表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
New Eternity Online -PSだけで往く新世界-  作者: Amane Rinne
古代の枷は楽園を衛り、抑えられた羽根は再び拓いた
61/79

#58 囚世:UnRome part2

病み上がり


前話覚えてるかな!????

 

 〘エリア【黒霧の幽閉】に入場しました〙

 

 

「とりあえず歩きましょうか、皆さんついてきてください!概要は歩きながら話します」

 

 どうやらクエスト受注が出来るのは少し離れた場所らしく、アリスの先導のもと歩いていくことになった。

 

 そういう(・・・・)エリアに入ったらしく、歩いて行くにつれ、視界が黒い霧に覆われて行く。

 やがて俺は、数歩前の人しか視認出来なくなり、それを追いかける形となった。

 

「なーU、その銃どこでゲットしたんだよ?」

「その辺」

「なんじゃそりゃ。てかもしかして、跳弾したりしないよな……?『戦シ者』の時の二の舞はヤだぜ?」

「なついな『戦シ者』。サ終してから随分経ったな。跳弾は無いよ───多分」

「ほー、多分……ねぇ」

 

 

 歩いている間暇だったので、シーアとお喋りをしていると懐かしいゲーム名が出てきた。

 

 苦い思い出ではあるのだが、昔『()場の()()』というゲームをやっていた時期がある。「よりリアルな緊迫感を!」と言うのがキャッチコピーの無骨なゲーム。特に難しい操作やルール、システムはなく、ただ与えられた銃で殺し合うだけの神ゲー(初期評価)──────なのだが、色々やばかった。

 

 まずなんと言ってもヤバいのが、民度である。バトルロイヤルであるのに平然と行われるチーミング、それに重ねた裏切り。強者に対する賄賂もあればずっと芋る奴もいる。まぁこれだけなら良い。

 

 次にやばいのが、銃弾が跳弾することである。マップはそれほど広くないことから、バトル終盤には空中を飛び交う無数の銃弾が見れる時もある。幸いなのが、銃弾と銃弾が衝突した時は弾が消失すること。あのゲームのトッププレイヤー達は、飛来してくる銃弾に銃弾を当てるというクソキショムーブが出来る。俺もできる。

 

 そして1番ヤバいのが、痛覚が100%再現されていることだ。いや、馬鹿か?頭に致命的な欠陥があるのか?作ったやつは頭がおかしいし、やるやつも頭がおかしい。即死なら上々、体力が残りでもしたら気が狂いそうな痛みに耐えながら敵を殴殺するのだ。何が嬉しくてゲームで痛みを感じるんだよ。アホかボケが。ちなみに販売後数週間で販売停止+サービス終了された。そもそも販売許可すんなど阿呆がという話である。

 

 なんで俺はあんなゲームをやっていたのだろうか?一種の精神修行なんだわ。もちろんサービス停止前に途中で辞めたよ。俺の中の何かの全てがおかしくなる前に。

 

 シーアも少しやっていた時期があるのだが、跳弾する銃弾に全身を蜂の巣にされるというトラウマを克服してFPSをしている。あのゲームをやっていると、死と被弾に対する恐怖感がクッソ強まる。そして一定量を超えるとその全てが消え去るのだ。そうして出来あがるのは、痛みを知らないバトルジャンキーだけ。あー、こわ。あのゲーム。

 

 若干のトラウマが蘇るのを自覚して、鳥肌が立った気分になる。そして自分は既に超越者(・・・)であるという事実が嫌になる。そう、結局恐怖心がちょっとイカれる前に辞められなかったのだ。俺のバカめ。

 

 なんか妙に中毒性があったんだよな……きっとプレイ中だけマゾヒストになる仕掛けでもしてあったに違いない。超越者という皮肉な不名誉称号を賜ってしまったのは人生最大の後悔だ。

 

 

 はるみん:Uさんて、戦シ者経験者(屍人)なんですか?

 

 

 パーティーを組んだためだろうか、視界の端に表示される様になったコメント欄を高速で流れていく文字列。そのうちの一つを偶然キャッチしたので返答をしておく。

 

「あーはいまぁそうですね。戦シ者やってましたよ」

 

 母数が少ないため、ほぼ無用な知識ではあるが、戦場(・・)に足を踏み入れてその苦痛を全身全霊で味わった愚者のことを「屍人」と呼ぶのだ。

 

 そして俺はこのゲームで屍人として、出来るだけ攻撃(痛み)を喰らわない様にと超絶必死で足掻いた結果、そのギリギリのスリルにハマったせいでその後のゲームが偏食になってしまった。超高難易度のゲームばかり好きになったのである。


 

 

 って、こんなくだらない話はやめよう。

 どうやら、到着したらしいし。

 

「皆さん、ここからはパーティ組みましょう。クエストを始めます」

 

 先導をしていたアリスが立ち止まる。

 辿り着いたのは、曇天のもと薄暗さと不気味さを漂わせるフィールド【枯れた栄華の墓地群】の中でも異質な場所。

 

 〘クエストエリア【囚世ノ教会:門前】に入場しました〙

 

 暗い。いや、黒いという方が正しいだろうか?

 異様に大きく、そして中が見えない門が目前に立ちはだかっていた。

 

 〘特殊クエスト【縋る世界は裏へと廻る】が進行します〙

 〘レジェンダリークエスト【囚われの魔女】を開始します〙

 〘特殊クエスト【未知を求めて(2/3)】が進行します〙

 

 一気に複数のクエストが進行する。

 未知を求めても進行するのか。しかし、2/3?知らない内に1つ鍵を獲得していた───のか?

 

 よく分からない……が。まずはレジェンダリークエストに集中しよう。

 アリスから送られてきた申請を承認。パーティを組む。

 

「えっと、先程も説明しましたがもう一度。このレジェンダリークエストは、エリア攻略及び制圧が必須で、最終目的はエリア最奥部に居る、魔女の討伐です。クエストが受注できる場所は、街にある隠しクエストをクリアするとフラグが立つので、あーだこーだすると出来ます。」

 

 ふむふむ。

 

「そして私は既に一度挑戦していますが……門前で死んでいます。この門には門番が居て、それを撃破しないと入れないようです。」

 

 なるほど。

 その門番を倒せば、やっとレジェンダリークエストが開始されるのか。

 

「りょーかい、じゃあ取り敢えずその門番ってやつの情報共有お願いしまーす」

 

 シーアが催促する。

 その目線の先には、門番と呼ばれているらしいモンスターが仁王立ちしていた。

 

 ◇

 

「まず、【(Gate)(Gurdian):プロトタイプ】というこのエネミーには、技モーションが3種あります。まず1つ目は、『轟令』。角笛の威圧により、強制的に怯みモーションに入ります。これを受けると、2秒弱行動不可状態になるので、角笛を取り出す予備動作を確認したら距離をとってください。」

 

「このゲームで、2秒弱───か」と思わず言葉が洩れる。

 表面的な要素で神ゲーと捉えられがちなこのゲームであるが、その実態はあのクソ熊野郎(朔月ノ深熊)に始まり、ダンジョン内モンスターズや闇堕ち騎士と続く、激強エネミーの集まり。

 

 どちらかと言えば鬼畜ゲーである。

 

 そして恐らくこの強敵面子に続くであろう「門番」の2秒(・・)。たったそれだけで命取りになりうる数値だ。

 

 うーん、音に依るのなら、耳を塞げば攻略できるか?

 

「そして二つ目の『立哨』はデバフ系です。門番の視界に入っている間、継続的に移動速度とスタミナとhpの最大値が減ります。そして効果時間終了タイミングに視界に入っていると、ダメージが発生します。終了タイミングは、警報音で分かります。」

 

 これは、ダメージよりもデバフが厄介そうな雰囲気だ。

 だがまぁ視界ならやりようがあるか?


「そして3つ目は『転送』。持っている槍を地面に打ち付けるのが恐らく予備モーションかと思われます。鳴ったタイミングで、1人がランダムで転移します。」


 転送……?急にスキルの雰囲気が変わるな。最初2つはどうにも門番と言った感じだったけども。

 

 それになんというか、よく分からんスキルだな。どういう意図の実装だろうか?

 

「今の所分かっているのはこれだけなので、随時対応頑張りましょう!それじゃあここで時間かけてても仕方ないし、行きましょうかね〜」

 

 色々思考をこねくり回しているうちに、話が進んでいく。

 このクエストにどれぐらいの時間が取られるか不明だが、少なくとも短時間で終わるものではないだろう。

 

 入場にかけている時間はないらしい。

 


『【門番】に感知されました。クエストエリア【囚世ノ教会:門前】のクエストボスとの戦闘を開始します』

戦闘描写って書くのエネルギー使うんだよね


まだ病み上がりなので力に満ち溢れている時に更新します


あと純粋に忙しい


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 待ち侘びたぜこの時を [一言] [悲報?]主人公、Mだった
[良い点] この日を待ち侘びていたーーー! 類は友(狂人)を呼ぶってことか
[良い点] おかえりなさい!超嬉しいですお体に気をつけて [一言] 痛覚100%+範囲狭い+銃あり+バトロワはエグい
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ