1話 第1の殺人(完壁なアリバイ)
金口虎南はバスの窓から外を眺めていた。
推理研究会の合宿で「ドクロ山荘」に行くことになった。
ドクロ山荘に着いた。
6人はバスを降りた。
この時俺たちはまだ気づいていなかった。
このドクロ山荘にただよう殺意の気配を・・・!
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四郎は部屋に入るとバッグの中身を取り出した。
入っていたのはナイフと包丁だった。
どちらも新品だった。四郎はこれを実際使ったことがない。
でもこの合宿では使い放題だ。
四郎は舌なめずりをした。
まずはアイツらだ。待っていろ一郎と二郎・・・!
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山荘についた推理研究会の一行は一旦部屋に入ったあとロビーに集まった。
一郎と二郎はスマホゲームのため部屋に閉じこもっていた。
ロビーには他に三人の男がいた。
オーナーの渡辺、警察の江戸川、ピエロの仮面をした高田だ。
「あー!スケジュール帳どこだー!」
高田が一辺50cmの直方体のボストンバッグをぱかぱかさせていた。
この7人は集まった午後1時から夕食の午後7時まで大体ロビーにいた。
時々トイレや殺人などのために席を立つものもいた。
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四郎はロビーから自室に戻るとナイフを手にした。
そして一郎の部屋に行った。
部屋には鍵がかかっていなかった。
四郎は誰にも気づかれないようこっそりとドアを開けた。
足音を立てずに部屋に入る。
扉を閉めるとそのまま一気に部屋の奥へ走り出した。
ぐさり。ぐさり。ぐさり。
ずさっ。ずさっ。ずさっ。
一郎が声を上げることはなかった。
わずか1秒の間に六連撃を叩き込んだ。
四郎はナイフの切れ味を堪能した。
よく切れるナイフに満足げだった。
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「もう夕飯なのですが一郎と二郎が来ません」
「呼んできましょう」
江戸川とオーナーと金口と七原が呼びに行った。
部屋には鍵がかかっていなかった。
江戸川はノックしてから扉を開けた。
「こ、これは!?」
「きゃあ。こわい」
部屋の中は血まみれだった。
そして部屋中に一郎が転がっていた。
いわゆるひとつのバラバラ死体だった。
とにかくすっごくバラバラにされていた。