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短編集 ~お題で500文字小説~ 改訂版

お題:夏の花⑥

作者: 三原 やん

世界が氷と闇に閉ざされていた頃のお話。


「ファイアウォール!ファイアランス!くらえ、ヘルフレイム!」


俺は、ただただ必死に戦っていた。

この永久凍土の大地に住むモンスターは炎に弱い。

炎魔法が得意な俺は、そのおかげで何とか持ちこたえていたようなものだ。


「“我に従いし契約者よ、姿を現せ”…!灼き尽くせ“死鳥(デス・フェニックス)”!!」


ここは白銀龍アブソリュート・ドラゴンの巣。

レベル的には格上でも無いが、数が揃えば話が違ってくる。

迷い込んだ俺も悪いが、寄って集って喰おうとした白銀龍アブソリュート・ドラゴンも悪いと思うんだ。


よって戦闘。

苦戦に次ぐ苦戦の末、ようやく今、白銀龍アブソリュート・ドラゴンの巣を殲滅した。


白銀龍アブソリュート・ドラゴンって倒しても何も残らないから嫌なんだよな。」


ドラゴンの角や鱗は高く売れるというのに、この白銀龍アブソリュート・ドラゴンときたら水になって溶けて消えてしまうのだ。

各種、ステータス異常に耐性のある俺でも、疲労には勝てない。

汗だく、疲労困憊で倒れていると…



『夏の使者よ、封印を解いてくれてありがとう。』



声のした方を見ると、植物が水を得た勢いで成長し、みるみるうちに大きくなった。

身構える間もなく、根を張って凍土を割り、巨木のようになっていく。

すぐには手が届かないほど太く高い茎の先に花が咲き、ギラギラと輝き出した。



その不思議な炎の花は、次第に明るく眩しくなり、熱を帯び、力強くなるほどに地上から遠ざかる。

やがて茎からも離れてゆっくりと空へと昇っていき、全ての大地を照らし出したのだった。



――「こうして太陽は封印から開放されたんだ。太陽のおかげで昼と、季節ができたんだよな。

地熱に頼って地下で活動せざるを得なかった、冒険者以外の人類も外で活動できるようになったんだ。」


俺が言うと、ガキ共は目を輝かせながら聞いていた。

うんうん、こんな時間が俺には何よりの癒しだ。


あー、ガキってのは素直でいいな。・・何、もっと聞かせて欲しい?

そうだなぁ・・・次は、俺が火炎竜ヘルフレイム・ドラゴンを仕留めた時の話を・・・――


「いいからお前は勉強しな。」


俺は、何よりも素晴らしい日常という名の癒しを堪能していたんだ。

姉に耳を引っ張られて連れ去られるまでは。






title:夏の花 ~そして伝説へ~

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