表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/24

3

 できもしないことをしようとしているのだとすると、私はとてもマヌケな存在であるということになる。信じるしかない。できると信じるしかない。信じるしかないのだが、大きな不安が心内にあることを認めないわけにはいかない。一寸先は闇。そこには落とし穴があるのかもしれない。しかし、進むしかない。後戻りはできない。時計は先にしか進まず、その針が逆に進むことはあり得ないからだ。時の流れに逆らうことは、可能ではないのだ。従順であらねばならぬ。奴隷のように、ではない、しもべのように従順に、ということだ。従うことの、美しさ。きっぷがいい。爽やかな風が吹く。肉のよろこびとはまた違う。人生の旨みはそこにこそあるのではないか。醜い行為を習慣づけたくはない、美しい行為をこそ、人間は、迎え入れるべきなのだ! ある人は言う、なぜそんなことが言えるのだ、と。お前の勘違いなのではないのか、と。しゃらくさい。この胸の熱さはここにしかないではないか! それが証拠でなくて何になるんだ! 美しさとは、いつも、良縁でいたい。美しさに嫌われたくはない。偽善はきっと、美しさの好みではない。だから、私は、偽善を捨て去る。少なくともこの場所においては。本音と建前、生活していく上では、時に建前を使わねばならない、本音だけでは生きていくことができない。そうであるし、ここにおいてだけは、本音を、本音だけを綴っていくことを、どうか、許して欲しい。唯一無二、絶対の存在がこの世にあるのなら、その存在が人の形をしているのなら、私は許しを乞う。悪かったのは、私です。どうか、許していただきたい、と。それは答えて言う、本心なのか、と。本心とは何なのか、嘘と真、ああ、嫌だ。嘘は嫌だ。醜い。醜い行為はもうまっぴらだ、人間とは本来美しい存在なのだ。きっと、そうだったに違いない。はるか昔は。昔と今と、人間のあらゆる本質が違ってしまっているのか。いや、元々のところは、同じに違いない。獲物が金に変わっているだけで、その社会的形態は大して変わらなかったりするんだ。獲れる男が勝利し、結婚できる。そして子孫を残せる。連綿と続く歴史の中で、変わらないものの一つが、人間は子供を作る、ということだ。醜い。何と醜いことか。子を残したい、これは、欲望だ。欲望のために生きているのか。なんとさもしい。自ら堕落するなんて、なんと人間の腐ったことか。子孫を残したい、というのは、欲望なのだ。理想は、そんな欲は捨て去ってしまえ、ということになる。私にもその欲はある。時に支配されてしまう。わかっていても、だ。自分の弱さに辟易する。子孫を残す、ということは、みんながみんな持っている欲だから正当化されがちだが、あくまで欲である。子供を残すためなら、人間は人間を裏切り、また、人間は人間を奈落の底に突き落としもするのだ。人間は人間を、子のために殺すのだ。それが醜いのだ。その罪は、裁かれない限り免れることはできない。みんながしてるから悪くない、では、断じてない。悪いこと、なのだ。人間が定める法だけがこの世界を、現世を支配しているのではない。天の法というものがある。人間には容易には理解できないことわりがある。我々人間は、生きているのではない。生かされているのだ。従順は、美しい。謙遜は、美しい。美しい存在は、素晴らしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ