表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
New Eternity Online -PSだけで往く新世界-  作者: Amane Rinne
月の神獣は山頂に吼え、深き何かはただソコに
36/79

#34 バンカー大迷宮攻略横道part6 海洋汚染

わりと変わり映えがしない戦闘が続きそうだったので、戦闘シーンはだいぶ削りました。あと、この物語の基本方針がやっと決まりました。ゲームストーリーメインでいきます。戦闘もしますけどね



あ、そういえば僕はモチベの自家発電を覚えました。ちょっと書きたい気分で溢れているので、更新頻度が上がるかもしれません。なのに昨日が無くて今日も遅かったのは、なんか書き進まなかったからです。モチベがあっても書けないって恐ろしいね………

 

 

 初めて真っ向に対面し、改めて構え合うと想像以上の迫力に気圧される。

 

「デケェな、マジで」

 

 トラック程の大きさで、青いオーラのようなものを纏っている。従来種よりも二つの腕が巨大化し、力と速度が大幅に上昇したシャコのレアモンスター─────『殻双蝦蛄』。

 

 不格好ながらもファンタジー補正によって存在が成り立つこのシャコの攻撃方法は主に2つある。

 

 それは「大きな拳を前に構えて突進」or「普通に殴る」だ。どちらも単純明快であり、特に後者は原始的な攻撃(アクション)であるからこそ、突き詰めた時の振れ幅は計り知れない。

 

 

 そして──────

 

 

 ──────!!

 

 

 速いッ!!

 

 対面したあと見つめ合うこともせず、挨拶のような軽さで猛スピードの突進をしてくる。

 

 だがパンチではなかったと安堵するべきか。

 

 突進よりも更に警戒すべき「殴り」ではあるが、奴にとっては通常攻撃と何ら変わりはない。

 

 必殺なパンチが通常攻撃の頻度で飛んでくるとはたまったものではないな。

 

 

「───ふッ!」

 

 突進を上に跳んで避けながら、その運動エネルギーを利用し背中を一直線に斬りつける。

 

 だが甲殻類特有のその鎧に阻まれ、上手く刃が通らない。

 

 

「やっぱ隙間か」

 

 パンチを凌ぎ、突進の隙を突いて鎧を掻い潜らなければいけない。まぁキツイ。

 

 大して堪えた様子も見せずにUターンして突進してくる。まさに猪突猛進だ。当てるまで止まる気は無いのだろうか?

 

 また見つめ合う。

 

 どうこいつを攻略しようか。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 エンカウントしてから約20分、俺はシャコを相手に変わり映えしないながらも神経を削る戦闘を行っていた。

 

 俺の全身からは流血を示すポリゴンが舞い、相対するシャコも背中の鎧は剥がれ、そこから中身が見えている。

 

 

 どちらも満身創痍だ。

 

 だがそれは俺が善戦したという意味ではなく──────

 

 

 

「───ッまた突進かッ!」

 

 再びの突進。闘いの中で幾度と行われたそれの対処にはもう慣れた。

 上へ跳び、シャコへ刀を向ける。が、それは斬りつけるのではなく、「掘る」という動きだ。

 

 刃を背にしてスコップのように差し込み、シャコの運動エネルギーを借りて引き上げる。そして鎧の所まで来れば……

 

 

「ッらぁっ!」

 

 刃を倒し鎧の間に滑り込ませて、完全に潜ったタイミングで思い切り引き上げる。

 そうして()の剣先が支点となり──

 

 

 パァン、と軽快な音と共に鎧が弾け飛ぶ。テコの原理により鎧を剥ぐ、というのがこの突進の最良策であった。現実の漁師とかに「んなこと出来るか」と言われそうな策であったが、これが割と刺さるのだ。

 

 

「これで残りの鎧はあと1つか。ってまた突進……。」

 

 

 俺が善戦した(・・・・・・)訳では無い(・・・・・)。というのは、あまりにもシャコが手を抜いていたのだ。文字通り。

 

 何故かは知らないが、シャコはずっと突進でのみ攻撃し、パンチ(手を)使わなかった(抜いた)のを手抜きと言わずなんというのか。

 

 

 パンチという最大かつ最強の通常攻撃に制限をかけられたそれを倒すのは、容易とは言わずも難しい事では無く、割とトントン拍子でここまで削ることが出来た。

 

 と、調子のいいことを言いながらも俺が負傷しているのは、1度だけ放たれた連続パンチに射抜かれたから。

 

 

 突進を避ける過程で1度船から離れ過ぎたタイミングがあったのだが、その時は全く容赦せずにパンチを打ちまくってきて、唐突なパンチの全ては避けきれずに被弾し、『根性』が発動して何とか凌いだのだ。

 

 

 

 ──────パァン!

 

 理由を予想するとすれば、船を破壊する可能性のある攻撃が出来なくなっているとか?

 

 状況を考察しながらも作業のように対処を行い、最後の鎧が刀に跳ね上げられて空を舞う。

 

「ハメ殺し──とは違うけど、気分のいい戦いじゃないなぁ。」

 

 割と気合を入れて、挑発したり意気込んだりして始まった戦いだが、制限された攻撃手段に簡単な対処法。そんな若干のヌルゲー(・・・・)にテンションが落ちていた。

 

 

 もうすぐ倒れてしまいそうな姿のシャコ。何とか一発パンチを打たせて、船を割ってもらわなければ。

 

 そんな願いが通じたのか、シャコに異変が起きる。

 

 

「───なんだ?」

 

 

 シャコにまとわりついていた青いオーラが消え去り……

 

 

 〘1部モンスターの状態異常『海洋汚染』が解除されました〙

 

 そうアナウンスが聞こえる。

 

 まとわりついていた青い何かが消え──────

 

 

 ──────シュパァァン!!!

 

「やっとかよッ!」

 

 パンチが放たれた。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

「はァ、最後に一気にハードモードだった。」

 

 ポリゴンとなり空気中に消えたシャコを後に、船に開いた穴へ向かう。

 結論から言うと、パンチを避けるのはだいぶ楽だった───ステータスを割り振ったから。だが、上手く誘導して穴を開けさせるのは苦労した。

 

 ステータスを割り振ったら再び変わり映えのしない戦闘になってしまった。

 

 なぜ今までステ割りを放置していたのだろうか?朔月ノ深獣(ヨグマ)の分のステータスポイントがめちゃくちゃ溜まっていただろうに。

 

「まさかステ振りを忘れるとは、おっちょこちょい………とかいうかそんな次元じゃないな。さすがに頭を使わずにゲームしすぎた。」

 

 

 チュートリアルの時はあんなにステータス気になってたのに、何故かずっと放置していた。現在のステータスはこちら。

 

 

 

 ==========================================

 

 PN(プレイヤーネーム)U(ユー)

 

 Lv:81

 職業(ジョブ):〘流離人(さすらいびと)

 所持金:0モネ

 SP:5

 

 体力(HP):20

 魔力(MP):--(破損)

 筋力(STR):40

 持久(STM):25

 防御(VIT):10

 俊敏(AGI):170+10

 器用(DEX):15

 技量(TEC):305+10

 幸運(LUC):30

 

 心核(ハートコア):速技

 

 装備

 

 右手:【終深喰(ツイシンショク)

 左手:なし

 頭:なし

 胴:初心の衣

 腰:初心のベルト

 脚:初心のズボン

 足:初心の靴

 

 アクセサリー:『聖白ノ眼装(ハクタクト)』『電波妨害腕輪(ジャミングリング)

 

 所持スキル

 ・『乱斬(ミダレギリ)

 ・『穿刃(ウガチバ)

 ・『弐抜断(ニヌキダチ)

 ・『飛牙(ヒガ)

 ・『天喰(テンクウ)

 ・【天ノ反逆Lv4】

 ・「立体機動Lv3」

 ・「呼吸法Lv7」

 ・「走行Lv9」

 ・「食い縛りLv3」

 ・「跳躍Lv8」

 ・「投擲Lv」(破損)

 ・「壁走りLv3」

 

 ==========================================

 

 

 ステ振りが割と頭おかしいことに気がついただろうか?そう、よく分からないステータス、「技量」にSPの大半を振っているのだ。

 

 一見よく分からないこれであるが、実際あげてみると恩恵がめちゃくちゃ大きい。

 

 VRゲームにおいて、アバターは操作者の意識によって動かされる。が、別に操作者は全ての動きを指定している訳では無いしブレる可能性の中で動きに幅が出るのだ。

 

『技量』ステはそれを最適化した動きに近づけてくれる。一言で言うと、理想の動きがしやすくなるのだ。

 

 シャコを倒すためにはパンチの速度に対応する必要があって、その為に俊敏ステは必須だった。だが、急に俊敏ステを上げてしまえば今までの速度との齟齬を修正出来ずにその隙で死んでしまう。

 

 それを修正してくれるのが『技量』ステータスなのだ。最初のステ振りの時に気づいたこの裏技的なものにより、速度制御による徐々な速度上昇が可能となった。

 

 

 

 

 

「ふーん、やっぱり豪華客船的な感じか。」

 

 

 ステータスを閉じ、ゆっくりと船の中へ歩を進める。

 異様な雰囲気と当たり前だが静か過ぎるその空気に、ここには何かあると思わされるような感覚。

 

 宝探しを始めよう。

ピッコマ漁ってたら、商人PKKのコミカライズ見つけてめっちゃ懐かしい気分になった。そして全部読み返していたら、4時寝になった。やはり面白い。




Tips:状態異常『海洋汚染』


旧人類によって生み出された、海洋生物にのみ感染するミーム汚染です。人類が存在する場所に対しての認識が「攻撃してはいけないもの」に上書きされます。安全を保全するために生まれたコレですが、「環境制魚」が感染することはなく、それらの暴走時にはこれまた違う手段が取られます。


ここまで来れば分かりますかね?ダンジョンの正体について。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 確かに最初に捨てるようなこと言ってたな……すみません。ただ二刀流にしないと補正率40%受けれないわけだがそれを捨てるのはゲーマとしては違和感はある。軽くても良いから何かしら装備出来る二刀目は…
[気になる点] 何故二刀流に筋力必要なのに微塵も振らないのかわからん。
[一言] ん?偽装的な腕輪だったかな?それは表示されないので?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ