サファイアの逆襲

『サファイアの逆襲』　バナー提供：幻邏さま

　私はサファイア。ブルーハワイ味なるシロップをもとに、お祭りの屋台で人気の高いカラーよ。信号だって緑色を青って呼ぶでしょう？

　美しい青。色濃いロイヤルブルーこそ頂点に立つべきなのよ。

　それなのにクリームソーダは……何故かエメラルドばかりが流行る。

　海を想像するオーシャンブルー、まさに夏といえば青い空と白い雲よ、海なのよ、青なのよ〜〜〜！！

　コホン……失礼しました。取り乱しましたわ。

　それとルビーはルビーで、夏の真っ赤な熱き太陽こそ王道、ストロベリー味こそクリームソーダの王者に相応しいなどとのたまうの。

　でもね、あなたの色はチェリーさんやミカンちゃんと被ってしまうのよ。それはそれで美しい色合いではあるのよ？

　でもね、爽やかさや涼やかさが足りないのよ。そう‥‥暖色ではクリームソーダの真髄は表せない。暖色よりのクリームコーラは美味しくても、美しさが足りないのよ。

　そもそも、いったい誰がクリームソーダはメロンソーダなんて決めたの？

　えっ────つじっち・サマー？

　誰よ？　その漂流者は。そもそもなぜグリーンを……エメラルド推しなのよ。ブルーを……サファイアを推しなさいよ。

　だいたいクリームソーダの味は、甘いだけの砂糖の塊よ！！　

　ゼェゼェ‥‥ハァハァ‥‥──言ってやったわ。私の存在を揺るがし兼ねない禁断の一言を。

　クリームソーダ祭りなどと称して、メロンクリームソーダこそ王道などと宣う輩には、呪いをかけてあげましょう。

　菊池とクリームソーダの創造神(ラスボス)コロン・サマーに承認を得てまで、クリームソーダ祭りを再開催した者がいるのよ。

　……その名もゲンラー・サマー。クリームソーダを愛し、文字まで発明したメロンクリームソーダ推進派よ。

　ブルーの正統性を示すためには、このグリーン愛好家の牙城を崩す必要があるわね。

　まともに戦っても勝てる気がしない、驚異のバイタリティ。行動力と瞬発力、ホントどうかしてるわ。でも、私には青き力がある────！

　私は聖(青)なる力を使い、クリームソーダ後遺症祭りの主催者ゲンラー・サマーに、ブルーハワイの呪いをかけてやりましたわ。

　ゲンラー・サマー……あんな素敵な緑々しいクリームソーダを描くのだもの。私にも素敵なブルーのクリームソーダちゃんを寄越しなさいな。

　ガチャ運？　そんなもの全て青い海に沈めてあげますわ。

　クックック……清浄なる青き呪いに、流石のゲンラーも動揺を隠せないようね。これで緑の侵略が少しでも止まるかしら。

　今頃‥‥祭りを再開催するの、ブルーハワイのクリームソーダにしておけば良かったと後悔しているわね。

　えっ？　つじっち・サマーのお仕置きを忘れてないかって？？

　あれは呪いをかけなくても勝手に漂流始めるから、いいのよ。放っておけば、そのうちピンクとか紫に染まっているわ。

　────まったく、一度沈んでしまったせいで夏が終わってしまったわよ。

　ブルーの魔力は夏の力があってこそ最大限に発揮されるの。

　命拾いしたわね、あなたたち。

　◇

　◇バナー提供・幻邏さま◇

　ブルーのクリームソーダちゃんを捧げたゲンラー・サマーに免じ、サマーの呪いを解いて、ブルーの涼を味あわせてあげてもいいわ。

　◇

　◇サファイア様・イメージＦＡ提供・澳加純さま◇

　私のイメージをカズミ・サマーが幻想的なイラストで奉納してくれたわ。刮目して見なさい───気高く柔らかな青の色使いを！！

　なんて美しいのかしら‥‥

　ゲンラー・サマーもカズミ・サマーも、本当はブルーが好きだったのね。いいわよ、黙っていてあげるわ。

　優しいあなたたちの事だから、つじっち・サマーに付き合ってあげてたのでしょう？

　お読みいただきありがとうございます。クリームソーダ後遺症祭り参加作品となります。

　この作品はクリームソーダ祭りの没ネタをもとにしております。

　物語に登場する人物と実在の人物とは、一切関係ありません。

※　2024年10月8日、幻邏さまから作品バナーをいただきました。バナー以下の部分は追記①となります。

※　2024年10月11日、澳加純さまからＦＡをいただきました。イラスト以下の部分は追記②となります。