「どうしようもないド変態ドM野郎の田中健志くん」
「どうしたら、
健志は俺のこと楪だって認めてくれるんだよ?」
「そりゃあお前が楪だって証明できたら、だろ」
健志は俺の両手首をぎゅっと掴んだまま、
力強くそう言い放った。
これはもう俺だけが知る
彼の秘密を口にするしか方法はないようだ。
「じゃあ――かっ」
「それはよしてくれ……
ぼぉくの沽券に傷が付くじゃないか」
ふははははと笑っていたが、
その実健志の顔は青ざめていたし涙目だった。
気のせいか肩も震えているし。
自分で言ったくせして
心の準備はできていないようだ。
とんだヘタレめ。
「でも……
証明できないと俺が楪だって認めてくれないんでしょ?」
両手首を掴まれたままの俺は可愛いらしい女の顔を使って、
きゃるるんとかわいこぶりっこで首を傾げてみる。
すると健志は罪悪感でも思い出したように、
掴んでいた手の力を緩めて力なく
「わ、分かった聞こうじゃないか」と零したのだった。
ふふ、形勢逆転してなんだか愉快な気分だ。
「じゃあ、ねぇ……
彼女いない歴=年齢で、
某歌い手の真似をしておどけるのは
焦っているときか緊張しているときか傷付いたとき、
それから俺と同じで
『幼馴染みだって知ったら萌えられませんか?』
っていう同人ギャルゲーを愛して止まないオタクで、
ちなみに押しはツンデレ巨乳ギャルの梨花ちゃんで、
どうしようもないド変態ドM野郎の田中健志くん?」
「はぅぅあっ!!!」
息継ぎもなしに
数行の言葉を挙げ連ねると酸欠になりかけるが、
それ以上に何かをやり遂げた達成感がある。