彼の――を冷ややかに見据えて
「うーん……あんまりこういう噂話で人のことを
悪く言うのは良くないかもしれないけど、
噂が本当なら、
瀧川って人はすごく可哀想な人だね」
と、彼女は
臆面もなくきっぱりと言ってのけた。
「え、可哀想? どこが?」
立花さんは食い入るように反論した。
瀧川に最低なことをされた身としては
聞き捨てならなかったのだろう。
すると天宮さんは目を丸くして、
「だって隠してまで守りたかったことが
こうやって表沙汰になってるでしょ?
まぁ、女遊びしてたみたいだから
自業自得と言えばそうなんだけど」
立花さんはその言葉にぐさりと来たようだ。
「全くそうだよな!
瀧川って奴は学年中の奴らから
こんなにも罵られて蔑まれて……
羨ましいぃぃ////」
「うわ、健志やばいわ~」
嘲りの目で神は言った。
途端に健志はあふんだとか言って、
身をよじらせる。
「健志気持ち悪いよ」
「ありがとうございますぅぅ……ぐへへっへ」
彼は俺からの侮蔑でさらに興奮度を上げた。
他人の話から自分に注意を惹き付けて、
罵らせるなんて高度な技である。
そんなやりとりを眺めていた
彼女たちは腹を抱えて笑い出した。
「っふふ、
田中くんがいると調子狂っちゃうね。
嫌な話もどうでもよくなっちゃう」
「ホンマやなぁー、
なかしがおるとなんか笑ってしまうわ」
天宮さんが笑ったからなのか何なのか、
立花さんは
清々しいくらい吹っ切れた顔を見せていた。
そんな感じで瀧川の話題は過ぎ去っていった。
ところでその後瀧川が
初瀬えれなとどうなったのかというと、
言うまでもなく振られた。
というのも、瀧川の心を滅多打ちにしてくれた
願ってもない協力者が
送信したあのLINKのお陰だった。
瀧川が仮性包茎であると
聞かされた初瀬えれなは実物を見、
動画のことを言及した後、
『あなたのように惚れた相手に
操も立てられないような
不潔な方とはお付き合いできかねます、
ただちに別れてください』
と彼の局部を冷ややかに
見据えて言い放ったそうだ。




