やり直し1日目
……は …いろは!!
「うわっっ!!」
「もう!さっきからぼうっとしすぎじゃない?
もつそろそろ陽夏ちゃん来ちゃうわよ」
―――そうだこれは神様がくれたチャンスなんだ
「次は失敗しないようにしないと…!!」
「ん?彩葉なんか言った?」
「何でもないよお母さん、行ってきます」
こうして私のやり直しの1日めが始まったんだ。
「遅いぞ彩葉!!」
「彩葉お姉ちゃんおはよっ!!」
いつもの空き地には陽夏ちゃんと航太がいた。
「ごめんごめん!ちょっとぼーっとしててさ…」
「ふーん。んで、今日はどこに行くんだ?」
「ひなね、秘密基地の近くの川に…」
「だめっ!!」
「お姉ちゃん…?どうしたの?」
「陽夏ちゃん!川はやめとこ、今日は公園で遊ぼうよ!」
「え?でもお姉ちゃん昨日川に行きたいなぁって…」
「あ、あれは、えっと、その…暑かったのよ!!」
我ながらヘタな理由だとは思ったが幼い陽夏ちゃんは
「そっか!」
そう言うとニコッと笑って私に手を差し出してきた。
「?」
「お姉ちゃん!手繋ごうよ」
陽夏ちゃんの手の温もりをもう二度と消さないように私は優しく守るように陽夏ちゃんと手を繋いだ――。
公園まであと数十メートルのところで陽夏ちゃんが急に立ち止まった。
「ねぇ、お姉ちゃん公園まで競走しようよ」
「よーしっ!いいわよ!!」
この時の私はあの事件のことなんてすっかり忘れていたんだ―。
ここは公園だから川じゃないから大丈夫。
そう考えていたんだ―。
ピーポーピーポー
サイレンの音で我に返ると目の前には体を真っ赤に染め上げて横たわる陽夏ちゃんと
私を冷たく悲しそうな目で見つめる航太がいた
「ごめん…ごめんなさい!!」
陽夏ちゃんの死因は道路に飛び出したことによりトラックとの接触事故だった。
―こうして私のやり直しがおわった。
…そう思っていたんだ。