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はじめての弟子は王子様?で 13

 

「あ、あの……その……」



 刺客君が目覚めるとメロニィ先生は録音を真っ先に聴かせてあげたら刺客君は借りてきた猫のように縮こまっちゃった刺客さんがここに居た




「何も、何も言うな!お前は頑張った!知ってると思うが俺は元軍人の叩き上げだ、気持はよーく分かる、分かるんだよ!お前は何も悪くない!!」


「う…うぅ……」



 オッサンとゴツいオッサンが抱き合い泣いてる姿を見せ付けられる俺達。

 実はオッサンの俺からしても何を見せ付けられてるんだってなるがここは黙っておこう



「分かってる、ここまで来たらお前の任務は死あるのみ。そんな事はわかった上で、話をさせてはもらえないか?誇り高き任務につく同志よ。立ち位置が違うだけで俺達は…同志だろ!」



「……分かった。今更だが裏切るような事は出来ない、その範囲であればで良ければ」



 もう殆ど漏らしちゃってるんだけどね。なんて思ってたらコルト君が喋りだした



「その方、立場は違えど王家に対しての任務御苦労であった。良ければ私の配下に、ならないか?」



 どうやらコルト君は先程の泣きに感化されたようだ


「そ、それは…」



 助け舟出すか



「分かったよ、一つだけ全て丸く収める方法がある。一口乗るかい?」



「師匠、それはいったい」



 まゆもがニンマリしだした。最初から分かってたか、仄めかしてたもんな



「まず刺客君、君は事が終わるまで捕まったが何も口を割らなかったという立場で行こう。んでギルさんはそれで口を割らそうと憤る感じで過ごしてくれ。タイマ君達は引き続き王子の護衛って事でこの話に合わせてくれれば良いと思う」



「了解、んでその事が終わるってのはどうする気だい?」



「明日、第二王子と魔王軍の将軍が会合するんだろ?その場にて俺達が将軍を討ってやる」



「「ええ!?」」



「みーくん本気かい?……って本気なんだろうね。良いよ、リーダーもその案を採用しようじゃないか」


「我々はいずれ魔王を倒すのです。当然の流れですね!」


「一番手っ取り早いにょです」




 そう、確かに一番手っ取り早いのだ。魔王軍将軍さえ討ってしまえば協定もクソもない。

 お隣から攻め込まれる恐れというのは戦争あっての事。

 大将首がノコノコやって来るという話がある今ならこの作戦は最も最善策だったりするのだ



「ライオウを倒したみーさん達ならではの策だな。そこは任せるとして…俺達も手伝おうか?」



「いや、タイマ君達には別にやってもらいたい事がある。王子を守るというのはそうなんだけど、コルト君側に内通者がいるじゃない?それを炙り出して欲しいのよ」



「それって……どうすりゃいい?」



「内通者は多分フィールだ、確証は無いけど間違いないと思う。んで明日上手い事やって尻尾を掴んで欲しいなぁなんてね」



「フィールさんが内通者?根拠はあるの?」 



 キリカさんは驚いてるようだがレーヌさんは思案してる御様子



「刺客の痕跡が確認された日、この宿にコルト君を泊める事を推奨しだしたというか止める気も無かったのに違和感を覚えたんだよね」



「でもそれだけじゃ…」



「んで昨日のやり取りで俺がわざとコルト王子を呼び捨てにしたの分かった?こっちに泊まってた組はそれに対して問題無いとスルー出来そうなもんだけどあの場に居た人間でフィールだけはそこに違和感や不快感、注意を促す事をするべきだった筈なのにそういった気配は微塵も感じなかった。

 つまりコルト王子を呼び捨てにする事に慣れてんだよ。最も、たまたまの可能性もあるわけだから確定にはならんけどね」



 それなりに説得力はあったようだ



「その上でどう炙り出すか…」



 タイマ君が悩みだしたがそっちは絶対的な任務ではないのでそこまで無理しないでも良いと思う。少なくとも今はまだ、だけどそうだなぁ…




「刺客さん、俺からはこれが最後の質問なんだけどこれだけは教えて欲しいんだけどいいかい?あなたの名前は?コードネームでもいいよ」



「……ハリ、だ」



「分かった。あんがとさん」



「待って下さい。それは本当ですよね?あなたとあなたの仲間を救うために取り立てる取り引きだと思って下さい。師匠に嘘を言ったら私が許しませんよ」



 コルト君が助け舟を出してくれた。助かるわ〜、今の応対は微妙だったもんな



「…嘘では、無いです。ハリで通るはずです。コードネームは今回は決めてませんので。不穏に感じたら申し訳無いがそもそも本名ではないし本名は知られてない可能性すらあるのでご容赦下さい」



 うーむ…やはり微妙な応対な気もするな。でもコイツの立場を考えたら仕方ないのか



「みーくんみーくん、アチキに良い魔法が浮かんだのだけど使ってみるかえ?」



 ま、まゆもさんが何やら不気味な笑みを浮かべて言い出した



「う、うん。その…どんな魔法なのかな?」


「うそぽっぽなのでぇす」


「して、その魔法はどんな魔法なのかな?」


「うそぽっぽ!」



 説明前にぶっ放しやがった。するとハトらしき鳥さん達が大量に現れてハリの頭の中に入っていった。

 おぞましいオーラを帯びてる反面特に害は無さそうだがあまりの事に流石のハリも喋りだした



「こ、これは、この魔法はなんだ?」



 ニマニマしてるまゆも、意趣返しなのか何も答えようとはしない。するとクリスが気になったのか新たに聞き返して来た



「ま、まゆもちゃん。今の恐ろしげな魔法はいったい?」


「うにゅ、これは嘘偽りを言うとその人物の脳内にある人物に今の鳩が行って脳の大事な部分を全部食べてしまうのじゃ」


「そ、それってつまり…」


「うにゅ、死ぬ!のじゃ」



 なんておっかねぇ魔法掛けやがる。え?まって、もしかしてコイツの記憶にある人間全員死ぬ可能性もあるの?



「アチキ達は大丈夫ぴょ!」


「で、でも王国の人達は」


「記憶に深く刻まれた者や直近で関わった者から鳩さんは行くと思われるので、下手すればこの王国のお偉いさんは皆キュッとなるぼぅん」


「ちょ、ちょっと…それは冗談ですよね?」



 ギルが顔面蒼白にしながら聞いてきた。普通なら半信半疑なもんだがまゆもの魔力はそれを感じさせないおぞましさがあるのだ



「ま、まゆもさん、落ち着こうぜ!コレって下手すりゃ国家転覆的なヤツじゃないか?」


「そ、そうですよ!まゆもさん。その…流石にやり過ぎでは?」


「ま、まゆもちゃんは何だかんだと優しいところあるから大丈夫…だと思いたいけど大丈夫だよね?国家転覆とかにならないよね?」



 俺達パーティーが半ば必死にまゆもに問いかけてる姿を見て何処か冗談めいてるところもあった空気が一転して皆顔面蒼白気味になった。

 そこに追い打ちをかけるかのように



「皆死ねば、転覆する物も消えるので、一石二鳥であーる。ぴきょ、ぴきょぴきょきょきょきょぉぉぉ〜」



 まゆもの不気味な笑い声だけがこだました



「おいハリ!!大丈夫なんだな!?嘘はないんだな!?これだからヤマト村の人に敵対するような事は絶対にしちゃ駄目なんだ!国家の基本だろ、頼むから嘘偽りは止めてくれよ!」



 必死に懇願するギル、気持はよく分かる



「ち、誓って嘘はない!嘘はないから勘弁してくれ!こ、国家そのものが消えるなんて程の事まで俺には手に負えねぇよ!

 た、頼む!お、俺は通称ハリで本名はモインって言うんだ、王家の諜報や暗部を生業としてるが元はスラムの貧乏一家の出で、この仕事入るまではスラムには日常的位の犯罪にしか手は染めてねぇし殺人もこの仕事やる迄はしたことない位なもんだ。

 本当だ、他にはその……この仕事は第二王子からの依頼だ、後は大体お察しのとおりだ。

 頼む、ヤマト村のお嬢様!これ以上は大した話は俺からは出ねぇ、だから勘弁してくれ」



「みーくんどうするぼん?」



 どうするもこうするもないがとりあえず話は信じてやる事にした



「それじゃあ明日この作戦を決行するという事で、英気を養うという事で飯にしますか」

 


「ちょっと待って下さいみーさん、肝心な事忘れてますよ」


 何?それはいったい



「みーくんは抜けてるからねぇ、頭良いんだか悪いんだか分からないんだよ、この男は。リーダーがちゃんと尻拭いしようかね」





「なんだよクリスまで、何か抜けてたかい?」



 タイマ君達も何やら苦笑い気味だ




「ハリさんでいいよね?明日の第二王子と将軍の会う場所何処か知ってる?」





 そうでした、肝心な事聞いてませんでした。もうパーティーメンバーにはバレバレだけど俺ってなんか生前から抜けてる時あるんだよな…さっきドヤ顔でもう聞くことがないとか言った手前物凄く恥ずかしいです。

 因みにまゆもさん効果で問題無く教えてもらえました

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