「電流」「雰囲気」「牛」
さあ始まりました、電流デスマッチ! 本日は、誰が電流ロープの餌食になってしまうのか! それでは、選手に入場してもらいましょう!
まずは挑戦者の入場だァ! 身長192cm! 体重98kg! 真っ赤な血塗れのマントに身を包み、いま、ゆっくりとリングに入っていきます!
今回の挑戦者は今までとは格が違う! 数々の格闘技経験を持ち、その全てで頂点を極めてきました! しかも表ではなく、裏で! 屠ってきたチャンピオンは数知れず! この試合でも、マントをチャンピオンの血で染めることができるのか!
挑戦者、今ゆっくりと手を上げ、観客にアピールしています! 凄まじい勢いで掛け金が増えていきます! これはひょっとして、ひょっとするかもしれないぞ!
さあ、お次は皆さんご存知チャンピオンの入場です! 全長3メートル! 高さ175cm! 体重1トンと200kg! 黒い体毛が照明を反射し、鈍く光り輝いています!
前回で99回目の防衛を決めた、闘牛のホルスタインくん! 100回目のマッチを勝利で飾れるか! それとも、ついに電流で焼かれ、観客達に振る舞われてしまうのか! いま、リングに入っていき――
「ブオオオオオオオオオ!!!!!!」
おおっと、ホルスタインくん! 100回目の昂ぶりか、開始の合図を待たずに突進してしまう! いままでこの突進で数多くの挑戦者をつきぬき、そのまま電流へ突き落としていきました! 挑戦者、どう受けるか!? 受けるか!? 受けた! なんと、角をつかみんでホルスタインくんと睨み合っています!
この突進を受け止めたられたのは3回目、失礼2回目でした。そして、前回受け止めた選手はそのまま角を持ち上げられてそのままリングアウトでしたが、今回は、おおっと、浮いてます! 浮いてます! 足が浮いてしまっています! またしても、ホルスタインくんの勝ちになってしまうのか!
たった98kgの人間の重さなどないかのように軽々と持ち上げています! そしていま、頭を大きく振って放り出さんとしています! しています、が! なんと挑戦者、角を掴み続けている! 巨体の挑戦者の体が右に左に中を舞う! しかし、飛んでいくことはありません! この人外じみた技には会場が感嘆の声を上げる! しかし、振り回されているだけでは勝てません! どう切り返すのか挑戦者!
「うおおおおおおおおおおお!!!」
な、なんと挑戦者、タイミングよく手を離し、ホルスタインくんの背中に乗ってしまいました! これでは自慢の角が使えません! しかし、この展開は実は2回目です! 前回は背中から自ら電流に突っ込んだホルスタインくん! 挑戦者、このままでは負けてしまう! 負けてしまう!
ああ~~~! ホルスタインくん電流に背中から突っ込んだ~~~! これでは挑戦者はひとたまりもない! ひとたまりも……。挑戦者、背中にいません! 背中にいません! なんと、電流に接触する寸前に背中から跳ね降り、ホルスタインくんだけを電流に突っ込ませたようです! 挑戦者も、研究済みだった~~~!!
ホルスタインくんがいま、電流に焼かれ、ゆっくりと香ばしい匂いを漂わせています! ついに、ついにこの時がきました!
いま、挑戦者が大手をあげてリングの中央に歩いていきます! そして、そして、その背後をホルスタインくんが一突き~~~! その勢いのまま、挑戦者を電流ロープにぶち当てる~~!!!! ホルスタインくん、電流を耐えていた~~~!!!!
今夜、新たなホルスタインくん攻略情報が生まれました! 次の挑戦者は、この情報を生かして闘えるのか!
それでは、1時間の休憩をはさみ、次のデスマッチでお会いしましょう! 次のデスマッチは特別企画「デスロール vs 首が回り続ける男」です!
せっかく赤のマントにしたんだからマタドールっぽくすればよかったですね
1時間という制約の中でもっと面白い発想ができるように精進したいです




