イベントは来訪者からで 10
昼食を済ませ一息ついてるとまたギルドの職員さんがやって来た。これから行くつもりだったので手間が省けて良かったよ
「ロックバードの件は済んだようで良かったです。ありがとうございました」
「いえいえ、お気になさらず。わざわざ来てくれてありがとうございます。ところで他のお話というのは?」
「実は2件ほどありまして…一つ目は隣国の貴族、マール様からの依頼が皆様指名であります。何でもライオウを倒した者に興味がとかいう話しです。内容はコボルトの討伐とありますが食事会と記載もあるのでおそらくそちらがメインかと」
食事会?そんなもんもギルドを通すのか?
「ギルドは食事会まで斡旋するのかい?」
「はい、多分お話してみたいと言うのを変に隠すのもよろしくないと見てちゃんと記載したものと思われます。ですが他国ですしお断りする事も出来ますよ。
当然国の方にも話は通してる上で王都へ呼び出す訳でもなくギルドを通してますので少なくとも王宮から見ると大して重要でも無い案件と見受けられますので」
多分王宮側は俺達にあまり関与したくないのだろう。
他所とも繋がりを持たせれば魔王軍の将軍討伐による遺恨を分散出来るとかそんな思惑もある気がする
「隣国かぁ、ちょっと興味あるね。リーダーはどうだい?」
「えっ!?ちょっと待ってね、うん。私も興味あるよ」
クリス様はメモを取っている。なるほど、リーダーだからこういうのをちゃんと立ち回れる様にって事なのだろう。クリスは根が真面目っぽいからな
「アチキも行ってみたいぴょ」
「決まりですね、他国へ行く際の手際は知っておりますので御安心下さい。引き受けてしまいましょう」
メロニィって本当優秀だな。俺なんかに求婚してくる事が申し訳ない気がして来たよ
「ありがとうございます。私の方も合点が行きましたよ。こちらのギルドでは他国のクエストなんてまず来ないので分かってませんでしたがメロニィさんがいらっしゃるからだったんですね」
メロニィが?どういう話だ?
「それはどういう事かな?」
「スパイとか国家間の関係の話ですよ。通常他国へのクエストを受ける際には外交の者が付き添う形になるのです。
ですがこのパーティーには仮にも貴族で王宮勤めのこの私が居ますからね、実際に行った事は無いですが白服達はその辺も一応は学んでおりますので大丈夫です。あの蓄音石なんかもこの為にあったりするのですよ」
そういう事か。それでも王宮からその話を伝えに来ない時点で俺達パーティーの扱いというのがなんか見えて来るがまあいいか
「では日時は向こうの指定した来週でよろしいですかね?使者が来る手筈となってますので」
特に問題無い筈なので了承しといた
「メロニィ先生、向こうの貴族と会う時って正装の方が良いとかあるのかな?」
「コボルト退治がメインにありますからね、通常の格好でよろしいと思いますよ」
クリスが色々確認している。頑張れリーダー、俺はリーダーの指示に従うぜ!面倒事は任せた
「それともう一つなのですが…これは気が向いたらでも良いのですが頼めるパーティーがA級じゃないとっていう厄介な案件なんです」
何やらこちらは面倒っぽい。聞かなかった事にするか
「どういう案件なんですか?」
くっ、こんな時は普段気が合う筈のクリスなら避けてくれると思ったのに普通に聞いてしまいやがった
「実害が無いのでなんとも言えないのです。依頼料も今の所確認だけの物となっておりまして…確か皆さんがライオウと戦ったとされる海岸だと思うのですがそちらにネクロマンサーとグリフォンの目撃情報が何回かありました。
ただ実害が発生して無いのでなんとも言えないんですよ、かと言ってそれ程の魔物と相対したらB級では全滅する可能性も高いので迂闊に頼めないという話です。
こちらに関しましては魔物が大物なだけに有事の際、討伐されましたら後付という形で報酬が出るよう申請中です。もし気が向いたら見に行って頂きかつ、何が起きてるかを調べて頂けたら助かります」
グリフォンか、確かヤマト村でまゆもと狩った気がするな
「みーくんが前にしょりゅーけんとか言って頭粉々にしたヤツやでぇ」
「頭粉々…私は最早驚かないけどキミってばヤマト村で滞在してた時から化け物だったんだね」
「みーさん、やるならササッとお願いしますね。グリフォンなんて私達は近接されたら普通に嬲り殺されるレベルの魔物ですので。でもクリスは大丈夫ですかね」
「私だってグリフォンなんてヤダよ!みーくん頼んだよ」
こいつ等、俺に押し付けやがって
「俺の見立てじゃライオウの手下の3匹の方が強い筈だから大丈夫だよ。皆で仲良く戦おうぜ」
「や、やはりみー様はとてもお強いのですね。いえ、最早疑ってるとかの話ではなくですよ」
「ギルドのお姉さんも気を付けて下さいね、この男は暴力の権化みたいなヤツですから。特にギガビーストを倒した時なんて雷を撃たれてからは無言で黙々と嬲り殺しにして最後は首に手を突っ込んで首の骨を」
やめてもらいたい。お姉さん引いちゃってるよ
「私はその時まだ居なかったのですがチラッと聞き及んではおりましたって…雷を使ったのですか?」
「そういや奥の手とか言ってたな。アレは結構効いたよ」
「それって…普通のギガビーストじゃ無い気がしますね。と言ってもギガビーストなんて滅多に狩られるようなものでも無いので分かりませんが」
ギガビーストはやはり強かったもんな。ライオウの手下の3人よりは強かったのは確かだ
「魔王軍の将軍なんて目じゃねーとか叫んでたもんね。本当よく一人で倒したってあの時は驚いたよ」
「一人で倒したんですか!?」
お姉さんが驚いてるようだがあまりこういう話はやめて欲しい。
こういうのはシレッとじゃないとだぜ
「魔王軍の将軍なんて目じゃねーとか、だいぶ知恵が回るタイプなんですね。或いは上位種とかかも知れませんが…既に狩ってる以上なんとも言えませんね。しかし貴重な話が聞けましたよ、私の知る資料のギガビーストとは違うので為になります」
そういう資料があるのか、気が向いたら見てみたい気もする
「あの、みー様…本当ギルドとか街を更地にするのだけは勘弁して下さいね。何かありましたら仰って頂けたら全力で対処しますので」
お姉さんがまた畏怖してる感じに戻ってしまったが馴れ合う気は無いから良しとするか。
とはいえ話を出来る人が居た方が良いからある程度気は使ってこう
「大丈夫ですよ、こちらとしても特殊な依頼の際はキチンと話し合いが出来る方が助かりますからね。何せ俺が初めて登録した時なんてそりゃもう雑に扱われたのでそういう事さえ無ければ僕は紳士なのさ」
「紳士かな?」
「紳士は厳しいかもですが」
「うにゅぅ……し、紳士ぼんよ?せーの、みーくん紳士」
こんな紳士捕まえて無礼な連中だぜ
「仲がよろしいんですね、それでは私は戻りますので、ありがとうございました」
さて、隣国とか面白くなって来た気がするがまずは晩飯何にしようかな




