2話 病院の中で
あそこで倒れた後、気づいたら俺は手術台の上に居た
「どこだここは、、」
チンピラにぼこされ気を失って、、そこからの記憶は無い、おそらく気絶したのだろう
にしてもここは変な部屋だ手術台があるってことはおそらく病院なんだろう、にしては薄暗いしちょっと汚いな、ふと右にある台に目をやると大量の血の付いた包帯が大量にあった。
「ひっ!」
俺これだけ血を流していたってことか?にしても俺は血を見るのはどうしても苦手だ、理屈的には説明できない、脳が本能的に忌避する感じだ。にしても、、
あれ、、左目が見える、どういうことだ?
「よお、起きたか」
俺の前に一人の右腕が鉄でできている男がが現れた、第一印象は老いぼれ、そして不健康そうだ。
「路地裏で血を流して倒れているのを見つけて拾ってきたらしい、まったくあんな悪の縄張りに一人で突っ込むだなんて、お前はとんだ大バカ者だ」
「す、すみません、誰かが助けてくれたんですか?」
「ああ、知り合いの女が連れてきた」
「そうですか、助けてくれてありがとうございます。」
「なあに、気にするな、何より俺はお前さんに期待してるんだ」
そう言って彼はニタニタと笑う、不気味だ、俺の経験上何か企んでいるに違いない。
「お前、左目の調子はどうだ?」
「調子、、いい感じですね、ちゃんと見えるし違和感とかも無いです。」
「そいつはストライクモデルだ、脳で遠くを見るのをイメージしてみろ。」
「はぁ、?おおっ!」
すげえこれ、遠くにある物を拡大できる!千里眼みたいな機能があるのか!
「聞いて驚くな、そいつは アウガ ストライク13代モデルだぜ!まだ市場に出回ってない最新モデルだ!」
「はあ、なるほど」
「なるほどって、お前、今の最新は11だぞ!こいつは最新作品だ!もっとお前くらいの年のガキは大喜びではしゃぐもんだろ!」
なんかすごそうなもん貰ったな、少し相手に合わせてみるか
「その、アウガってのはどんな機能があるんですか?」
「ん、そいつはストライクモデルだだから遠くの物を見る以外なんもねえよ」
「な、なるほどほかのモデルだとどんな機能が?」
「クク、よくぞ聞いてくれた、、」
彼の話によると目のインプラントはアウガっていう製品が市場を独占していてメジャーなモデルは4つあるらしい
俺がつけているのが千里眼もどき、ほかには動体視力を上げたり、大気汚染や紫外線が見える物、なんの機能が無い物、その他マイナーモデルがあるらしい。
「そんなすごいものなんですねこれ、でもこんな高そうなの払えませんよ。」
「へっ!心配要らねえ、一文無しなのはお前さんの財布を見たからわかってる、心配するな!」
いや心配するわ、勝手に財布の中身見るなよ、金持ってないのわかってて治療したの?こいつ何を考えているんだ、、
「じゃ、じゃあなんで助けてくれたんですか?」
「そりゃ、こいつを見れば分かるさ」
そういってそのヤブ医者は別の部屋へと行き、一枚の紙を持って俺に見せてきた
ー眼球インプラント適合率91%
「なんですか?これ」
「何ですか?ってお前とことん世間知らずだなあ、それともお前あれか?最近流行ってる自然体派か?」
「何ですかそれ?」
「ああっ、まあいい要はこれはインプラントの適合率だ、90%以上なんて見たことがねえ、お前さんはとんだ変態だ!」
褒めているんだろうけどもっと言葉を選んでくれ、
てかこの左目、人工物なんだ
建物の外観と倫理観に合わずこんなものが作れるとは、現代科学を駆使してもここまでの物は作れないだろう。
「な、なるほど、で、でもなんでこんなすごいものを俺につけてくれたんですか?」
「んー、なんでかぁ、さっきも言ったろ?期待してるって、こんな適合率の数値見たら誰だって期待しちまうさ!お前さんはきっと大物になるぜ」
大物?なんの話だ?話が見えないな
「にしても遅っせえなリオンのやつ、いつまで寝てるんだまったく」
「だ、誰ですか?リオンって方は」
「んあ?お前を助けてくれた人だよ、礼はそっちしな」
「ああ、なるほど。そういえば貴方の名前は?僕はナオトです」
「ナオト?クッ、変な名前だな、おれはヴィクターだ。ここで医者をしている、よろしくな」
人の名前聞いて笑うなよ、それに何がここで医者をしているだ、どう見たってヤブ医者だろ。
にしてもリオンって人が俺を助けてくれたのか、さっき女ってこの人が言ってたよな、かわいい子だったらいいなあ、わざわざ助けてくれたんだしきっと包容力ある素敵なお姉さんだ、そうに違いない。
妄想をしているうちに彼女は現れた
「お、やっと来たな、いいタイミングだ」
ドアへと目をやると彼女は居た、白い髪、とがった表情、派手な服装
反社の人間と言われても納得していしまいそうな、多分道ですれ違ったらすぐに目を逸らす相手だろう、視線が少し怖い。どこが包容力ある優しいお姉さんだ、だとしても命の恩人だ、ちゃんと挨拶しよう
そう決心して手術台から降りて少し頭を下げた
「は、初めましてナオトです、助けていただきありがとうございます。」
「ちゃんと立てるのね、よかった」
彼女はとがった表情を崩し不格好な笑顔を見せた
「はいおかげ様で」
彼女は俺の前を横切りヴィクターから一枚の紙を受け取った。んんっ、柑橘系の香水か、俺の好みじゃないな
彼女は目を大きく開き強めの口調で言った。
「ちょっとヴィクこれ、どういうことよ?ストライクの13モデルなんて払えないわよ!」
「ああ、安心しなお代は普通のやつと治療費しか頂かねえ。こいつを付けたのはなあに俺の趣味さ、気にするな」
「そう、ならよかったわ、あんたもとんだ物好きね、身元もわかんない子供にそんな高級品を付けるなんて」
「まったくお前も人のこといえないだろ、ベルジンの縄張りでガキ一人を拾ってくるなんてな!」
彼女は少しうつむき間をおいてから話した。
「あんたには言われたくないわ、、、」
「へっ、そうかい、まあ払うもん払ってくれれば問題ないさ、どうする?」
「ニックスに付けといて、ふた月後にでかいヤマがあるから」
「あいよ」
そういって彼女は俺の鞄を俺に渡して出口へと向い、3歩歩いたところで俺の方を向いて言った。
「あんた、なにぼさっとしてんの、いくよ」
鋭い視線、やっぱ怖いな。にしてもどこに行くのだと言うのだろう、まあ俺にはいく当てがない、この老いぼれに居候するのも無理だろう、まとりあえずついていくか
俺は彼女の後を駆け足で追いつき店を後にした