表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/141

俺の願いはたった一つでいい。


 その後、新学期初日から

 俺はHRの時間で転校生として教団に立たされたのだった。


「閑柚子です。みなさん仲良くしてくださいね」


 という月並みな挨拶を済ませ、

 神の隣である中央の最後尾に腰掛けると

 見慣れたクラスメートの女子たちに周囲を囲まれた。


 メイクは控えめ、だけど隠すところは隠し、

 すっぴん風を装っている風に見せている。


 身だしなみもそこまで派手さはなく、

 開襟は第一ボタンだけ、イヤリングやピアス、

 ネックレスなどの装飾品も身に着けていない。


 髪は誤魔化せる程度の焦げ茶色くらいで、

 スカートも膝頭が見えるくらいだった。


 一軍、二軍でいうなら二軍くらいの女子たちが

 「どこから来たの?」とか「出身は?」とか

 「趣味は?」とか「好きなバンドは?」とか

 あらゆる手の質問をしてきて、

 俺はその度に神から用意された

 設定を思い出していちいち答えていったのだった。


 地味に地獄だよ。


 女子に手を出そうものなら、

 「粉々にすんぞ」と脅されているので

 下手なことは言えないし。


 ――結局俺、なんで女子にされたんだっけ? 


 まあ、今は考えるだけ無駄か。


 戻れたらそれでいいし、

 何より一つだけ願いを叶えてもらう

 という約束をしているのだ。


 それで全てを赦そう。


 俺の願いはたった一つでいい。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ