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戦神から齎された数々の伝説の装備

 「剣城様?」


 「あぁ!ゆきさん?驚かせてしまったね?あれがオレがよく言っていた農業神様だよ。色々疑問はあるだろうけど、皆はこの事起きたら忘れていると思うから、2人だけの秘密だからね?」


 「まさか本当に神様が居るなんて・・・」


 「居る居る!他にもオレが知っているのは、芸術神様と商業神様って神様が居るらしいよ?ただ、本来は人間の営みに神が手を出す事は禁忌らしいから、多分そんなに会える事はないと思うから、皆には内緒だよ!?」


 「分かりました!!ではあの農業神様に感謝しないといけませんね?」


 「うん?何で感謝?」


 「だって、あの神様が剣城様をこの地に呼び、私と夫婦めおととなるようにしていただいたのですから・・・」


 うん。本当は農業神様じゃなく、あの人のパパのゴッドファーザーの部下のせいなんだよ!って言いたいけど言えないな。


 「そうだね。オレもゆきさんと出会えて良かったよ」


 「剣城様・・・・」


 チュッ


 皆が寝ているのをよそに祠の前でキスをした。


 「うっ、う〜ん・・・」


 「あっ、奇妙様!?大丈夫でしょうか!?」


 「ここは、どこでしょうか!?確か五穀豊穣を願い祈っていたところで・・・」


 その後は順に皆が目を覚まし、同じような事を口走りオレが答えた事は・・・。


 「雷が落ちて気絶したんだ!」


 という事にした。だって説明が面倒だから。


 「雷の割には何だか身体がスッキリしているが、何なんだろうな?剣城?」


 「慶次さん!今回はマジだから!!」


 「ふん。そういう事にしといて・・・やる訳ねーだろ!馬鹿!お前、俺達に嘘は言わないって言っただろ!?この見た事ない業物や大工道具は何だ!?」


 うん。回避失敗・・・結局、皆に本当の事を言った。それで記憶を消された事も。


 「それでその神様達が、俺達の祈りに返答をくれたのだな?」


 「端的に言えば。ただ、人間の営みに手を出したり加担したりはないから、それだけ注意するように」


 「ふ〜ん。で、この業物はどうするのだ?」


 あの甘党神様・・・失礼・・・戦神様からの贈り物、武器や大工道具の数々をどうしようか考えていると、国友さんが鑿を手に取り木を掬うように試していた。


 「何だこれは!?まるで抵抗が無い!?なのにこんなに木が削れておる!?茶碗蒸しを掬っているような感覚だ!」


 「頭領!こっちの鋸も使ってみて下さい!」


 「うん?どれどれ・・・」


 サクッサクッサクッ


 「はっ!?これも簡単に木が切れるではないか!?」


 さすが戦神様からの贈り物だ。うん?近くに紙が落ちてあるぞ?どれどれ・・・


 【よく気付いた人間よ。此度の供物は大変喜ばしい物であった。カヌレに関してはもう少し甘くても良い、と料理人に伝えてくれ。ホットケーキなる物は最高に美味である!そしてお主達に渡した物は、我を崇拝するドワーフやエルダードワーフ達が、我に捧げた供物である!正直、使い道が無いのでお主達で役立てよ。我の民達は何故か武器や道具ばかり供物を捧げ、食い物が無いのだ!その点、我が盟友は良い民を持った。羨ましいの一言である!次は更に甘い究極の物を所望する!さらばだ!】


 プシュン


 「え!?消えた!?」


 「うん?どうされましたか?」


 「いや、金剛君。何でもないよ」


 戦神様?よく気付いたなって、あれだけ堂々と光っている紙があれば、気付くでしょう!?そもそもそんなに甘い菓子が欲しいなら、そのドワーフとかいう人達に、直接言えばいいんじゃないですか!?


 とにかく、大工道具は決まりだな。国友さん達にプレゼントだ。


 「ゆきさん?あれを慶次さんに」


 「はい!慶次様?剣城様からぷれぜんとです!」


 「ぷれぜんととは確か人に物を渡す言葉だったよな?うん?この大業物は何だ!?」


 「その槍で機嫌直して下さい。皆朱の槍でいいのかな?確か武功一等の人に与える物でしたよね?とにかく、オレが持ってる槍で1番のやつです。ロンギヌス槍って名前で──」


 ビシュ─────ンッッッ!!!


 「素晴らしい!こんな大業物は初めて見た!刀匠は誰だ!?」


 いや、いきなり地を這った斬撃なんだが!?


 「え!?知らないっす!さっき言った戦神様から貰った物で、海を割り地を裂くとか説明に書いてあったような・・・」


 「確かにこれは、伊勢や那古屋の海をも真っ二つにできそうな気がする!剣城!礼を言う!この槍でお前を守ってやるよ!この槍に恥じぬ芝田家一の働きを見せてやる!そうだな・・・お前は今日から平三角造直槍ひらさんかくづくりすぐやりだ!」


 いやロンギヌス槍って言っただろ!?まあ本人が好きなように言ってもいいか。


 「剣城様?この見た事ない武器は!?」


 「あっ、奇妙様、すいません。よければ一つどうですか?好きなの選んで下さい!私からの贈り物です」


 「え!?構わないのですか!?」


 「若!?こんな大業物を頂くならば、何か返礼もそれ相応の物を用意せねば──」


 「あっ、確か毛利様でしたよね?」


 「名を覚えておいででしたか」


 「当たり前じゃないですか!」


 この人は毛利良勝。元々、河尻さん達と同じ黒母衣衆だったが、信長さんからの信任厚く、奇妙君の傅役になった人だ。周りから見れば左遷であるが、本人はこの傅役を誇りに思っている人だ。たまに話すくらいだが嫌いではない。少し他人行儀な感じが否めないが。


 「剣城殿!?これを!これをよろしいでしょうか!?」


 武器を前に嬉々としているな?本来の4歳・・・年が変わったから5歳児だな!


 「いいですよ。毛利様も如何です?使えそうな物があるならどうぞ?」


 「いやしかし・・・返礼となる物が・・・」


 「いいから!いいから!これなんかどうです!?日本刀となんら変わらない感じですし、使えそうではないですか!?」


 奇妙君が選んだのも、日本刀となんら変わらない形の剣だ。一応なんて名前の剣か気になり、鑑定にかけてみた。


 《ゴッドセイブザクイーン》売却価格¥1


効能・・・・この世の全てを手に入れた王妃の愛剣。異国の刃の形状をしている。斬れ味大。カリスマ性が上がる。


 

 《ゴッドセイブザキング》売却価格¥1


効能・・・・この世の全てを手に入れた王の愛剣。異国の刃の形状をしている。斬れ味超大。カリスマ性が上がる。


 は!?この世の全てを手に入れた王って誰だよ!?それにまた伝説的な剣か!?この二つの名前はなんぞ!?めちゃくそカッコいいんだが!?カリスマ性が上がるとか最高じゃん!?ただこれも例の如く売却価格1円か!?


 「剣城殿?本当によろしいのですね!?」


 「え!?えぇ・・・いいですよ!ちなみに名前は奇妙様の方がゴッドセイブザキングで毛利様の方がゴッドセイブザクイーンという名前です」


 「神よ、王を守り給えですか・・・。中々素晴らしい意味合いですね!ならばこの剣は神よ、織田を守りたまえ!って意味になりますね!」


 いや何なんだろう・・・少し恐ろしくもある。何で英語も既に理解しているのだろうか・・・。


 「奇妙様?失礼を。あっ、本当に返礼は要らないのでその二つ、好きなようにお使い下さい!名前も好きなように付けていただいて、構いませんので!!」


 「我が君!この槍をワシに下さりませぬか!?」


 「小川さんはハルモニアのスーツがあるから…………」



 

 「奇妙様?あの者が織田に来て良かったですな?この刀の意味は某には分かりませぬが、勝手に意味をつけるならば・・・我が刃は奇妙様の為に」


 「毛利殿?若輩者の世話役なんかを引き受けてくれ嬉しく思う。それに某は毛利殿のような勇猛な将になりたくも思う。これからもよろしくお頼み申し上げまする」


 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ


 うん?何で拍手!?あっ・・・・カッコいい・・・・。


 外国の王と騎士が忠誠を誓い合うような、片膝突いてる動作しているぞ!?あれがカリスマか!?カリスマなのか!?


 「剣城様?某はこれを所望したく・・・」


 「あっ、大野さんは好きなのいいですよ!」


 「えぇ!?何故この小川は!?小川三左衛門は自由に選ばせていただけぬのでしょうか!?」



 あの二人の剣に剣城は後々、助けられるようになる。これはもっともっと後の話である。

織田信忠の愛剣


・織田信忠の愛剣として現在は国立織田博物館にて保管されている。


・いつどのようにして作られたか、刀匠など年代までも不明ではあるが信忠が最後まで手にした刀であると言われている。残念ながら刀の名前などは伝わってはいないが信忠はよくこの刀を片手に掲げ『神よ!みんなを守りたまえ!』と言い、戦の後なんかには部下を労っていたと言われている。


エピソード


・この刀を持ち鍛錬に励んでいる所、傅役の毛利良勝と共に清洲城の庭にて素振りをして門壁を切断したと言い伝えがある。


・ある日文官の林秀貞が鍛錬ばかりでなく内政の事も目を向けるようにと信忠を探していたところ先の出来事があり、傅役の毛利良勝は主君、織田信長にこっぴどく叱られ、信長小姓の遠藤とランニングをさせられたと信長公記に書かれている。


・信忠の元を最後まで離れようとしなかった毛利良勝の刀も信忠の刀に負けぬ斬れ味と言われ同じ国立織田博物館に保管されている。

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[一言] 国立織田博物館ってwジワる
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