ケダモノから神聖なる太腿と下着をお守りする必需品
「何これ?」
「スパッツですよ。
ケダモノから神聖なる
太腿と下着をお守りする必需品です。
ダブルパンツというのもありますが、
それでは露出が高いので
こちらの三分丈スパッツを用意しておきましたよ」
俺はきょとんとしたまま神からそれを受け取った。
男子側ならさぞ怒っていたことだろう……
しかし今は我が身だ。
初めて神へ感謝を抱いたかもしれない瞬間だった。
「さあ、着替えは
そのくらいにして朝食を済ませましょう。
早くしないと新学期早々遅刻してしまいますよぉ~」
俺は言われるままに神の後に続き、
一階のリビングへと降りていった。
それから三十分となく
身支度を済ませた俺と神は一緒に登校することとなった。
俺の家から自転車を漕いで
十分弱に学校は位置する。
最寄り駅は快速も止まるため、
通学は比較的しやすい方だ。
駅からは徒歩十分ほどの時間を要し、
その道中には大型ショッピングモールの
AONやパチンコ屋などがある。
しかし比較的治安は良い方で
昼間から酔っ払いが出歩いていることもない。
学校に着くと、
周囲の生徒は俺を奇異の目で見てきた。
何かしら不自然なのかと思っておどおどしていると、
「見覚えのない顔がいるから見ているだけですよ」
と神が励ましてくれた。
珍しいこともあるもんだ。




