#50 ゲー友のグルチャ@2 とわくわくドキドキクッキングパート2
チャット回でもないしリアル回でもない。これが中庸です(((
短
むくり。
VRチェアから出てみれば、もう外は闇の帳に包まれていて、世間は寝静まっているようだった。
「まったく、システムが上等ってのはいいことだけじゃないな……」
よっぽどAIができているとはいえ、あのような変な気を起こすまでになるとは思わなかった。いや、かわいいよ?可愛いのはいいんだけどさ、懐かれすぎても辞める時心苦しいんだわ。
…………寝るか?よく考えたらもうだいぶ長いことやってんだよな。さすがに健康を害してゲームが出来なくなったら元も子も無いし。
──────ボフッ
「…………宿屋と同じ感触」
◇
グループチャット:げーまーず(7)
《Uがオンラインです》
Lily:ほんと?じゃあ参加しようかしら。
U:おはざざす
シーア:俺は行くよ
夜鳴:了解
Reika:あらUさん、おっすですわ
Lily:うわー初心者だぁ^^可愛いにぇにぇ!!
U:なんか凄いキャラブレ激しい人いる
夜鳴:お、Uくん丁度いいところに
シーア:まぁまだ初めて少しだから分からんだろうが、リリィは興奮してんだよ。夜鳴さんが凄いレアなクエスト持ってきたから。
U:ふーん
Lily:いやぁ、残念!Uくんみたいな激うまゲーマーが居たら助かっただろうな〜でもほんとに残念!!レベル制限のせいで初心者サンは参加出来ねーんだよねぇ^^
夜鳴:ちなUくんも参加予定
シーア:マ?
Lily:え゛
U:必死に煽り散らかしたのにまったくもって見当違いだった時の気持ち教えてや
Lily:ちくせう。
U:(呆れ)
Reika:ワロタですわ〜
Lily:うるせぇ!!ぶっとばすぞ!!!
夜鳴:まぁ君たちも参加するってことで。
シーア:ところで詳細はいつ?隠し事はなしだよ
Lily:それは確かに気になるわね。というかU、もうレベル80あるの?場合によっては通報
U:普通にレベル上げただけ
Reika:金ですわね。
シーア:なるほど、バクか。
U:お前ら人を信じる心ってものを持てよ
夜鳴:もしかして:日頃の行い
シーア:狼少年という童話がだな
U:そんなに虚言症じゃないですぅ
Lily:↑ほら虚言
U:さすがにこれはどないせぇっちゅうねん
シーア:話逸れたので8切り
夜鳴:あー、そうそう、シナリオ詳細は、あーっと、後で……ね。
Reika:もしかしてご存知では無いんですわ?
U:あ、やっぱ元々知らない感じですか?なんか自分で見つけたって雰囲気出てたけど。
夜鳴:ギクリ
シーア:( '-' )
Lily:まぁ融通させてもらっただけ許せるかしら。
U:そうだ、メンバー誰?
夜鳴:えっと、UくんとシーアくんとLilyちゃんと私と、あと主催者ちゃん。
U:あれ、お嬢は?
Reika:私は少し別のクエストで苦労している最中なので、残念ですがご一緒出来ないんですの。
シーア:ちな主催は?
夜鳴:なんと、皆さんご存知フロスカレイドで有名なアリスちゃんだ。
Lily:へぇ、親交あったの
夜鳴:リアルでちょっとね
U:マジすか
スマホを置く。
「これはこれは……」
フロスカレイドの時死ぬほど適当に抜けてきちゃったから、なんとも会いにくい。気まずいなぁ。
まぁ、この機会にちょっと関係を良好にしておこう。仲良くなるのはいいが、げーまーず諸君みたいになってもらっちゃ困るからね。正しい方向へ育成するのだ。そしてあわよくば俺の敬虔なる信徒にしてやろう。
いやしないけど。
朝イチでスマホを開くという不健康生活を享受している俺。というか、チャット通知のせいで起こされた節があるからしょうがないというものだろう。
さて、飯でも食うか。
一応まだ寝ているかもしれない(ゲーマーばかりだと皆の生活サイクルが測れない)から、少し音を潜めて動きながら下に降りていく。
「今日のォ!!わくわくドキドキクッキングゥゥウ!!!(小声)」
朝だからか、若干テンションがおかしい。
キッチンに並べ、用意しているのはごはんとケチャップ、卵にチーズにそしてツナ缶。ウィンナーでも可。あとちょっとのミックスベジタブルと乾燥バジル。
容器は………無いな。近くにあったマグカップでいいや。熱耐性あるし。
ごはんと卵とケチャップとツナとウィンナー、ミックスベジタブルを投入し、混ぜ合わせる。そしてその上にチーズを敷き、電子レンジで加熱(600W2分30秒)。
待つ。
──────チーン
加熱の終了を報せる音が響く。取り出すと、しっかりチーズが温まって膨らみ良い香りが漂ってくる。
上にバジルを少しまぶして……
「完成じゃあ」
わーいドンドンパフパフ
せっかくだし食レポするか。
食った。
美味い。
熱い。
うむ。まぁ素人の食レポなんでそんなもんだ。
そんなにお腹は空いてないしこれくらいでいいだろう。
「……NEOするかぁ」
メシです。
誰か作って感想ください。試行錯誤で主人公により美味いものを食わせてあげます。




