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トライ・トライ 異世界でイケメンドエスな俺様貴族に拾ってもらいました  作者: リィズ・ブランディシュカ
おまけ2

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02 千代とチェイスたち




 最近ご主人さまは、付近の町つくりで困っているみたいです。


 何でもお貴族様達や町々の有力者さんたちが集まって話し合った結果、防災に強いつくりにしようという事になったそうで。そのための方法をあれこれ考えているみたいです。


 材料とか、人員確保とか、方法とか。考える事は山ほどありますし、資金繰りとかも大変そうです。


 ご主人様はいくつかの方法でお金を得て、付近の町々や村々を豊かにしてるみたいですけど、こういったことは専門外だから、専門家に任せればよいと思っているそうです。


 でも、一部の見栄っ張りさんたちが、自分達でやって人々の心をがっつりつかもうと考えたそうで、よくわからないのにあれこれやろうとしてるみたい。


 そういうのって、よくない例の典型ですよね。


 全部任せっきりは良くないと思いますけど、専門の分野はきちんとその手の人たちの頼むべきだと思いますっ。


 ちょっと頭が足らない、阿保っぽいと言われる私でも、それくらいの事はわかりますもん!





 というわけで、最終的にご主人様がとった方法は、専門家に任せる!


 でした。


 防災に詳しい人たちに意見を聞いたりして、町のつくりに手を加える案を出していきます。


 私達がよく買い出しに行く町の一つ、エレンスガというところは、高低差のある土地らしくて、付近の川がたびたび氾濫し、町をびしょびしょにしてしまうみたい。


 だから、それを防止するために、土地を高くあげたり、堤防を作ったり、壁を作ったりする予定のよう。


 とっても、大変そうだなあ。





 数日後。


 エレンスガにお買い物に向かった私は、懐かしい子達と再会。


 人がいない場所でうっかり迷子になった私に声をかけてきたのは、私をかつあげしようとした目つきの鋭い子チェイス君と、制服のお兄さんに怖い思いをさせられた女の子チェルシーちゃん。


 懐かしいですっ。


「姉ちゃん。元気そうじゃねーか。あの日町がとんでもなく賑やかだったから、どうにかなっちまったかと思ったぜ!」


 チェイス君がちょっとだけうち止けた態度で接してくれます。


 ううっ、私よく無事だったなあ。


 思い返すとほんとに大変な日だったもんね。


 エフさんの追ってから逃げて、警察(?)さんからも逃げて。


 懐かしさ1割、トラウマ9割で昔の事を思い出します。


 そんな中ににょきっと生えてくる、最近のご主人様との会話の想い出。


「あっ、そうだ。お願いがあるの!」


 私は、防災に強い町つくりをしているご主人様の事を思い出しながら、お願い事を話します。


 すると、二人は呆れた顔になりました。


「町の人間達が気が付かないような異常を報告しろって? この俺達に? 信用できんのかよ?」


 人通りの少ない所や、誰も行かない場所がどうなっているのか、調査しなくちゃいけないんだけど、時間が掛かっちゃうのが難点。


 でも、この子たちならその手間を省けるんじゃないかなって思ったんです。


「だってチェイス君たちは、私に色々くれたし。皆の団結力がすごいから、今回の事ですごく力になってくれると思ったんだ」


 うーん、ダメかな。


「日の当たらない所で生きる俺達に、そんな堂々とした態度で頼みごとをするとはな。胸を張っていい長所じゃねーんだぞ」


 あ、そっか。

 そういう見方もできるんだ。


(えっと、お絵描きしかできない人に、お絵描きの仕事を頼みながら、お絵描きしかできないだろお前って言う感じ?)


 でも私にとっては、そんなの大した事じゃないと思うんだけどな。

 私が言うのも変なのかもしれないけど。


「チェイスくんたちの力は、今とっても必要な力なの。だから、私はごしゅーカーライル様にとっては、短所なんかじゃないと思うけどな」

「はあー、喧嘩売ってんのかって言いたいけど、姉ちゃんアホそうだし、そういうのじゃないんだろうな」

「喧嘩なんてそんなのとんでもないよ。私は、純粋にごしゅーーじゃなくてカーライル様の役に立ちたいだけなの。それに、皆の力にも」


 お仕事すればたぶん今よりいい暮らしを送れるだろうし。

 皆服がボロボロで痩せてるから、お給料で服とかご飯とかかえるだろうし。


 目の前にいる男の子は、私の顔を見て、腕組み。


 指で自分の腕をとんとんしながら、考え事。


 いきなりこんな頼み事不躾かもしれないけど、これが一番良い方法なんじゃないかって思うんです。


 私はたくさん私に出来る事をして、ご主人様や皆の役に立ちたいですから。


「分かった。姉ちゃんのご主人様にあわせてくれるって言うなら、考えてもいいよ。お貴族さまって俺達のような人間の事下にみてそうだし。約束守ってくれないなら、力なんて貸してやりたくないしね」

「それなら大丈夫だよ。ごしゅーじゃなくてカーライル様は、陰険だし、性格悪いし、私の事毎日虐めてくるドエスだけど基本的にはいい人だから」

「ーー姉ちゃんの話聞いてると、本当に信用できる人間に思えなくなるんだけど。黒してるんだな姉ちゃん」


 あれ、なんだか可哀想な物を見る目でみられちゃった。


 私はフォローのつもりでそう言ったけど、逆効果だったかな。






 それから数日後。


 私は、ご主人様の仕事の時間が空いた日に、出会いの場をセッティング!


 町の様子を見るついでに、ご主人様と一緒にお買い物した後、数日前にあの子たちと出会った場所に向かいました。


 すると、さっそくご主人様がちびっ子たちに囲まれます。


「なるほど、こいつらがチヨが言っていた連中か。なかなか気骨のありそうな奴らばかりじゃないか。良いだろう、この俺が使ってやる」

「まだ俺達は何も言ってねーんだけど、自己完結かよ。姉ちゃんよくこんな奴の下で働けるな」


 ご、ご主人様は心の中は優しいですからっ。


 ちょっとドエスとか俺様の外側が分厚過ぎるだけでっ。


 なんてちょっと汗を流した一幕がありましたが、基本的には良い感じでお話は進み、無事に終わりました。


 これで、当分の間だけど皆にお仕事を紹介できますし、最低限の食費と生活道具を支給してもらえるようになったんですよ。


「専門分野は専門家に任せろというしな。なら仕事に集中できるようにするまでだ。身分の違いにこだわって、出さなくても良い損失を出すのは、愚か者のすることだ」


 ご主人様はそんな事を言ってますけど、私はちゃんと優しさだって分かってますから。







 それから町の防災施設とか道具とかの案が練られて行って、お仕事がたくさん。


 ちょっとだけ町の雰囲気が忙しない感じになりました。


 でも、これも皆の住みよい町つくりのためですからねっ。


 ちょっとだけだけど私もこれで、皆の役に立てたかな。


 たくさん恩をもらったのはご主人様だけど、この世界の皆からもちょっとずつお世話してもらってるから、もらったものを少しでもいいから返していけるといいな。





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