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「楪の部屋に女が、――裸……」
俺は慣れない手付きで女子の下着に手をつけ、
後ろ手で下着のホックという
金具を留めようとした。
念のためと思い、
戸に背を向けてホックを留めている。
しかし、これがなかなか難しいもので、
ホックが上手く引っかからず
苦戦しているうちに一分が経過しようとしていた。
「う、腕が攣りそうなんだけど……」
カチャリと戸に手を掛ける音に
気付く頃にはもう遅く、
健志は俺の背後に忍び寄っていた。
「おーい楪、遊びに来てやっ…………
な、な、な、な、な、なんで楪の部屋に女が、
し、しかもはだ、裸……がぁぁ!!?」
ようやくホックを留め終えた俺は
余計なことを口走ろうとする健志の口を両手で塞いだ。
しかし下着姿の半裸女子に口を覆われたせいか、
急に振り返った反動なのか
気付けば二次元でよく見かける危険な体勢に陥っていた。
まあいわゆる、床ドンシチュエーションというやつだ。
互いの息がかかる距離。
吐息のみならず、
心音さえ聞こえてしまいそうなほどである。
それが男同士でさえなければ、
ギャルゲーそのものなのに。
ただ、健志にとっては
ギャルゲーそのものかもしれない。
さぞかし嬉しいことだろう。




