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絶望には欲望で 4


 断って怒られたら世界が終わりかねないとか、割と話しやすそうに接して来る癖に無礼1つで粉々にしだしたりなんておっかない話を事前にしてくれたガメさん、どうやらとても気のいい性格なのだと分かり気付くと怯えてたメロニィを筆頭に皆馴染んでいた



「それでは龍宮に御案内しますので自分の背中にでも乗って下さい」



 龍宮って言うんだ。いよいよ持って浦島さんだな



「いいんすか?あのガメさんの背中に乗っちゃっても、いいんすか?」


「キミってばテンション高すぎだよ、そんなにガメさん推しだったの?」



「バカ!お前、ガメさんはなぁ…その圧倒的な体力で特定の敵からは敵側から見たラスボスなんて言われてた程の猛者なんだぞ」


「それは、ええのぅ!」



 流石まゆも、この話でお気に召してくれるか



「そ、そんな褒められても…おいしい海藻位しか渡せないっすよ」



 なんか知らんがおいしい海藻をゲット出来たぜ



「ところで…龍宮に行ったら地上と時間がズレてて戻った頃には数百年経ってたとかなんて事は無いですよね?」



「何の話かは分からないっスけどそのような事は無いので安心して下さいっス」


「そんな話があるのですか?」


「俺の居た世界の昔話にそんなのがあったのさ」



 ガメさんに乗って海底へと向かった。

 空気とかどうするんだろって思ったらガメさんがなんかの魔法で大丈夫にしてくれたようだ。

 いいなこの魔法、海底ってロマンいっぱいじゃないスか



「ガメさん凄いですね!海底で普通に呼吸出来るよ、みーくんの居た世界でもこういう事って出来たの?」



「潜水艦とか酸素ボンベというのを使って海底に行く事は出来たけどこんな万能かつ気軽に行けるようには出来なかったよ、流石ガメさんだわ」


「ありがとうっス。自分も一応神獣の端くれくらいの事は主から言われてるのでこれくらいは出来るっス」



 だいぶ慣れ親しんで甲羅を擦ってたメロニィの顔がまた引きつってしまった。

 やっぱコイツ神獣なんじゃないか



「いやぁ、やはり神獣なんじゃないすか。威厳が違うとは思ってたんすよ。なぁ?」


「は、はは、そ、そうですね。流石ガメ様でございます」


「ガメさんすごーぼぅん!」



 まゆもさんはもうそこ迄気にしてない御様子



「あ、自分なんてまだまだですし気にしないで気軽に絡んで大丈夫っスから。良い名前も頂いたですし」



 そんなこんなで結構深くまで行くと海底に謎の輪があると思ったらそこをくぐると巨大な建物というかこれは神殿とかそんな類なのだろうか?威厳ある建物が姿を現した



「皆さんなら大丈夫とは思いますがくれぐれも機嫌を損ねないようにして下さいっス。

 それからあまり言ってはいけないかもですが下手に気に入られ過ぎると中々帰れなくもなりますので気を付けて下さいっス」



 そういうのも早く言っといて貰いたいなぁ。でも貴重な情報には感謝



「色々ありがとうございます。今度地上でおいしい食べ物お土産に持って来るよ」



「ありがとうっス。主様も悪い神獣ではないのでそこ迄気を張らずにゆっくりして行って下さいっス」























 人によるかな、俺が遅いか早いか分からないがきっと遅かったのだろう、馬鹿だったんだろう。 

 世の中には油断大敵という言葉が存在しそれは日常あらゆる所で該当する訳だがそんな事は生きて経験を積む内に当然の事となる。

 厄介なのが大人になるにつれ油断なんかするわけ無いじゃんって……油断する様になるのだ。


 そういうのに気付き始めたのは晩年だった訳だけど上手く出来てやがるよな、そういうの分かって来たと思ったら死んじゃうんだから…そういえば俺何で死んだっけ?病弱だったから病気系統か?それにしちゃ突発的な気もしたけどそういえば前世の記憶って鮮明に思えてたけど所々曖昧になってるのは死んだ事の影響かな?

 よく考えると今は若返ってるからコッチ来てからの記憶は鮮明だけどそういえば40超えてからは割と記憶って今みたく若い頃の様に鮮明だったりしなかった気もするってそんな事はどうでもいいんだ!

 油断大敵…いや、油断というよりなんて言えばいいんだろうな、分からないけど正直キューちゃん位のヤバい奴に出会ってからは勝手にそれが最上位で後はそれよりヤバいのが居たとしてもそこ迄とは思ってなかったよ。

 しかもアレだな、漫画ってやっぱり悪影響もあるんだな…だって



 大きいってそれだけで絶望以外の何者でもないって気付かされたわ。

 んで神獣様ですか、ヤバイなんてもんじゃないわ!!

 分かるもの、分かっちゃうもの!神獣の気持ち一つで俺は終わるって。

 もうこの空間に居る事すら神獣様の加減一つみたいなとこあるんじゃないか?


 いやぁ、舐めてるつもりも油断してるつもりも無かったけど甘かったわ。


 リヴァイアサン……こんなのもう無理っす






「その方が妾の可愛い眷属の子の恩人か?」


「左様に御座いま」

「遅い!遅いわ!己は相変わらずすっとろいのぅ!亀とは言え神獣の端くれなんだからこの程度の事でチンタラするでないわ!」



「も、申し訳無いっス」



 ガメさんが怒られとる…ここは何も喋らない方が良いだろう。

 皆はどんな感じ…ってメロニィ気絶してるじゃないか!



「め、メロニィぃぃ!?大丈夫か!?」



 か細い声でなんとか頑張ってメロニィを起こす俺、怒られないよな?

 クリスも恐る恐るメロニィをさすってるがかなり無理をしておるのだろう、あのまゆもですらが怯えて縮こまってる始末。

 なんて言えばいいか分からないけど神獣様が許可してない事を勝手にやっただけで次の瞬間人生終了してるってなりうるのがなんか分かっちゃうんです



「ふむ、その人間は神職…聖職者とでもいうべきか?中々に高位なレベルなのだな、特に威嚇する気もない妾の気に当てられ気絶するのはそれなりな修業を積んでた証と言えよう。脆弱な存在ながら頑張って入るようじゃ。どれ、恩人の前だし人間の前だからな。人間の姿に変わってやろう、ほれお主もそうしろ」



「御意」



 付き人なのか分からないけどコッチもまた大きく威厳のある全身鎧をまとった何かだけど人の姿になれるのか?



「ほれ、これで少しは親しみやすくなっただろう?どうじゃ、妾は話の分かる神獣なのじゃ。決して癇癪で地上を海に沈めたりはしないと皆も分かったであろう?今度妹にも伝えるのじゃよ」



「せーの、その通りに御座いまする」



 今せーのって言った?周りのお魚さん達は眷属ってヤツか?



「わ、私とした事が気を失っておりました。ここは…夢ではないですよね?」



「夢ではないぞ、コチラにおわすのが神獣リヴァイアサン様だとお見受けされるのでござる」



 俺もテンパってて口調が変になるでござる



「ほれほれ、何も取って食ったりはせんわ。気楽にせい、妾は話の分かる神獣なのじゃ」



 それにしても…人の姿になってもかなりデカいな。

 着物のような服を着てるけどなんか肌けててエロい…っていかん!こんな事考えてるってバレたら抹消させられちゃう。

 それにしてももう1人の鎧というか甲冑っていうのか?それを身に着けてた方はまたなんともイカついおっさんだな、超睨まれてる気がして怖いです。

 もう説明不要で分かるもの、コッチも神獣なんだろうって



「あ、えっとお気遣いありがとう御座います。それからお招き頂きありがとう御座います」



 素直に礼を言うと仲間達も続けて礼を言ってくれた。

 そうだよ、何も悪い事した訳じゃないから礼儀さえちゃんとすれば何の問題も無いはず



「うんうん、良い子だねぇ。ほら、ポッセイドゥン!あんた顔が怖いんだからもう少し愛想よくしな!」


「うむ!」



 何も変わってませんが怒ってるわけじゃないと見受けていいよね?



「うーん…いざ呼んでみて思ったけど礼儀も弁えてるし悪い子ちゃんとかでも無いっぽいし…これといって弄りがいがないなぁ。どうしようか?あの学級委員長じゃなくて魔王君とこの子猫ちゃんみたく舞とかやらせるのも恩人にする事じゃないしなぁ」



 今学級委員長て言った?



「あ、あの…神獣様は魔王の事とかご存知で?」



「うむ、知っておるぞ。あんなちんちくりんが魔王なんて大層な名前をねぇ〜魔界じゃ学級委員長とか言われてたんだよ。その連れのネコ…ライなんとかだっけ?そいつは初めて会った時生意気に見えたから舞を舞わせるようにしてやったのさ。そうしたらある時、自分も部下とか出来てそれなりな地位に立ったので勘弁して貰えませんか?とか土下座して来たから優しい私は許してあげたのよ」



 そんな歴史があったのか、ライオウも苦労したんだな



「親しいお付き合いだったんですね、下手に隠し事するのは無礼にあたるので正直に申し上げますと」



「よいよい、あれらは別に妾達とは何の関係も無いのじゃ。むしろ迷惑かける気は無いという機嫌取りに定期的に手土産持って挨拶に来るくらいなのじゃ」



 良かった〜ライオウを倒したとかでキレられたらもう手の施しようがないからな。

 それにしても早く切り上げたい気持ちは山々だけどコチラからは何とも言えないし、かと言ってリヴァイアサン様側もなんか持て余しちゃってる風だし…何かそれらしい話題を振っていい感じの流れでそれとなく帰る感じにするか。

 それにしてもあの太ももはけしからん良い。ってそんな事考えてはいけない。

 今まともに会話できるのは俺だけっぽいからここは落ち着いて無礼なく立ち振る舞わないとだよ



「よろしければその…僕は以前別の世界で生きていて向こうで死んだと思ったら魔王を倒して下さいって声と共にコチラの世界に来ました。なのでなんかこう魔王の事何か教えて頂いたりは出来ないでしょうかね?」



「ほう、お主転生者か?ちょっと面白いのう。とは言えあんな学級委員長君の事なんか殆ど知らんしのう、こねこちゃんのパパは太古の昔ぶっ飛ばした事はあるけど…どれ?お主をちょっと読ませて貰おうかの」



 読ませてって…脳内でも読まれてるのか?昔はともかく今の俺はそんな悪い事はして無い筈だが…砦の事指摘されたらどうしよう



「み、みーくん…大丈夫だよね?」



 俺にも分からんけど皆ガチで震えてるからここは年長者たる俺がしっかりせねば



「お主…中々面白いじゃないかぁ。よもやこの世界でも1番に等しい位偉大な神獣様相手に太ももだの卑猥な事を思うとは一周回って感心するぞ」



 え?



「……みーくん、キミってやつはこんな時まで何考えてるんだよぅ!」


「た、確かに色気たっぷりな感じなのは認めますが時と場合を考えて下さい!」


「みーエロはこんな時までにゃのか!?」



 なんで俺こんな事で責められてるんだろう、物凄く恥ずかしいです



「しかもこの男の居た世界はそういう方面でかなり発達してたと思われるのぅ…これは面白い!お主の邪さは我が偉大さにも折れぬということか!」



 そんなので褒められてる感だされても嬉しくないですぅぅ



「神獣様、それは誤解です!確かに神獣様のその魅力的なボディに美しさには魅了されましたが神獣様相手にそのような事を本気で思うわけ」


「太ももに挟んでやろうか?」

「喜んで!!」


「即答!?キミってばなんでそんなエロいのさ!!」



 いかん、つい即答してしまった



「うむ、素直な子は嫌いじゃないぞ。よし、お主とは少しゆっくりその辺の話を聞かせて貰おうかのぅ」



 そう言うと魔法かなんかの力で俺は太ももに挟まる状態に持ってかれた。

 うん、最高!じゃなくて確かにこれはいいんだけど変な事になる前に早く帰りたいですぅ



「あ、あの…僕そろそろそろばんの塾が」



「一緒に暮らしてる女子が居ては気まずいだろう?その方らは先に褒美を持って帰るが良い。亀…じゃなくてガメにしたんだったな?褒美を持たさたせて送っておやりなさいな」



「しょ、承知しましたっス」


「え?ちょっと、みーくん!?大丈夫なの?」


「さあさあ、送りますのでコチラにっス」



 クリス達は帰されちゃいました。どうしよ…1人だとすんごい心細いです



「ではみーだったな、その邪な話をじっくり聞かせよ。ポッセイドゥンよ、お前も聞いとけ」



 何この状況



「あの…えと…リヴァイアサン様?」


「堅苦しいからリヴァちゃんで良いわ!」



 いや、多分様付けまで取ったらいつか殺されるな



「では…リヴァ様、具体的にどのような感じで話せばよろしいですかね?」



「う~む…そうじゃのぅ、その前に一応説明しておくか、妾コヤツは夫婦なのじゃ。

 だがもう何万年も前からの話でのぅ、最早お互いそういう方面でどうこうする感情は無いし我々レベルでの不義なんて起こす機会もないし起こそうとも思わんのじゃ。

 故にお互い突発的にお気に召した者と遊ぶ事くらいは気にも止めぬという感じじゃ。

 と、言うように妾達にはそういった方面での楽しみ方の深さが無いのじゃ。

 誰もそんな事を言ったりはせんし同等の連中は皆同じような感じでのぅ、退屈しておったのじゃよ。

 だからお主の前世の記憶からでも何でも良いので話を聞かせて妾達を楽しませるのじゃ」



「期待しておるぞ」



 このオッサン初めてまともに喋ったと思ったらコレか。

 さて、どうしたものか


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