13話 初めてのフィールドボス戦
敵エネミーは大きく分けて
フィールドボス(第一の町周辺フィールド全体のボス、こいつを倒すと対応したフィールドマップがアクティベートされるゲーム的メタで言えば次のエリアへの侵入を妨げる守護者)
エリアモンスター(そこらにいるモンスター、この中でもアクティブモンスなど色々分けられます)
エリアボス(~の森や~の平原など限られたエリアのボス、簡単に言うと生態系の頂点)
ユニークモンスター(特殊な生い立ちなど様々な要因でオンリーワンの存在となったモンスター)
に分類されます、今後増やすかもしれないので一応参考までに
「さて、それじゃあ倒しに行きますかね。フィールドボス」
防具をもらったあと、試したい心を抑えその日は就寝し、翌日早めに起きてまだ全然探索していなかった第1の町周辺にある無魔平原へと訪れていた。初めはアザレアさんからのお使いクエストを早めに終わらせようと思ったんだけど、こんな強い装備貰ったらとりあえず戦いたいじゃん?行くよね、フィールドボス。
ゆーりが言うには町の下にずっと行けばいるらしい。どんなモンスターなんだろうか?だがまぁ、ソロで行くには強いモンスターだと言うことは分かる。新しい防具の試しにもちょうど使えるし、イベントに向けてすきるの獲得もできるかもしれないし、金策もできる。しかも、フィールドボスを倒したらそのフィールド、今回であれば第一の町周辺のマップがすべてアクティベートされるらしいしまさに、一石四鳥。
「ここら辺のモンスターはもう余裕だな。分かってたことだけど」
前におおかみと1度戦った時はもう少し苦労したし、気を抜けばやられていたが、今では様々なスキルと防具により、攻撃を受けても全然ダメージは負わなかった。他のモンスターはこないだみたいなユニークとかレアモンスターとかの稀有な例を除けばただのおおかみとかうさぎとかだし余裕だな。
「さて、どんどん進むか」
特に何が起こるというわけでもなくフィールドボスのいるエリアまでたどり着く。
「ここがボスエリア……バリアみたいなもので覆われて中が見えないようになっているのか」
えっと、武器よし、ポーションよし、防具よし、トイレよし、仲間の準備は……いないからよし!
ここまで結構かかったからな……死んで最初からはめんどくさいし時間的ロスもデカい。ここは何としても初見撃破をしなければ。そのためには、
「まずは観察ってね」
ボスエリアを包むゆらゆらとしたバリアのような壁を通り抜け崖から落ちる滝とそこに形成された泉の中央にとぐろを巻いているボスを見る。
「龍?いや蛇か?」
泉に座していたボスの見た目は西洋の竜のような立派な翼の付いた蛇。ってことは西洋の竜譲りの立派な翼と東洋の竜の姿を持ったハイブリットって、こと?
まぁそんな強そうなのが第一の町のフィールドボスなはずがないからただ翼の生えた蛇って所か。
「名前は.....有翼の偽龍蛇か。うん、蛇だったな」
「蛇の攻撃は噛みつき、尻尾による薙ぎ払い、あと、毒を持ってるのは間違いないか。そうなると、尻尾のなぎ払いよりも嚙みつきの方が警戒度は上がるな。あとは、、、どうやって泉の中心にいるあいつに攻撃を届かせるかだな!」
うん、これきつくね?多分これ、遠距離攻撃して陸に引きずりだすとかそういうタイプじゃね?ワンちゃん時間経過で陸に来てくれそうだけどこのゲーム雑魚的でも無駄に高度なAI詰んでるからこっちから攻撃が来なければあっちも詰めてこない説が俺の中だと結構濃厚なんだよなぁ。
「ッ!」
などと考えてる間にも尻尾を振り回し攻撃をしてくるが、【スライディングチャージ】を使い尻尾の下を潜り抜けつつ短剣で尻尾をすれ違いざまに切り付ける。
ぶにゅっとした感触だったけど、重装甲虫と比べるとしっかりとダメージが通ってることがわかるし倒せないことはなさそうだな。だとするなら後はこれを永遠に繰り替えすだけ.....多分フルパならタンクが尻尾の攻撃をはじいてその隙にアタッカーでの攻撃が定石なんだろうが俺が同じことをしたら吹っ飛ばされるだけだし避け続けるしかない。
「っと、【スライディングチャージ】からの【ピアース】」
再び仕掛けてきた尻尾での攻撃をよけ、貫通効果のある短剣用スキルである【ピアース】を使いダメージを少しずつ与える。
ダメージを受けたことに腹が立ったのか今までは泉の中から尻尾だけ出して攻撃していたが、陸に近づき当初の想定通り全身をうならせながら噛みついてきた.....大波を添えて。
そりゃそうだよな!あんな巨体が体を大きく動かしたら波もたつわ!
「【インッパクト】!」
左手に装備していたメイスて押し寄せて来る波に対しスキルを使い何とか威力を弱めることに成功し、何とかその場に踏み止まる。だが、波は所詮言葉通り余波でしかなく……
「【ステップ回避】」
スキルが終わる絶妙なタイミングで使われた回避スキルは偽龍蛇の牙をギリギリの所で避け切ることに成功する。
はずだった。
「ッ!」
回避へと踏み出した足は大波によって一時的にできたぬかるみに足を取られ回避に失敗し、その代償として体に深々と蛇の牙が突き刺さる。蛇の牙からは紫色の液体が滴っており毒属性があることを如実に表している。
ぬかったな、そりゃあ足元が濡れていたら滑るに決まってる。ノーミスクリア目指してたんだけどなぁ。でも、まだ生きてる!ノーミスは行けなくとも初見クリアはまだ残ってる。ちょっと集中力が欠けてた、もっと集中していれば滑ったとしても【スライディングチャージ】で無理やりよけることもできたかもしれないし。ぺっぺ、まずっ。
解毒薬と回復薬を飲み、一度体制を立て直しつつ、羽でのたたきつけを回避する。
「初見の攻撃だったが一応回避に成功はしたな。だが、その翼たったそれだけってことはないよな?」
足元に気を付けつつ回避を重ね出来れば、攻撃を与えることで少しずつダメージを蓄積させていくが、如何せん覚えているスキルが使い勝手重視で火力倍率の高いスキルが無く、巨体故の莫大なHPからすると雀の涙程度のダメージしか入っていない。
「全然削れねぇ。だけど、気づいてるか?お前の足元に水がないことに」
俺は気付いてたぞ?お前が攻撃を繰り返す度に前に出てくることにはなぁ!攻撃に集中して気づいてなかっただろう?だが!気がついた時にはもう遅い!
「よっしゃ!ここから俺のターン!」
今まではある程度の距離を取り回避に専念していたが、今からは蛇の真下……場所で言うと蛇の真ん中、翼の当たりに張り付く。
ここであれば噛みつきも、尻尾の薙ぎ払いもなかなか届かないだろ。気をつけるべきは身のよじらせだけ、もし食らっても俺の防御力ならそう大きなダメージは負わないし回復が間に合うだろう。何が言いたいかと言うと、このままなら勝ち確ですね。
……でもそうはいかないよな。
有翼の偽龍蛇
名前にも有翼と入っている竜のごとき蛇が翼を叩き付けでしか使わないなんてことはないとわかっていた。そして、翼である以上飛ぶということも。重装甲虫で体感してわかったが実際に体を動かして戦うゲームではやはりというべきか飛べるというアドバンテージがそれだけで強すぎる。それはこの蛇でもいえるはずだ。
有翼の偽龍蛇は口からブレスを地面に向けて撃ちその反動に合わせ、翼を動かすことで空を飛ぶ。
……にしても、その使い方は無理があるだろ!?
そんな方法で空を飛べるようになったってか?おいおい、それでいいのか蛇。だが、実際戦闘においては不規則に動き地面さえ切り裂いて当たったら即死だと思われるブレスを回避するのはなかなかに難しく、さらには地面に穴が開き、小さな泥だまりができるため足をすくわれやすくなりなおさら回避が難しくなる…めっちゃ厄介な攻撃だ。
「けどなぁ、そんな細いブレスじゃぁまだまだ龍にはなれねぇぞ、蛇」
龍が使うブレスの強さは何か?と聞かれたらなんて返す?火力の高さ?属性値の高さ?人によってはかっこよさと答えるはずだ。確かにそれらもブレスの強さではある。だが、もっともブレスの強さに貢献しているのは攻撃範囲の広さだ。いかに火力が高かろうと当たらなければ意味がないが、広範囲殲滅されてはどうあがこうが回避のしようがない。だが、このブレスはどうだ?確かに火力は高いし俺が食らったら即死だろうが、直線に放たれるビームのようなブレス、回避できないわけがない。多分、この攻撃はタンク絶対殺すビームなんだろう。よって、オールマイティアタッカーの俺には効かないQED。
とは言え足元の悪さだけは相性が悪く度々転んでしまうが、そこは持ち前の反応速度で時には側転をし、時にはスキルを使い回避をしていくことで何とか立て直す。
耐えきってやったがどうだ?おまえの攻撃パターンは全てか?いかにもな大技だったからな。あとはじっくりと削るだけだ。さ、レベル上げの餌になってもらおうか。
「っしゃ、ついに来た!ここで畳みかける!」
ブレスの勢いが弱くなっていき、蛇が地上に戻ると大技を放ったためか全く動かずおおきな隙となっている、蛇の尻尾から翼へと駆け上がり、勢いを維持したまま翼のの付け根へと唯一火力のあるメイスのスキル【インパクト】を使いダメージを与える。
「shaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!」
「やっぱ、ここが弱点か。本来ないはずのものが付いている根っこの部分。脆いに決まってる。しかも、翼には神経が細かく張り巡らされているらしいしこれといった弱点はここしかないよな。」
弱点を攻撃したことにより大きなダメージを負い、大きく体をのたうち回す。すると背中にメイスを突き刺したままの俺はどうなるでしょうか?
正解はめちゃはじかれるでした。蛇が上下に大きく揺れたことで真上にビル一つ分の高さになるんじゃないかという距離まで弾かれました。
「うん、これは死んだわ、流石に無理」
くそっあと少しだったってのに!マジで油断した。だれだよ「あとはじっくりと削るだけだ。さ、レベル上げの餌になってもらおうか。」とか言ってたやつ。変なフラグ立てるからこうなるんだよ。
「こうなったら死なばもろともじゃぃ、死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!」
すでに頂点にまで達し、落下を始める身体をなんとか立て直し、メイスを頭の上で構える。ここで倒すにはこれしかない。体全身を使った瓦割りいや、頭割り。
まだだ、チャンスは一度タイミングも一瞬。焦るなタイミングは有翼の偽龍蛇に衝突する寸前。
「今!【インパクト】」
常人であれば考えこそすれ、実際に実行に起こしても蛇と衝突するどころか空中で体勢を崩し地面と激突していただろうそんな思い付きは実力かそれとも運か有翼の偽龍蛇の、いや、生物の弱点である頭へと直撃しそのまま地面まで貫き、「ドゴン」という鈍く大きな音と水しぶき、そして水しぶきに交じりガラス片のようなものがシャララランと音を立てる。
余談だが、プレイヤーが死んだ際はガラス片のようなエフェクトと共に肉体が消える。だが、蘇生のための猶予か少しの間は肉体は形を保つ。
「レベルアップ?あれ?なんで生きてんだ?うわっHP1じゃん。回復薬回復薬。...んげ、やっぱまずいわ」
にしても、勝てるとはな。まだ結構敵HP残ってたと思うんだけど倒せたならいいでしょう、それよりもなんかレアドロップしたかな?......
漢字に漢字で当て字するのすこすこ侍




