で 5


 私はメリー・クリスマス、もうずっとクリスって呼ばれてて公的にも名前はクリスになってるよ。

 そんな私は長年不動だった魔王軍将軍を落とし今や世界的に見ても有名になってると思われるパーティーのリーダーさ。


 回復とか凄く得意で他にも色々出来たり知識が豊富で頼れる聖職者のメロニィ、とんでもない魔法を躊躇無く平然と放つヤマト村の秘蔵っ子まゆもちゃん、それからセクハラしまくりでほぺ大好きなエロ丸出しだけど強さだけはドン引きレベルのみーくん。

 こんな仲間達と日々楽しく冒険者稼業をこなしてる私達は今、下手すると世界の危機かも知れないって状況に陥ってしまった



「すいませんッス、皆さんの気持ちも何となく分かるッスけどあの場で言う事聞かなかったら主様もお怒りになってたと思うので」



 ガメさんも色々苦労してるっぽいなぁ、でも仕方ないよ。

 あんなレベルの神獣を怒らせる危険があるなら従うのも当然な話だし私達から見ると一言一句間違っただけで片手間で消し飛ばされる位の圧倒さはあったもん



「お気遣い感謝します。確かにお送りしなさいと命じられたら一度は送っておかないと命令違反に該当しますのでこの選択は妥当でしょう。しかし我々としましてもこのまま放置というのは恐ろしすぎますので…なんとかタイミングを見計らって今一度みーさんの所に行きたいのですがどうでしょうか?」



 流石メロニィ、ちゃんと冷静に把握してるね。

 もうリーダーはメロニィでいいんじゃないかな?



「そうっスね、多分あの感じだとずっと話通しだと思うんで…みーさんが眠って起きるであろう明日の朝でしたらいいタイミングかも知れないっスね。少なくとも話してる時に下手な横槍入れると自分も引っ叩かれるですし皆さんはその余波で消し飛びかねないッスよ」



 恐ろしい…そんな所に留まってるみーくん大丈夫かな?消されたりしないよね?



「アチキとしてはみーくんが神獣様とあんな事やこんな事してしまうのかが気になるぽぅん」



 そうだった。話の流れ的にはそんな事もあり得るんだった!それは何とか阻止したいけど…でも今戻るのは本当にヤバそうだからなぁ



「許嫁としては何としてでもそれは阻止したい所です!ガメ様、何か良案無いですかね?」



「う~ん、そうっスねぇ…自分も戻ったら何とかしてみるッスけど多分陸の生き物達からしたら本当に気にするべきはとにかく怒らせない事かと思うッス。何となくそれは大丈夫かと思いますが…それと皆様からすると変な気に入られ方をしてコッチに住み込みになって戻れなくなる事の方が心配かと思うッスよ。」



 陸の生き物達レベルなんだ…



「下手に怒らせるとヤバいのは分かったから今日は無事を祈って待つしか無いとして…明日また連れてって貰ってもよろしいですか?」



「分かりましたッス!明日の朝にまたここで待ってるッス

 」



「ガメさんありがとう。こんなに親切にして貰って…今度何かお土産お返ししますっス」



 口調が移っちゃったよ



「いいんスよ。自分、こんなに頼られたのもカッコいいって言われたのも初めてなんで凄く嬉しかったっス。カッコいい名前も貰って、なので出来る限り皆さんには協力するっス!」


 なんて良い子なのだろう…って油断しちゃ駄目だ。このお方は神獣だった。

 ちゃんと気を付けて敬意を持って接さないとだよ



「ガメ様ありがとうございます。明日何か美味しそうな物お持ちしますね」



 あんなにビビってたメロニィもすっかり普通に接するようになってるし



「今度口からビーム的なのを出して欲しいのでぇす!みーくんも喜ぶやでぇ」



「いいっスよ!」



 まゆもちゃんも、懐いてるなぁ。でもあんまり気軽に接するのも…一応神獣様だからね?


 ガメさんと別れた後、即転身で帰って緊急サミットを開こうとしたけどこれは私達には手に負えないと思った私は姐御とリリィさんに相談しに行こうと言ったら皆も賛成したのでお二人を家に招いて改めてサミットを開催した



「では改めまして…みーくん救出緊急サミットを開催します。議長はこの私クリスが担当致します」


「アチキはいつものクリスポジをやるにゃ!」


「では私はいつもの先生ポジで」


「お前らいつもこんな事やってんのか?」



 姐御にツッコまれた。みーくんがいつもやりだすから慣れちゃったんだけど確かにツッコミどころ満載だよね



「今は亡きみーさんが何かあるとよくこういう形式のサミットを開いてたのです」



 今は亡きって…メロニィは実はそんなに深刻と思ってないのかな?



「そうか、それじゃあ早速何があったかお聞かせ願おうか」



 まずはざっくりと流れだけを話してみた



「なるほどなぁ…」


「リヴァイアサン…ですか」



 思った以上に神妙な面持ちのお二人、私達は姐御とリリィさんが居るというだけで安心感が凄いからどっか気が抜けてしまってたのかも知れない



「神獣なんてそうそうお目にかかる事は無いから無理もない、私も直でお目にかかって事は無いから仕方ない事ではあるが…まゆもよコッチ来い」



「ぴにゅ?」



 姐御がまゆもちゃんを呼び付けるとそのまま抱っこするかのような状態になって



「ヤマト村の者としてはお仕置きせにゃならんか」


「ぴにゅあぁぁ!?」



 ほぺを引っ張りだした



「あ、あの…これはどういう事でしょうか?」



 私が聞く前にメロニィが聞いてくれた



「リリィ様は存じてると見受けるからいいとして…メロニィよ、ヤマト村の皆は言うまでもなく世界でも脅威な存在なのは分かるな?」


「はい、それはもう常識かと」



「そう、だから私達の所には色んな所からたまに冒険者や騎士団じゃ手に余るような依頼が飛び込んで来るのよ。まゆもはまだ参加した事無いから知らんのも無理は無いだろうがそれ自体は知ってるだろ?」



「うにゅ、それは知ってるのでぇす」



「それでな、そんな私達でもほぼお断りな案件というのもあるんだ。それが神獣絡みの案件だよ」


「にゃんと!?」



 そうだったの?それじゃあもしかしてこの件も…



「長い歴史の中で一度だけはねっ返りのヤツが引き受けて大惨事になりかけたというか多分ある程度滅亡した場所があると思われるみたいな事があってからは神獣案件だけは触れないようになったんだよ。仮にその場を何とか出来たとしてもその後どうなるかは分からんからな」



「私達も神獣が絡む話しは敬遠してましたね。運悪く少し絡みかけた事がありましたがあの時深入りしてたらおそらく私達は生きて帰れなかった、そう確信出来る程でしたから」





 やっぱり…どうしよう、このままじゃみーくん救出は無理なのかな



「世界的に見てもそうだ。あまり口にしたくないがこうなってしまっては神獣を怒らせないようにと祈るしか手は無いかもな。冷たい言い方になるがみーの命一つで世界が無事なら…って判断が最善と言わざる得ないなんて事も」



「そ、そんな!?それではみーさんは見殺しにするしかないのですか?」


「………」



 まゆもちゃんは黙っちゃった。どうしよう… こうなったらリーダーである私一人だけでも



「気持ちはよく分かる。だがその送ってくれたガメさんとやらも世界を海に沈めるだ陸の生き物がとか言ってたんだろ?あの手の連中が嘘や大袈裟な話を人間相手にわざわざする事は無い筈だ。あまり迂闊な事はしない方がいいぜ」



「……」



 リリィさんも黙っちゃった。



「ちょっと脅かし過ぎたか?でもぶっちゃけそこまで心配しなくても大丈夫だと思うぜ。あくまで向こうからお呼ばれしたんだろ?余程変な事が無い限りみーなら大丈夫だろ、アイツは変態なのは置いといてああ見えて弁えてるし長期間付き合うとかじゃない限り社交性は高いから下手は打たんだろうさ」



「そうですね、みーさんは人当たりも良いですし怒りを買うような事は言ったりする人では無いですからね」



 確かにみーくんは社交性高めだから大丈夫か。エロで鬼畜だけど流石に神獣の前でそんな面を出したりはしないと思うし



「ところで、リヴァイアサンとはどういう話でみーだけ残る事になったんだ?」



 真面目な空気の中であの話の流れをするのもちょっと気が引けたけどここは素直に話しておこう






「はぁ!?あのバカ!!ってかそれってもしかして…神獣とあんな事やこんな事しちゃう可能性もあるって事か!?」


「みーさん不潔ですぅぅ!!あ、でも神獣相手に不潔はマズイですから…と、とにかく駄目ですぅぅ!!」


「よし、突るぞ!!」



「「ええぇーー!?」」



 意見が逆転してますけど!?



「そうですね、どの道行ってた気もしますし」


「全く、世話の焼ける野郎だな!」



 やっぱ心配だから行ってくれたほうが助かるます。さすが姐御とリリィさん、頼れる感が凄い



「ガメ様の約束が順当に守られればまた龍宮に行く事自体は出来ると思うのです。問題はその後ですね」



「なんとかみーくんをコッチに帰す方法を考えとかなきゃだね、気に入られて帰れなくなるパターンもガメさんは心配してたけど冷静に考えるとその可能性の方が高いのかも知れないし」



「そんな事も言ってたのか?尚更なんとかしなきゃじゃねーか!だがまあ、とりあえず今晩は出来る事も無いんだし気張りすぎてもしょーがないから一旦落ち着こう。それにしてもみーめ、リヴァイアサン程の神獣相手にエロ丸出しになるとは…筋金入りの変態だな」



「本当それですよ、太ももに挟まるって言われたら即答でしたからね。あの時リーダーとしてもっとキリッと突っ込んでればまた違ったかも知れないですけど」



「全くです。許嫁の前であんな事を…」



 許嫁をシレッと定着させつつあるメロニィの強かさは凄いなって思う。

 そもそも許嫁って親同士とかそんなだった気がするし、かと言って婚約者でもないのに…でもメロニィって裁判とか強そうだからこの辺ツッコんでもきっと上手い切り返しがある気がするよ



「もし神獣と一線超えてたらどうしてくれようか」



 まゆもちゃんのほぺを揉みくちゃにしながら考え込んでる姐御、もしかして姐御もほぺ好きに?



「もにょにょにょ〜」



 まゆもちゃんは何か言いたいのかその言葉を言ってるのか…どっちだろ?



「許嫁からすると許し難い話ですが相手が神獣でやむを得ずというパターンなら…結果無事に帰れるとするならヨシとするべきなの」


「駄目です!そんな不埒な事…そうならないようなんとか皆で頑張りましょう!」


「そうだ!リリィ様がそう言うんだから頑張るぞ!」



 リリィさんが珍しく強い口調で…今晩の間は何もしようがないからその間に、とか言うのはやめておこう



「いざと言う時は花火の時に約束した膝枕でみーさんを釣れたりは」


「リリィ様の太ももぉぉ〜!!」


「ちょ、ちょっとせいらさん?ローブの中に入られては困りますぅ」



 最近気付いたけど姐御はたまに凄くみーくんと似た生き物に見える時があります



「わ、私も許嫁ですからね。そもそもちゃんと順を踏んで頂けるなら私は何一つ拒んでなどいないのですよと伝えて釣ってみせます」



 メロニィは思い切りが良すぎるから普通に一線超えちゃいますそうだよ。

 それは同じパーティーとしてはちょっとなぁ…



「みーって化け物じみた強さのせいで分かりにくいけど小心者な所があるから無理矢理襲われでもしなけりゃ大丈夫な気もするけどな」


「分かります、生前がどうかは知りませんけど、話してる内容から考えるとそうは思えませんが実際の所かなり奥手な気もしますよね」


「分かる!ほぺ弄りこそするけどそれ以外だと割と距離感はちゃんとしてるよね。リリィさんや姐御はエロい目で見まくりだけど」



 こんな事言うと普段セクハラ弄りしてるのがこじつけだってバレちゃうから本人には言わないでおこう



「実際の所、みーさんの実年齢っていくつなんでしょうかね?」


「「……………」」



 皆考え込みだしちゃった。やっぱり皆気になってはいたんだ



「私は40代前半くらいと予想するぜ、アニキが敬語だったかと思えばヨウさんは気軽な口調だったしな」



 そう聞くとなんだかそんな気がして来たよ。

 さすが姐御、頭が切れまするなぁ



「私は…30代後半と予想してます。特に理由は無いですけど喋ってみると歳上な感じはしますがそこまで上にも感じませんので」



 そういえばリリィさんのちゃんとした年齢は知らないかも…その言い方だと30代前半かな?



「なるほど、では私は20代後半を推します。お二人がその上に賭けて来ましたので勝負に出ますよ!何となくですが50代では無さそうですので」



 あれ?いつから賭け事になったのかな?



「アチキも30代後半を推すにょだ!」



「私も皆も似たような予想だけどワンチャン50代もあるんじゃないかなって思ってるよ」


 

特に理由はないけど20代でも50代でも納得は出来る気がするの



「50代……無くはないですね。ってこの辺にしてあげましょう。あれだけ頑なに隠してますから判明させちゃうのは悪いですし」



「そうだな、武士の情けってやつだ。それより具体的に神獣からみーを引き離す方法だ。なんかねーかなぁ…かえで呼ぶか?いやしかしそれはそれで」


「かえでさんはそういう特殊能力とかあるんですか?」


「いや、そういう訳じゃねーんだがアイツはコミュ力高いし悪意がないっていうか根っから善人だからな、その手の化け物じみた奴とも仲良く出来そうな気がするんだよ」


「キューちゃんの奥さんと親友にゃのでぇす!」



 キューちゃんの奥さん…もう一人のキューちゃんバリの吸血鬼さんか…それと親友は確かに凄い



「ただ…アイツの場合話の内容次第じゃ融通が利かないから面倒になるかも知れん」


「そうなのですか?私からするとちゃんと話出来る人に見受けられますが」



 私もそう思う。初対面から凄く仲良くしてくれたしいいお姉さんって感じだから融通が利かない感じはしないけど



「いいか、冷静に考えるとみーから神獣さんを襲うなんて事はまず無いんだ。

 アイツの性格もあるが何よりそれ程の神獣にそこまでやるのは人間の本能的に無理があると思うんだよ。

 想像もしたくねーがもしみーがやっちゃったとしたら…十中八九神獣からってなるだろう。

 この場合、逆にそれを断るのは女に恥をかかせるみたいな事になりかねん、だから素直に襲われるというのが最適解な訳だ…ってお前等男とそういう関係になる程お付き合いした事無かったからピンと来ないか?」



 言わんとしてる事は分かるけど



「そういう見方にも…なるのでしょうね」


「み、みーさんが…そ、それでも駄目ですぅ!!」



 リリィさんは頑なだね。勿論私もなんか嫌だけどそうしないと逆に怒らせて世界がって事か



「リリィ様の意見は絶対だから私とてそれは許せんが現実的にその可能性はあると見るしか無いだろ?んでだ、かえでの場合多分普通に仲良くなっちまうんだよ。

 そうするとやっちまったみーに対して責任取れとか言い出す側になりかねんのだ。

 神獣が気にするなとか最初から言ってれば大丈夫だろうが、もしそうなるとかえでも頑固だからなぁ…昔はあんな素直で何でも言う事聞いてくれたのに」



 せいらさんとかえでさんはそんな深い仲だったんだ



「そう考えると確かにかえで姉さんは危険ぴょ」



 まゆもちゃんも察せる位なんだね



「よりややこしくなるくらいならその案はやめておきましょう。私のみーさん許嫁計画からするとその話は良い情報だというのは置いときまして、せいらさんはかえでさんとそんなに仲良しこよしなのですか?」


「お前も大概小賢しいな、みーに汚染されてるな。いや、元からか」


「失礼な!私はただみーさんに体を許した時の後の事を考えた迄です」



 そんな事まで…でもそれをわざわざ言っちゃうメロニィって何処か抜けてるんだよね



「分かったよ。かえではなぁ、私の妹分1号さ。昔は私の真似をよくしてて可愛かったんだぜ!それがあんなエロい身体に育ってって、それでいて変に面倒見が良いせいで色んな男のハートをキャッチしまくりで…ってそれは関係ないか」


「かえでさんの昔話気になりますねぇ、問題ない範囲で教えて下さいよ」


「クリスは仲良しだったもんな、いいぜ」



 その後かえでさんの昔話から色々聞いたり、みーくんのアホな話とか色々してたら夜も遅くなってしまい就寝タイムになった。

 リリィさんが思った以上にみーくんのアホネタというか詳しかったのに驚いたよ、そんなに一緒に居た時間長かったっけ?ってちょっと気になったけど。

 何にしても結局具体的な作戦は何一つ決まらないままでした


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