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New Eternity Online -PSだけで往く新世界-  作者: Amane Rinne
月の神獣は山頂に吼え、深き何かはただソコに
14/79

#12 万を知るものは未知に戸惑い、千を知る物は既知を驚き、百を知るものは旧知を喜ぶ

ごめん!昨日出すつもりだったんだ!!!昨日の夜には書き上がってたんだ!!!!


まぁ明日分で良くね?って思ってしまいました____○_(土下寝)


そいやSAOVSのリリース今日だと思って朝7時頃に開いたらまだでした対あり


〘*ワールドアナウンス*全プレイヤーの皆様にお知らせします。〙



「……ワールドアナウンス?珍しい」


ワールドアナウンス特有の、オルガンの音のような荘厳な告知音と共に世界にアナウンスが響き渡る。



NEO内で既にプレイヤーが到達した数々の街、その中でも最大の都市【中枢都市(メガロリア)】。

最大の都市と言われるに相応しい複雑さと広大さを併せ持つこの街は、中心地に近づくほど地価が上がり、一等地、二等地と区分けされている、言わば典型的な都市構造をした計画都市である。


その都市の一等地には、地価の高さにより土地を所有するものはとても限られている。

なのでそこに集まっているのは、最前線のギルド、考察ギルドや情報屋、NPCで言えば貴族階級の豪邸などの、権力や影響力のある大富豪だけだ。


そんな超高級地の一角に門を構える、西洋風の豪邸。豪勢にあしらわれた装飾と、美しい花々と巨大な噴水で彩られている広い庭。そして何よりその巨大な館とその中を歩く人々(プレイヤー)の絢爛な装い。




そんな豪華な屋敷の一室に椅子に腰かけながら紅茶を嗜む女性が2人。



「いったい何のアナウンスかしら。レンシア、なにか心当たりは?」



「いえ……特には。他の筆頭ギルドの怪しい動きは見えませんし、例のフィールドボス討伐もまぁ無いでしょう。最強ギルドと名高い私達ですら歯が立たなかったのですから。」



「そしてエリア攻略関係は……さらに有り得ませんね。エリア進捗においては我々の右に出るものは居ませんので。」



「そう…よね。というか貴方、前から思っていたのだけど……」


「なんでしょう?」



「いや、なんでもないわ。」



自分達のギルドに対しての評価が高すぎてまるで自画自賛のようになってしまっている彼女、レンシアをたしなめようとするも、否定することも出来ないかと言葉を留める。


事実、彼女達のギルド『Flannel』はNEOにおいてトップギルドと言えるだろう。


まともにプレイしていればその名を知らないものは無い、名実共に最上位。

攻略においては常に最前線。倒したエリアボスの数や鳴らしたワールドアナウンスの数は間違いなく最多だろう。

影響力や経済力はトップとは言わずとも、情報力は情報系ギルドに次いで2番手。

エリア関連においては、秘匿エリアなども含めるとおそらく最も情報を持っているだろう。


そんな彼女らであったからこそ、そのアナウンスに驚かざるを得なかった。


〘*ワールドアナウンス*共有エリア『月環樹(ルナール)の頂き』のエリアボス【弓月ノ神獣(ツキノワグマ)】の初討伐が確認されました〙


〘*ワールドアナウンス*クリア人数1名/クリアプレイヤー:【U】〙



「はぁ!?」


ガタッ


予想外のアナウンスに思わず立ち上がりその弾みで椅子が倒れ、机が揺れて紅茶が零れポリゴンと化し消える。


「どういうことでしょう?エリア関連は私達が最前線のはずでは……」



「分からない……とりあえず主要メンバーを集めて。会議を開くわ。」


「了解しました。」



忙しなく扉から駆け出していく彼女を一瞥し、椅子に座りながら思考を巡らす。


(まさか私たちより先に進んだ人が出たのかしら?でもそうしたら私が知るエリア名の筈。じゃあまさか……私達が見逃していたエリアでもあるというのかしら?)



それは無い、と否定できない現実。事実アナウンスが発生してしまっているのだから。

自分達が見つけられなかったエリアを見つけられてしまった。それはもう過ぎたことだ。

いま考えるべきことは、他の攻略ギルドに取り込まれて情報を独占されないようにすること。


せっかくエリア攻略においてアドバンテージを取れているのに、万が一そのエリアから先回りできてしまうようなことがあれば後悔どころでは済まない。


それにそもそも、クリアプレイヤーは非常に卓越したプレイスキルを持っていると考えられる。何せ1人でエリアボス制圧を行ったのだ。純粋な戦力としても他ギルドに取られたくない人材だ。


そのためのアクションはどうするか。

色々な視点から考え、出した最適解。





「手始めに、懸賞金を掛けましょうか。」



美しくしなやかな長い黒髪をたなびかせながらそう呟き、部屋に近づいてくる複数の足音を聞き取り会議のために立ち上がったのは、『Flannel』のギルドマスター「Iris(アイリス)」その人である。
























「よしっ!討伐かんりょ〜!!みんな私の勇姿見てたー?」



Aliceの下僕:Alice様かっこいいー!!!


抵抗するペンギン:流石のプレイスキルとしか言いようがない


ちくわ発見者:1人でよくやるよ……



5番目の街と6番目の街の間にある4つのエリア。その内の1つ、『絶間の海域』のエリアボス、【陸潜りの鯱】が彼女の一撃によってポリゴンになり崩れ去る。

ぐーっと伸びをした彼女は話を続けながらバトルリザルトの確認のためUIを操作する。


有名Vアプリ配信チャンネル、『アリスinげーみんぐわーるど』はフロスカという最大の壁を打ち倒したことにより未練が無くなり、時代の覇権を握るVRMMOであるNEOに本腰を入れていた。


己の卓越したプレイヤースキルによって着々と攻略を進め、トッププレイヤーに成り上がっていこうというところだったのだが。

心の隅でずっと気にしていることがひとつあった。

フロスカレイドでとてつもない実力を発揮したとあるプレイヤーについてだ。


例のレイドでそのプレイヤーに新しく執着心が湧いていた彼女にとって、このタイミングでのワールドアナウンスは文字通り寝耳に水であった。


〘*ワールドアナウンス*全プレイヤーの皆様にお知らせします。〙



「ワールドアナウンス?久しぶりね。前聞いたのは、イベントの告知だったかしら。」


ちょこれいと:珍しー


お団子:( ˙꒳˙ ≡ ˙꒳˙ )おっおっおっ


なよ?:なんだなんだ



珍しいそのアナウンスに、UI操作を止め耳を傾ける。Aliceにとっては、配信の頻度的に久しぶりなのは仕方ないと思っていたのだが、コメント欄の具合を見る限り、ゲーム内でも久しぶりなようだ。


異変を少し感じる。

耳を傾けようとするも、一向に次のアナウンスが流れてこないことに少し不信感を抱く。



「……あれ?来ない」


「普通って次のアナウンスまでこんなに遅いものだっけ?」



最初のアナウンスから10秒は経った。そんなに何か重大なことをアナウンスするのだろうか。



いろは:遅いですね〜


み:普段こんな遅いことないのにどしたんや


MAHI:どしたどした



そして更に5秒ほど経ったあと、ようやく次のアナウンスが流れる。


〘*ワールドアナウンス*共有エリア『月環樹(ルナール)の頂き』のエリアボス【弓月ノ神獣(ツキノワグマ)】の初討伐が確認されました〙


「ふーん、エリアボスか」


耳を傾けはしたが、そんなに気にすることもない興味無さげにとサラッと流そうとする。

エリアボスの初討伐は攻略組の進捗が報告されるだけと割り切っているのだ。大して取り合う必要は無い。が、次の瞬間その態度は激変する。



〘*ワールドアナウンス*クリア人数1名/クリアプレイヤー:【U】〙



「あーーー!!!!!」



モニカ:あ


供仏その1:あらwご執心のw


粉茶:クリア人数1人草



「え、ねぇみんな!!これ多分あの子だよね!?違うかな!?!?」



くろ:例のプレイヤーっぽい


炭酸レモン:名前同じだし何よりクリア人数1人はもうそれ



「NEOやってたんだ!!!まぁそりゃそっか大衆ゲーだもんね……」



Aliceの顔に、隠しきれない驚愕と歓喜の表情が浮かび上がる。が、またすぐに落ち込んだ表情になる。


「でもどうすれば会えるかな……」



Rt_f:表情コロコロがちかわいい


まふ:公式カプってことでおk?


ぜぇむす:アリスの乙女表情がちくさ


Aliceの下僕:Alice様の片思いな?まだカプじゃない


甘てう:普通に依頼をだすってのは?



「依頼ね……ちょっといいかも!システムとしてあるし、懸賞金作戦でいこうかしら!」


捜していた人の存在を運良く感知し、とても興奮してやんややんやと騒がしいリスナーと配信主であった。

















「お疲れ様です〜」


大きいスクリーンが連結しているPC、そしてフルダイブVRの機器が中央を陣取っており、カセットゲームも複数あるなど、まさにゲーム部屋とそのものと言ったそんな部屋。


普通では無いのは、様々なトロフィーが棚に置いてあることくらいか。


PCを前にし、ヘッドフォンをつけマイクに向かって話していた少年は、労いの言葉と共に通話を終了しヘッドフォンを外す。

プロゲーマーとしての活動の一環として公式配信などに参加する機会は割とあり、今もNEOの公式配信に呼ばれゲストとして出演していたところだ。


少し疲労したようにゲーミングチェアにもたれ掛かるが、直ぐに電子機器に来ている通知に気づき目を通す。


その通知は、とあるゲーム記事の新しい記事の通知であった。

最近熱を上げているVRMMO、NEOの記事であった。

普段なら気にせず消していただろう。


だが何故かその記事の通知を消そうとする指がふと止まり、その見出しに目が吸い寄せられる。


あまり分量は多くないため流し読みでその内容を把握し、その記事が取り上げているとあるワールドアナウンスについての心当たりから思わず口が綻びる。


「初っ端から良くやるよ」


呆れたような愉快なような、それでいて嬉しそうな表情を浮かべた彼は、閲覧していたタブレットを机に置き部屋の外へ消えていった。


そしてその机の上には、『謎のエリアと謎のプレイヤーの真相に迫る!』という見出しの記事が表示されたタブレットがポツリと残されていた。


そういや一昨日累計PVが1万とブクマ100超えました。

閲覧、感想、いいねなど拙作の応援ありがとうございます。


それと時々日計ランキングの1桁入ったりしててビックリです。

取れたらラッキーくらいで考えてたのでとても嬉しい。



ちな上2人は時系列同じで、最後のプロゲーマー君は次の日の朝くらいです。

そして、アイリスちゃんの時、最初のアナウンスと次のアナウンスの間にめちゃくちゃ話したり考えたりしてますが、これはアニメや小説、漫画など特有の時空感異常ではなく実際に相応の時間が流れています。


縮小する時空間異常好き


そいやAliceの詳細書いてねーなー

次の登場人物一覧のとこに載せときます

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― 新着の感想 ―
[一言] お前のせいだ 時空間異常はマジですこ
[一言] どいつもこいつも懸賞金掛けやがる……(白目)
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