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三題噺  作者: キベ
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「海」「鷹」「最初のカエル」

 「井の中の蛙大海を知らず」とはよく言うが、俺は海に出たカエルを知っている。

 しかし、そいつはもちろん井戸の中からでてきたわけではなかった。どうやらこのちかくにある池からやってきたようだ。連日の雨のおかげでこれたと言っていた。たしかに長い間うっとしい雨が降っていた。格段に強くもないがひたすら降り続いていた。

 俺は、そいつに海はどうだと聞いた。すると、そいつは期待と違ったと答えた。

 なんでも親から聞かされてきた海はもっと広く、もっと壮大なものだったそうだ。だが、話にもない予想外の発見もあったそうだ。まさか水がしょっぱいとは思わなかったそうだ。どれちょっとひと泳ぎというわけにもいかなかったそうだ。

 このままだと雲から顔を出した太陽にあぶられて死ぬしかない。と、そいつは嘆いていた。

 俺は、ふとこいつを池に戻してやろうかと思った。一応は海を知ったカエルだ。たとえそれが海の一部分であり、大海を知らないことには変わらないが、水がしょっぱいということだけでもわかったんだ。池に帰ればこいつも英雄だ。海さえ知らぬカエルたちにとっては。

 そういうわけで、俺はそいつに俺に乗って帰らないかと持ちかけた。そいつは本当か!と喜んでいた。

 俺はそいつを背中にのせ、飛び立った。とはいってもすぐに池である。人間どもに騒がれない程度の高さで飛んで、すぐに池についた。

 おい。この程度の高さなら降りられるだろ。というと、そいつはもっと高く飛んでくれ。と言ってきやがる。

 もっと高く飛んでくれ、こんな世界があるとはしらなかった。これなら海なんか目にもくれない。空にたどり着ける。

 流石に無理だ。と答えると、いけるところまで、と言った。

 しっかり捕まってろよといって高く飛ぶ。

 背中から声が聞こえる。

 しばらくして、風の音でなんと言っているかわからない高さまであがった。

 ここが限界ということを伝えるために、しばらく旋回する。

 そして、俺は下降した。

 そいつは興奮した様子で、壮大な海が見えた。と言った。そして、飛び降りてしまった。

 ギリギリまで下降した海の表面を池と勘違いして。

 そいつは大海も大空も知ったカエルで、俺の知る限り、最初に海と池を間違えたカエルだった。

初めての三題噺

いまのところ診断メーカー使ってるけど、もしかしたらサイト変えたりするかもしれません

今回は時間計測してません

30分以内に終わってくれって念じたんですけど、通じずに50分程かかりました

次回からは90分とか計測して腰を据えてやりたい

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