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トライ・トライ 異世界でイケメンドエスな俺様貴族に拾ってもらいました  作者: リィズ・ブランディシュカ
おまけ2

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01 ご主人様と皆にお疲れ様



 どうもチヨです。


 どこも特別なところのない私です。


 ひょんな事で異世界に転移いてしまった、ただの一般人です。


 あうう、自分で言ってて悲しくなってきますね。


 身寄りのない私は、一時期路頭にまよってこの世界の片隅でばったり倒れ、屍になる寸前でした。


 でも今は、イケメン俺様陰険ドエス貴族のカーライル様に拾われ、使用人として働いている最中です。


 お仕事はなかなか大変ですし、失敗も多いですけど何事もトライ・トライです。


 今日もめげずに頑張っていこうと思います。






 そんなこんなでお仕事して、お屋敷の窓ふきをしていると、リア姉さんが話しかけてきました。


「チヨ、今度のお休みの日に町に一緒に買い物へ出かけましょう」

「リア姉さんとお出かけですか! もちろん大歓迎です!」


 先日あった船での出来事から、以前にもましてお出かけできる機会が増えたため、知り合いのお店や有名どころの知識もインプットしてきました。


 寄りたいお店がたくさんあるので、わくわくが止まりません。


 でも、今回の目的はただの息抜きじゃないみたいです。


「次のお休みの日は、働き者さんたちへのお疲れ様をする日だから、甘いものをたくさん買ってこなくちゃいけないわね」

「そんな日があるんですかっ!?」


 リア姉さんが言うには、この世界にはお仕事している人に感謝を示す日があるらしいです。


(勤労感謝の日と似たようなものかな?)


 それで、その日は働いている人たちに甘いものをプレゼントするのが恒例みたいで、リア姉さんはそのために買い物をする予定みたいです。


(じゃあ私は、ご主人様にも何か買って行ってあげなきゃいけないな)


 性格も人間性も終わってますけど、お仕事はしっかりしてますからね。


 こういう時はしっかり、労わないとです。






 そういうわけで、訪れたのは町の中のお店、マカロンさんのマカロンショップです。


 マカロンさんという名前の女の人がやっているお店で、美味しいマカロンが売ってるんですよ。


 まえにリア姉さんに紹介してもらった時、いくつか買ってみたんですけど、すごくおいしかったです。


 あますぎないものもあるので、ご主人様の味覚にもあうと思いますっ。


「あらーいらっしゃーい今日もげんきいっぱいみたいねー」


 マカロンさんは息継ぎせずにのんびり喋るという変わった人ですが、良い人です。


 お客さんである私達に向かって、とっても丁寧に今取り扱ってる商品を教えてくれます。


「今は旬の果物をつかったこちらのレモン色マカロンが大好評よー試食してみてー」


 あむあむ。


 マカロンさんに差し出されたレモン色マカロンはとってもおいしい。


 酸味があってさわやかで、甘くなすぎなくてご主人様にもおすすめできます!


 他にも試食してくださいましたけど、私的にはレモンマカロンを推したいところですねっ。


 きっとご主人様にも喜んでもらえるはずですから!


「まいどありーありがとーまたお越しくださいねー」


 私はレモンマカロンと他の使用人さんたちに配るマカロンを買って、意気揚々とお屋敷に戻ります。






 帰った後は、もちろんお仕事。


 それでお夕食が終わった後に、マカロンを皆に配っていきます。


 こういう事をしてると、ご主人様が物陰からにゅっとでてきて、ちょっかいかけてくるのが恒例なんですけど。


 今日はなんだか大人しいですね。


 よっぽどお仕事が忙しいのかな。


 私はカイネ君とリア姉さんにマカロンを渡した後、執務室へと向かいます。


 お部屋の前まで辿り着いたら、きちんとノックして入室のお伺いです。


「チヨか?」


 そしたらご主人様のこの一言。


 エスパーか何かなんですか?


「はいです。ご主人さまにお渡ししたいものがあって」

「入れ」


 ドアをあけて入ると、気難しそうなご主人様の顔。


 ちょっと疲れた顔してますね。


「ご主人様、大丈夫ですか?」

「これが大丈夫に見えるか」


 見えません。

 ちゃんと休んでほしいところですけど、お仕事の事何も分からないのに口出しするわけにもいきませんし、困っちゃいます!


 なら、せめて私のお土産で元気を取り戻してほしいところ。


「マカロン買ってきたので、ご主人様にどうぞ。とってもおいしいんですよ!」

「ん? ああ今日は例の日か、ご苦労だったな」


 いつもなら私が何かプレゼントしたらそれを出しにしてこっちを揶揄ってくるのに、今のご主人様はアイデンティティを失っているみたいです。


 しおしおですっ。


 こ、こうなったら頑張る女チヨ!


 勇気の店どころです!


「あうあうあう、あのっ、お疲れのようでしたらひっ、膝枕などどうでしょうか?」

「あ?」

「年の割には小さいので、ご主人様の頭に見合う安眠を提供できるか不安ですけどもっ」


 は、恥ずかしいですう!


 ご主人様は何度も不埒な事いってますけど、日ごろ恥ずかしくないんでしょうか。


 顔を覆って真っ赤な顔を隠していると、いつの間にかご主人様が急接近。


「ほう、お前から誘ってくるとは珍しいじゃないか」


 にやりと笑ったご主人様は見慣れたドエス顔を披露します。


(ひぃっ! は、早まったかな・・・)


 冷や汗を流していると、ご主人様はけれど執務机を気にして、ため息。


 あっ、陰険度が下がった。


「おもしろ、魅力的な誘いではあるが、あっちも蔑ろにはできないんでな。後にとっておけ」

「そ、そうですか」


 なんだかちょっと寂しい気持ちが湧いてくるのは、私がドエムだからではないと思います。


 いつもぐいぐい来る人がしおしおになっているせいで困惑しているだけですからっ。


「だか、差し入れご苦労だった。後で褒美をやるから首を洗って待っている事だな」


 そこは楽しみにしていてくれ、じゃないんですね。


 物騒です!


 ご主人様は、ほんと相変わらずです。


 でも、ちょっと元気になってよかった。


 何か出来る事があったら、力になりたいというのは本当の気持ちですから。






 そんな感じで話が終わっていれば、とても心温まるエピソードだってんですけどもっ。


 ところがご主人様は性悪陰険ドエスなので!


 こういう事になりました!


「さあ、チヨ。褒美だぞ! 受け取れ」


 ひいっ! いやです。こないでくださあああい!


 恥ずかしい服を着せようと、あられもない服を手にして追いかけてくるご主人様の画、そしてそんなご主人様から逃げる私で、エンディング突入。


 逃げきれるでしょうか。私。




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