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第10話:vs生徒会四天王 〜V系担当のyuki〜

せっかくいい所だったのに明日香が連れ去られたという、かなりどーでもいい事を思い出してしまった特進の三人は頗る嫌な顔をしながら明日香を探しに行く事となった。

しかし、その時明日香は神楽にとんでもない事をされかけていた!







「やめて下さい!僕は男ですよ!?」

僕は神楽の下で思い切り抵抗した。が、体はびくとも動かず、徐々に神楽の顔が近づいてくる。


「無駄だよ。僕からは逃げられない。それともあれかい?君が大事にコツコツと集めていた牛乳キャップを爆発させてもいいのかな?」

なんて物を収集してんだ、僕は!!


くっ!なんて卑怯な奴なんだ、神楽。自分の権力を最大限利用し、人をねじふせるなんて!

あ、でも僕は別に牛乳キャップ収集家じゃないよーん。


「僕を……どうする気なんだ?」

「ん?別に何もしないよ。僕は君の嫌がることは絶対にしない。あ、それとも20年間勤めた会社をリストラされ、妻には逃げられ、揚句息子はドラッグ依存。それでも今日まで持ち前のプラス思考で頑張ってきた中年オヤジのたこ焼き屋ごっこでもする?」


嫌だよ!!!

そんな、かなり暗い癖にめちゃくちゃ明るい遊び。なんか複雑な気分になるよ!!

「やっぱりあなたも普通じゃないんですね。きっとそうだと思ってたけど!」

僕はジタバタともがきながら神楽を睨みつけた。

「どうして?僕は限りなくまともなキャラだよ。あんな濃い連中と一緒にするのは止めてくれ」

神楽は僕の上で冷笑して見せる。綺麗な顔だけに余計憎く思える。


「あの人達を悪く言わないで。確かにふざけた事ばっかりしてるけど、根は優しい人達なんです!」

僕はきっぱりと言い切った。と、その時、廊下から聞き覚えのある声がした。



「はぁ。もういいじゃないか、BoyあんどGirl。マリアはアンソニー坂田の弟子にでもなったのさ」

この声は狂夜先生!ほら、やっぱり僕を助けに来てくれた!!


「でも最初に御主人様を助けに行こうって言い出したのは狂夜先生ですよ?」

お宅さんの声。みんな、みんなやっぱり僕の仲間だね。僕の目からは自然と涙が零れていた。


「俺はもう疲れたぜ……どうせこの国は同性愛を認めちゃいねぇんだ」

「ふん、なんだ幹?君らしくもない。なんならこのオレとランテブーするか?」


んー?


「そうですわね、オタ子もそれがいいと思います。この際、御主人様は死んだと仮定して三人で新たな物語を歩みましょう!」



ふふん。そうかい、そういう事かい。いやいや分かっていたよ……どうせそんなオチだろうと思っていたさ。へへーんだ!脳内たくあんまみれの三馬鹿トリオが!塩コショウを喉に詰まらせろってんだ!あっかんべーのお前の父ちゃんホッチキス!!(明日香は極度のストレスにより、精神異常を来たしております)


「どうやら君のオトモダチは助けに来てくれないみたいだね?」

神楽は嬉しそうに笑う。くそっ!ここまでか。このまま神楽の言いなりになるしか僕には道は残されていないのか……!?


「あ、マリアだ」狂夜先生が教室の外から中の様子を伺っている。

「何言ってるんですかっ狂夜先生。御主人様はカーテンで遊び過ぎて死んだんですよ?」

お宅さん、僕に何か恨みでもあるんですか?


「助けるか助けないかジャンケンで決めようぜ」

幹君酷いよ!しかもジャンケンってなに?負けた方が僕を助けるってこと!?

「はぁ、仕方ないな。茶畑極悪事件を読もうと思っていたけど……助けないと話が進まないからな。みんなマリアを助けるか」

狂夜先生はため息を漏らしながらボソッと呟いた。


ってか、さっきから気になってたんだけど、何でみんな嫌々なの!?

なに?その陰湿な嫌がらせ。



「という事で、仕方なくナイトが助けにきてやったぞ、マリア!!」

三人は今来たかのようなそぶりで教室のドアを勢いよく開けた。

仕方なくって言うなよ!!みんな僕の事が嫌いならはっきりそう言って貰えませんか?

「はぁ、やっと来たか」

神楽は僕の体から離れて三人に向き直った。


「うっせぇ、神楽!さっさと明日香を返しやがれ!」

「無理だと言ったらどうする?幹孝久」

神楽と幹君の間で激しい睨み合いが続く。

「神楽会長。ここはボクに任せてもらえませんか?」

突然僕達の背後に現れた声の主は教室のドアの前に突っ立っていた。


「yukiか。君が他人に興味を持つなんて珍しいな」

神楽はドアの前で佇む人を見て微笑した。

「会長がわざわざ相手する程の連中でもないと思ったので」

yukiは僕達を一瞥することなく教室の中へと入ってくる。

ん?この人よく見たら化粧してる……特に目の周りが真っ黒だ。ひ弱そうな体つきに黒い派手なロングコート。おまけに髪の色が白と黒と混ざってて、致る所にピアスがじゃらじゃら。


「おいてめぇ!オレらを馬鹿にしてんだろ?」

幹君のこめかみに自然と血管が浮き上がる。


「短気だな。ボクは熱苦しい人は嫌いだ」

yukiはサラっと髪を掻きながら吐息を吐く。


「こいつ……おい!マジでキレたぜ!オレと勝負しやがれ」

幹君はyukiの胸倉を掴みまくし立てる。

「勝負?勝負だって?ふふ……そうか、キミは生徒会四天王の一人、このビジュアル系担当のyukiと勝負するっていうのか」


ビジュアル系担当!?


「上等だ!オレは特進クラスのロック担当だからな!」


えぇ〜!?かなり嘘に無理があるよ幹君。今のうちに謝りながら逃げなよ。


「ふん、ボクに勝負を挑むなんて……身の程知らずだな」







意味深な笑みを浮かべるyukiに立ち向かう自称『ロックの六の段』幹!

果たしてこの闘いの結末やいかに!

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