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トライ・トライ 異世界でイケメンドエスな俺様貴族に拾ってもらいました  作者: リィズ・ブランディシュカ
第1章 チヨ、拾われる
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04 千代、閉じ込められて愛でられる



 こうなったら、住み込みで働かせてもらうしかありません。

 価値のある物は持っていませんが、受けた恩は体でお返しします。


 あっ、別におかしな意味じゃないですよっ。

 そのまま、「ここで働きますっ」の意味です。


「エフさんっ! このご恩は必ず返しますっ! 掃除、炊事、洗濯、ゴミ捨て、何でもします!」


 そういうわけで意思表明!


 (さあ、どんとこいっ!)


 けれど、エフさんはにっこり笑顔を返して「恩なんて返さなくてもいいよ」だそうです。


 そして、個室に通されて扉をガチャン。


「??????(??????)」


 思わず顔も心の声も完全一致してしまいました。

 元から顔も思ってる事もまったく同じだねって言われる事多いですけどもっ!


(エフさん……何だか最後の瞬間、ちょっとだけ、怖かったような?)


 とりあえず、首を傾げながら、扉に近寄ってノブをひねります。


 ガチャガチャ。


(あれ、開かない)


 そのうち窓もガチャガチャとなって。格子がつけられました。


 というわけで、窓の鍵の方もガチャガチャ。


 窓は開きましたけど、当然外にはでられません。


 急展開すぎますよっ!!


「???」


 これはあれですか?

 もしかして。私、閉じ込められました?


 と、格子をつけられた窓に人型のシルエット。


 招待はエフさんです。


 にっこり笑顔を装備したかエフさんが、いとおしそうに格子をなでながら、私に話しかけてきます。


 どこか陶酔した様子で、頬が若干上気してますね。


 そこはなとなくやばい雰囲気がしなしたが、決めつけはよくありません。


「ど、どうされたんですかっ!?もしかしてご病気ですかっ?」


 エフさんの体調を心配してみました。


 それに対する返答は、こちらです。はいどうぞ。


「君は可愛いね。小さくて可愛い。ずっとこの部屋に住んでたらいいよ。僕が好きな時に好きな風に愛でるから、大人しくしてるだけでいいよ。息するだけで、生きてるだけで、もうぜんぜん大丈夫だよ」

「ひぃっ!?」


 うーんマイナス100点。


 善人とイケメンである点がものの見事に相殺されてしまいましたねっ!


 焦点があってない瞳で見つめられて、思わず悲鳴を漏らしてしまいました。


(エフさん!それは、ぜんぜん大丈夫じゃありませんよねっ!?これって人としてどうなんですかっ!?)


 言ってる事は好待遇なのに、周りの景色が全力でこの現実を絶望させてきます。


 ひょっとして私、やばい人に閉じ込められてしまいました?


「じゃあ、僕は仕事があるから失礼させてもらうよ。何かあったら遠慮なくいってね」

「あ、待ってくださいエフさん。エフさーん!」


 エフさんは私の声なんて聞こえていないかのように、すたすたと遠ざかって行ってしまいました。




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