プロローグ6.5 相棒と警察官と信念
………別人視点…………デス。
さて、今更だが【防人(仮)】こと蒼月真夜は、只今絶賛スニーキングミッション中デス。
今はAIBO(相棒)犬飼(仮)の裏で対テロリストミッションを遂行するべく隠密行動中なのである。
……読み方が某ロボ〇ト風なのは、シリアスパートが長かったからでは決して……ナイヨ…ナイナイ(゜Д゜;)ノ)ノ
………だって独り言(心)は自由だもの!
言動に出しては駄目な事でも…もうそ……ゲフン!ゲフンッ!……そう!心の翼は自由なはずだ!!
誰も聴いて無ければ…セーフなのだよ!諸君!!!
……とある人が言っていた……現実と幻想の間に在るものはもうそ…ゲフン!ゲフンッ!理想であると!
それは誰の中にも在る正義だと自分は信じたい……マル。
さてと、AIBO(相棒)の人生最ご……いや最高の舞台の幕が上がる。 ならば自分にできる最高の手助けをしなければなるまいて!
漢を魅せろよAIBO!けつはもってやるぜ!(`・ω・´)キリッ!!
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俺の名前は、【鈴木 一郎(すずき いちろう)】
おい!そこ!え~ふつ~とか言うな!普通が一番なんだぞ!
今は、コードネーム【犬飼(仮)】
《(仮)は、脳内デフォルト》10年程の経験を積んだ警察官だ。
小中高大学警察学校を卒業して警察官になり順調に職務を全うしている。
今は海外研修の一環として羽田≒ワシントン間を往復する航空旅客機に乗る覆面警官の職務を遂行中だ。乗り始めて約一ヶ月くらいになる。
開始当初は緊張し過ぎで職務後は疲労感が抜けなかったが今ではだいぶ慣れた。客室乗務員の人達にも大半面識を持つようにもなったしな。
本来俺の存在は客室乗務員現場責任者及び操縦士のみ告知されているのだが、一週間もすると公然の秘密として大半の客室乗務員達に認識されていた。 まあ毎回フライトの際ほぼ同じ席に座っているため顔見知りにならない方がおかしいとは思うが。
客室乗務員(以後彼女達と呼ぶ)とは比較的良い関係を築けていると思う。
基本通常の乗客と同じ距離感でお互い接しているが、彼女達から時折サービスしてもらっている……と言ってもお茶や食後のデザート的にだ。疚しい事は一切ない。
ただし旅客機を降りれば話は変わり彼女達からお茶や食事に誘われたり相談に乗ったり乗られたりしている。
普通ならお茶はともかく食事まではそうそう誘われたりしないと思っていたのだが(男だが警察官という立場の為)彼女達の説明を聞いて納得した。何故なら彼女達は俺が既婚者だと知っていたからだ。
彼女達は職務上目ざとく俺の左手の薬指にハマる指輪を見て既婚者だと知り恋愛対象外認定されたのが主な理由らしい。
彼女達からの相談は大概ストーカー対策やそれに付随する事柄が多く、後は男性…主に夫としての意見を聞かれている。俺からは、マイハニー&マイエンジェルに関する悩みなどを女性視点・妻視点の意見を聞かせてもらっている。
そこ!ラヴファミリー乙とか言うな! 単身赴任が多い昨今、なかなか家族との一家団らんの時間が取れなくなっているんだ…。彼女達も何人かは家庭持ちがいるので真剣に相談にのってくれている。彼女達も幸せになって欲しいと切に思う。…俺達家族のようにな!!
ん?なに?パイロット達は?だって?……男ならガンバッ!以上だ!!
俺は今この旅客機に乗るようになって初めての危機的状況に直面している。
事の始まりは旅客機の到着予定時間の一時間少し前に起きた。
その時刻、俺は尿意を催し一分程だが席を離れ、その短い間にテロリストがコックピットの中に侵入して占拠したのだ。
恥ずかしながらその事に気が付いたのは機内放送を聞いてからだった。本来なら俺ともう一人の二人一組で職務に付くのが通例なのだが…其奴が今回のフライト出発直前に急性盲腸になってしまい代わりの補充要員が間に合わずやむなく一人で職務に付き…最悪のタイミングでテロリストに出し抜かれてしまったという訳。面目しだいもない…。
機内放送後は、テロリスト対策に情報を彼女達より入手整理し、さあ行動に移そうと周りを見渡した所ある男性客と目が合い、その直後男性客は帽子を被りつつ自衛隊式敬礼をしてきた。
俺はひどく驚いたが直ぐに席を立ち男性客に近寄り隠語を含めた名前【防人(仮)】をまるで友人のように男性客に呼びかけてみた。すると男性客も同じように、隠語を含めた名前【犬飼(仮)】と言う名前で呼んできた。
お互いの立場を再確認したところ男性客は現在民間人だが元自衛官だったらしい。
彼は単刀直入に今起きている事件を俺に確認してきた。惚ける事も出来たが事件をほぼ正確に認識しており誤魔化しても意味は無いと判断したので探り混じりの対応をしたのだが…それもまたお見通しだったらしい。
ハッキリ言って今回の事件は最悪だった。予想されるテロリストの目的は、まず間違いなく自爆テロだろう。何故わかるのかって?…答えは簡単だ。ワシントンに到着前にコックピットだけを占拠しそれ以外は放置。そして外部との連絡や政府との交渉を一切していない為だ……。
俺は、悩み決断した。民間人(自称元自衛官)の手を借りる決心をしたのだ。 本来守るべき民間人を危険に巻き込むなど言語道断。だが、それでもこのまま俺一人ではテロリストの排除は難しく予想される被害を食い止めるにはどうしても手が足りない。情けないが時間も切迫し他に応援も期待出来ない現状、彼しか選択肢は無い。そんな忸怩くたる思いを押し殺しつつ協力を要請したら迷う事なく即答されたので、何故?と表情に出してしまったのを見た彼はこう答えた。
【初めてでは……ないので…な】…と。
これを聞いた瞬間、彼は本当に元自衛官でありこの危機的状況を手助けしてくれると俺は確信を持てた。
彼と話している最中恐れていたものが旅客機の窓の外に爆音と共に飛来するにあたり、もう本当に時間が無いと否が応でも悟る。彼に俺が知るテロリストの情報を胃が痛くなる思いで説明していたら前方にあるコックピットの方より一発の銃声が聞こえてきたので彼と二人同時に席を立ち走り出した。
銃声がしたコックピット前に着いた俺達が見たものは、浅黒い肌をしたアラブ系の男が顔見知りの客室乗務員【伊藤麗子】を閉まっているコックピットのドアに叩きつけて大声で叫ぶ光景だった。
親しくなった彼女達の中でも彼女は一番俺と面識が深く…お互いに悩みを言い合う位の間柄。そんな彼女の悲鳴を聞いた瞬間、頭に血が登り無謀な突進をしてしまう所を彼が肩を強く捕まえて押し留めてくれた。彼が居てくれて本当に助かった。一人で今この場に来ていたら最悪何も出来ずに全てが終わっていたかもしれない。
頭を冷やし冷静に状況を把握した俺は、彼に自分が囮になると告げると口調は重いが了承してくれた。彼にも今の状況が最悪だがチャンスでもあると分かっているのだろう。
懐から取り出した常時携帯している拳銃は現状牽制以外ほぼ使えない。 だが!それでも!俺は!救って見せる!不幸中の幸い頼りになる相棒も出来た!!ならば!救おう!それが警察官になった自分の信念なのだから!!!
前回次でプロローグ終わり。
なんて書きましたら話しがふくらみ足りなく。でも良くできたかもなので。
作者的に、こんな適当ですが頑張りますので本編まで気長に本当によろしくお願いいたします。