異世界
謎の場所
ーーあまりの驚きに言葉も出なかった。
遠くに、空をも貫くほどの今まで見たことの無いような
"未来的で非現実的な超高層の塔"が
一筋の光のように、天高く、そびえ建っていた。
「す、凄い……。」
その建物を取り囲むようにして3つの塔が
不気味な赤黒い光を放ちながら建っている。
それはまるで、何か外敵から身を守るために護衛しているかのようだった。
しかしそれらは、これまた巨大な塀のようなものの内側にあるようだ。
その塀を中心に、広範囲に街が広がっている。商店街だろうか?
この街は少し"昔の雰囲気"というのを感じる。
巨大な塔たちとは対照的な感じがする。
街の黄色いようなオレンジ色のような、賑やかで暖かい灯りが
星空を消し去っているらしい。
逆に、この都市そのものが星空のように見えた。
「なんだよ…これ……。」
あまりにも幻想的な光景に唖然とする。
俺は田舎で生まれ、田舎で育った。
その事もあったのだが…。
"間違いない。ここは別世界だ…日本じゃない…。"
信じたくないけれど、そう確信してしまう程だった。
そして今、俺は何故か何かの建物の屋上にいる。
強い風が直接当たる。
「寒っ…」
……寒い?
確か今日は8月10日のはずだ。
いわゆる真夏。
何で…?
"いや、それ以前に!
普通にいつもの道を歩いてたのに何でこんな所に……?"
「あぁ…!」
俺は思った。
"これは夢だ…(笑)"
だって現実的にあり得ないでしょ!
いきなりワープか何かをしちゃうなんて。
……ねぇ。