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準備中ひとつめ 目覚めと記憶と完全なる敗北

準備中編始めます。

ここからは、ノリノリになります。

動かしやすくなるもんで。



 「……蒼月さーん……蒼月真夜さーん……」


 どこからか遠くから自分の名前を呼ぶ声が聞こえた気がした。


 「蒼月さん…蒼月 真夜さん…聞こえますかぁ?」


 さっきより声が近い様な気がする。


 「うーん。寝ていると言うより寝ぼけているようですねぇ」


 ああ、夢うつつってやつだなそれ。


 「おこさないと仕事になりませんし、かといってそのまま頬って置くと色々不味いですし……あら?この方のプロフィール面白いですねぇ」


 なんか自分の個人情報が流出しているような…。


 「あらあら?こんなことを?!まあまあ?あんなことまで?!」


 個人情報どころか、過去の記憶まで流出しているような……。


 「これは!なんて残念なんでしょう!同情しますねぇ〜」


 残念がられて、同情されているような………。


 「うそ!?こんな、せいへ」


 「はい!はい!まった!まってっ!ストップ!おきる!おきるからッ!!」


 そう叫びながら目を開けて飛び込んできた光景は…白と黒に彩られた空間だった。



 このシュチュエーションは?……ならば!!


「……知らないてんじょ」


「は〜い天井は無いですよ〜?」


 な!?潰された……だと?!


 「ふっ……だがメゲぬ!!」


 「メゲてくださ〜い」


 謎の声が、再度聞こえると同時に『スパァァーーーンッ!!』と昔よく作っては鳴らしていた紙鉄砲並みのいい音がなった。主に自分の側頭部付近で。


 「いやいや真にいいお手前で……」


 「おきてますかぁ〜?これ以上は保証しませんよ〜?……物理的に」


 「すいませんでしたぁぁぁぁ!!」


 直感的にやると言ったら絶対やる気がしたので…電光石火な土下座を慣行。その後、顔を上げると周りと同じように白と黒の混ざったドレスを着た女性が、向かって右手にハリセンの様な物を持ち反対の左手は顔を上げた瞬間後ろ手に回されたので見えないが…わざわざ隠す様な挙動をする以上嫌な予感しかしないので見なかった事に……。


 「やっとおきましたねぇ」


 「…ははは……はい」


 「それでは、此方に座って下さいねぇ」


 「あっはい!」


 言われた通り側にあった他と同じく白黒のテーブルを挟んだタイプのソファーに座ると、その向かい側に件の女性が同じように座った。



 正体不明の女性は、手元にある本を見ながらこう尋ねてきた。


 「ここが、何処か分かりますかぁ?」


 まったく分からないので、正直に分からないと答える。


 「でしょうねぇ」


 いやアンタそれは無いんじゃ?とも思ったが、続きがありそうだったので黙って待つ事に。


 「名前は、分かりますかぁ?」


 「蒼月 真夜 25歳独身。趣味は」


 「あっ趣味は、いいです」


 「…そうですか」


 趣味を否定された様に感じて、ちょっとへこむ…。


 「どんどん行きましょう」


 まったく気にもされず進められた。容赦ない……。


 「はい、そこ。話し進めたいので、へこまないで下さいねぇ」


 「はい…」


 「元気無いですねぇ。一発逝きますかぁ?」


 未だ正体不明の女性はチラッと左手付近で待機中の“ブツ”?を見てイイ笑顔で聞いてきた。


 本能が言っている。頷くと終わる……と。


 「いえいえ、元気ですよ。は…ははは…」


 「そうですかぁ?……」


 残念そうに“ブツ”を……見えないが後ろ手に戻すと、安堵する自分に続きを尋ねてくる女性…あな怖し。


 「どこまで、覚えていますか?」


 「どこまで?」


 主体性のない問答に首をひねって疑問符を浮かべていると、自分にとっての爆弾発言をかましてきた。


 「生前の事ですよ〜」


 「なッ!」


 言われたその瞬間、記憶が凄まじい勢いでフラッシュバックした。


 そうだ。自分は、死んだ。あの日。あの時。あの空で……。


 「思い出した様ですねぇ」


女性は、嬉しそうに頷き更に聞いてきた。 


 「最初に戻りますけど、ここが何処か分かりますか?」


 女性は、ニコニコしながら答え合わせを待つように、問いかけて来たので…何となくあれじゃないかな…って答えをおそるおそる答えてみる。


 「……天国……ですか?」


 「違いま〜す」


 違うらしい……。


 「なら……じご」


 「地獄でもありませ〜ん」


 またもや違うらしい。後は……。


 「……三途の川?」


 「うーん。近いと言えば近いですねぇ」


 これ以上は分からん! と、手を上げて分からないと意思表示したら「でしょうねぇ」とまたもや、言いやがった。


 なんか、この人?の反応の仕方が解る様になってしまった(今限定の無駄スキルの様な気がするが)。


 「答えは始まりの場所であり終わりの場所である。が、正解ですねぇ」


 この言葉で何と無くだが、“解った”。


 「“解った”。みたいですねぇ」


 女性は、解ってもらって嬉しそうに頷いていた。


 ……なら。聞かなければいけない事がいくつかあるな。


 「分かっていますよ〜。その為に話していましたから〜」


 脱線しまくりだったがなぁ…。なんて考えてたら、貴方が言うのかしら〜?って感じで小首を傾げられた。 だが! 自分は見逃さなかった!…左手の動きを。


 ぷるぷるする死相(理屈抜き)で、最大限の微笑みを浮かべたのは、英断だったと後に思ったとか思わなかったとか……。


 気を取り直して、聞くのを再開した。



 初めに聞かなければいけない事は…決まっている……。 『ゴクッ!』っと喉が期待を待ちきれずに鳴った。


 「貴方は、神さまですか?」


 「はい?」


 更に期待を込めて再度。「貴方は、神さまですか?」…と。


 「いいえ。わたしは、かみ……なんて言いませんよ~」


 満面の温るい微笑で切りやがった!!


 「くッ!?乗り切りだと?!!」


 解って演技(やった)クセに、期待させるだけさせて一刀両断にしやがった!!


 「あらあら?何の事かしらねぇ~……プふッ!……ぷっ!!」


 くそ!完全に持て遊ばれた!しかも意識的に誘導しながら!多分問いかけの最初っから!


 ハッ!?全てが、この為か!!…自分の性格を完全に読んで………完敗だ。


 “かみ”では無い女性?(可能性)は、完全敗北に打ちひしがれる自分をいたわる様にこう語る。「おふざけはこれくらいにして…そろそろ本題に行きましょう?」………………と。 






 ………振ったクセに………(心の中でグチった)。


 「なにか〜?……」


 左手が!!


 「イエス!マム!何でもありませんサー!!」


 笑いたければ笑え…。やる前に敗けている戦いも在るんだ!!



 世の中には……な(ここは違うかもしれんが)。






一応準備中編も結構多分恐らく………長いです…よ。

あとプロローグ編見直して、いまの執筆力で、ちょこちょこ改変しました。やっぱり……ぜんぜんつたないですね。

だが……諦めず頑張ってみます。

ド〇フ大好き!

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