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プロローグ 青い空と重力と独り言



 「綺麗な青空だなぁ…」



 人生最後になるであろう光景の感想としては、まあ平凡なセリフだとは自分でも思う。 だが今この場において心の底から嘘偽りなく思う言葉なのでそれ以上気にせず、ただ目の前に広がる青い空をぼんやりと眺めていた。


 目に映る以外の情報としては『ゴォォォ……ゴォォォ……』と、耳元で絶えず聞こえる風の音ぐらいだが…今更なので気にしない。 それ以外は正直なところ認識すらしたくないのだが、今現在も雑音のごとき言葉を垂れ流していると思われる男の声が聞こえてこないのは…人生最後の幸運なのだろうか?などとくだらない事を考えてしまう自分に少し笑ってしまう。


 さて現実逃避はこれくらいにして現状を説明するとしよう。一言で言えば絶賛フリーフォール中。地表にむけ重力による自由落下…いわゆるスカイダイビングってやつである。 ただしパラシュートなどの命綱は無いが…な?


 理由が聞きたい? まぁ…なんだかんだと聞かれたら答えてあげるが世の習いとも言うしいいか。とあるジャンルが大好きな人は『そこは情けだろ!』と突っ込むだろうが、そこはスルーしてくれると助かる。何故ならこんなくだらない事を考えでもしてなければ持たないからだ。主に精神面的に。


 自分の意思で今の現状を招いた…とは言うものの落下というものは理屈抜きで恐怖するものであり翼を持たない生き物の定めであるからして…仕方がないのである。…などと自己の肯定をしてみるが虚しい事この上ない。このへんで辞めておこう。


 …少し話が逸れたな。残り時間もあまり無い事だし無駄は省こう。具体的には、おおよそ二秒ってとこだし。 ん?何故そんなに時間がないのか?だと? 話そうにも時間そのものが足りないから卵が先か?鶏が先か?的な話になるが…なら出来るかどうかは分からんが試しにやってみるか。“為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり”って言葉もある。それに今現在も半ば走馬灯のようなものだしさ…。


 という事でいっちょ気張って本物の走馬灯にし今の現状に至るまでの記憶を振り返ってみる事にしますか。





初めまして出海ともうします。小説投稿初心者なので頑張ってみます。

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