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冒険者はこの街で 1


 転身で連れて来られた場所はコネクトというファンタジー感ある街だ、西洋風とでもいうのかな。

 実は既に真夜中だが来たことはあったりする。リリィさんの表の稼業の薬屋がある事やそこそこ栄えてたり交通的にも色々便利というのもあり裏稼業をやる時にリリィさんに連れられて来てる訳だが裏稼業の時はフラフラする訳にもいかないしそもそも真夜中なのでまだ土地勘等はない



「あちらにギルドがあります、簡単に説明しますがあなたには冒険者になってもらい魔物を退治しつつ魔王討伐を目指して貰います」



 その辺の事は大まかにはヤマト村で聞いてるので驚きはない



「ざっくりとはヤマト村で聞いてますけど、わざわざ御指名でって理由はあるんですかね?」



「昔からのしきたりよ。指定された人物に会って今言った事をするように導いてくのが私達の仕事ですので、それ以上の詳しい事は分からないです」



 と、最低限取り繕ってるつもりだろうが面倒くさそうに返してきた。

 やはりもう初見で嫌われてるというか敵視されてるな



「一応聞きますが断る事って出来ますか?」



「その場合は出身等色々不明であろう人を怪しい人物としてご同行願う所から始まります。そしてその疑いが晴れようが晴れまいが身元引受人が居ない以上はこちらで管理する事になるのでって流れになります」



 出身等不明という点は分かってるのか。まあ実際問題アテはないしこの世界に来る時に聞いた言葉を1つの目標とするなら利害は一致してるって事で多少は付き合ってみるか



「ギルドへようこそ、ご要件…あ、その服と紋章は」



「そういう事です、こちらの方の冒険者手続きよろしくお願いします」



「かしこまりました、ではこちらにどぞ」



 ちゃんとした組織なのか、印籠的な感じで紋章を見せたら話が早い感じだな。

 そして心無しかギルドの受付のお姉さんもなんか態度がちょっと雑に…俺?いや、確かに俺は生前から初見で嫌われるとか敵視されやすかったけどこの受付さんの流れはちょっと感じが違うな、なんだろう?



「では簡単にギルドのシステムとか説明するんで」



 一通り説明を受けた。

 まず冒険者に登録、これは国で管理してる魔法?魔石?簡単に言うとステータス等がわかるようになる物を体に刻むとかそんな感じらしい。

 これをやると職業を選んだり出来るようになり討伐したモンスターの確認、スキル会得の補助等ゲームで言うステータス画面的なやつの事っぽいがそれが出来る様になるそうだ。

 続いて冒険者とは、まずは初心者でそこからCBAの順にランクがあるらしく初心者は分類はCになるがあくまで初心者と付くらしい。でもってCの上澄み位からBの真ん中位が中級者でBの上澄みからA級が上級者なんて括りだと解釈出来そうだ。

 国境超えや公的な力の強いクエストにはこの階級で違いが出て来るっぽくA級はその辺でかなり優遇されるっぽい。

 自ずとA級クラスは王都に拠点を置き冒険稼業から教える側に回ったり貴族に直接雇われたりなんかもするそうだ。

 ただ、貴族や王宮から直接クエストを受ける事等を除くと階級によってクエストが受け辛いとか報酬が変わるとかは無いようなので然程気にしなくてもいいかなと思う。

 少し怖いのはこの世界の殆どの場所に掛けられてるという言語翻訳の魔法か、この魔法のお陰で難無く会話したり読み書きが出来てこそいるがこの魔法、回数こそ然程でも無いがちょっと検証してみたところどうも俺の解釈に依存されてるっぽいのだ。

 なので都合良い所も多々あるが俺が理解せず感覚で使ってたり認知してる言葉も俺にはそのままダイレクトに伝わってるのである。

 何が怖いかって言うと例えばうろ覚えだが確か貴族ってその中でも階級があったと記憶はしてるが具体的なのは俺は知らないって事だ。

 聞いたことある物としては男爵とか伯爵とか、日本人の俺なら皇族は王族に変換してるのかされてるのか?この辺が曖昧だったりする。

 まあ王族と皇族なんかはどっちも無礼はやべぇってのはわかるからいいとして男爵とか伯爵って上下とかその辺があったとしても俺は認知してないのでもしかしたら全て貴族として俺は聞こえてしまってるのかも知れない。

 でも実際凄い格差なんかがあった場合、どちらかに無礼があって面倒事とかも出て来たら困りもんだ。関わらなきゃいいだけとも言えるが



「では登録をしますので手を。魔石をあてた時、少しピリッとしますので注意して下さい」



 一応これでもそれなりに社会人もやって歳も相応に重ねてた俺は素直に、真面目に聞きつつ要点は質問しつつ大人な応対していたからなのか受付の人も態度が雑っぽかったのを少し改めて来た感じがした。

 そして魔石を当ててもう一つの魔石をその魔石に当ててくると魔法がこちらに流れてく感覚がした。なるほど、何となくだがこれで俺の色んな能力を分析したりするんだろうなと思いつつ……俺は極限まで魔法及び力的なものを抑えた。 

 そして刻まれた感じがする箇所を薄く魔力的なもので覆ってそこまで浸透しないように調整した。

 多分生命エネルギー的な部分にも浸透させてこの機能を維持するみたいな感じにしてるのだろうがその部分の力の扱いは最早手慣れたものなのでこのまま定着させてしまおう。

 だってこれかなり高度な魔法だと思うんだよ、それはもう色々筒抜けになるレベルだろうしその気になったら遠隔で見えたりもするんじゃないか?悪いけど俺はそこまでこの国とかこの人の居る組織とかギルドとかまるっと信用する気はない。

 でも下手に拒絶するのもそれまたよろしく無いので最低限、最低限だけ関わるみたいな形に出来る様にと思い小細工してみた。

 どうやらこんな小細工をする人は居ないようだな、二人とも全く気付いてない



「え?あの、すいません……いくらなんでもこれは」



「どうしましたか?ってなにこれ」



 あらどうしたのでしょう?白い服のシオ……なんだっけ?それと受付さん二人ともなんか微妙な対応に


「このまま話進めても大丈夫ですか?」



「いいわよ、進めましょ」



 なんだろう、物凄く嫌そうな、ゴミを見る目に似たこの感じ。ちょっとやり過ぎたか、それにしたってその対応はいかがなものかと



「で、では職業……なんですがこのステータスとレベルでは…フリーランサーになりますかね。それでは頑張って下さい」



 話終わっちゃったみたいです。もう少しこの…なんかあるんじゃないかなとも思ったけど



「では登録も終わったのでとっととクエストでも行きますか?」



 さっきよりも遠慮ないレベルで態度が雑になりやがった、まあいいか。それよりクエスト…ねぇ



「えっと、まずその…1人でってのも悪くはないんでいいですけどパーティーを組むのが基本みたいな話をされてたのと、あと」



「ならパーティーに加入させてもらいますか、私が話して来ますので」



 コイツ、明らかにとっとと済ませたい的な感じだな。俺としてはそれよりまず



「ちょっと待て、ええっと…あなた俺が出身不明でとか言ってた時点でこちらの内情はそれとなくわかってるって事ですよね?」



「そうだけどそれがなにか?」



「俺としてはクエストがとかギルドがとか以前にまずこの世界で一般的に暮らして行くって所から経験したいんだよ。 

 ヤマト村でそれ相応にはやりくりしてたけどそれは色々手助け有りだったからね。だからまず仕事は何でもいいけどこの世界で普通に生活していくって事から始めたい。

 ここは主要な街の一つなんだろ?尚更ここで生きてみてまずこの世界に慣れる所からやりたいんだよ、出来れば3ヶ月位はそっちに力を注ぎたいかな」



 もちろん修行はするけど



「そんな悠長な事されても迷惑……いや、そうね。一理あるわ!ちょっと上の人に確認してみるから待ってなさい」



 コイツ何目線だよ。別にクエストやりつつでもいいが、聞く所によるとここは隣の国の関所へも近く、軍の基地もそう遠くない場所にある等の条件が重なり近隣に出るモンスターは弱いのが多くこの街のギルドは自ずと初心者が多いそうだ。

 そしてある程度店が多く栄えてる感じなのもこういう条件から生まれた平和が関係してるんだそうな。

 つまりこの近隣の魔物なんてヤマト村でモンスターを見つけてまゆもと狩ってた俺からしたら優先順位は低く、この街及びこの世界での一般的な生活力や常識、立ち回りの勉強の方が大事だと思うのよ



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