逃げなかったもの
ダイ達が逃げ去った後
残されたオレ、マチ、クノそしてミコさん。
フレイムバードとアイスバードが頭上で暴れている。
「チャンスよ!アタシたちの力を見せるときよ!」
「同感だな!」
マチとクノが顔を見合わる。
たしかに一流の冒険者なら、トラブルが起きても対処できないといけないはずだ。
「やるしかないか。」
「「おう(わかったわ)!」」
クノとマチの声が重なった。
「だったら私も協力します!」
ミコは少し間を置いて、まっすぐにオレを見た。
「あなたのパーティーに入ると決めました。」
それだけ言って、ミコはオレの隣に並んだ。
「……ありがとう。」
「お礼は後でいいです。今は…」
「ああ。」
オレは魔鳥に手をかざす。
「氷弾!」
「【拡散】!」
オレが放った魔力弾にミコの魔力が加わる。その瞬間、魔法弾が散弾型にはじけた。
「これは!」
複数のフレイムバードが落ちる。
「私のスキルは魔力を拡散させることができます。威力は多少落ちますが、範囲はご覧の通りです!」
「やれる!」
そう確信したその時。
「『魔力散弾矢』」
澄んだ声とともに、魔法の矢の散弾がフレイムバードとアイスバードをまとめて落とした。
一射ごとに魔鳥が落ちていく。
誰だ、とうち手を見た瞬間、深紅のマントが目に入った。
ドロシー嬢だった。
涼しい顔で、次の矢をつがえている。
「負けてられない!ミコさん、援護をお願いします!マチとクノは負傷者のサポートと落ちたモンスターへのとどめを頼む!」
「はい!」
「わかった!」
「了解ね!」
四人の声が重なった。
---
騒動が収まり、あたりに静寂が戻った。
「この度のチーム"クエスター"と"ザ・ウィッチ"の働きは見事だった!ここに感謝状を進呈する!」
俺たちは運営より感謝状を受け取った。
「さすがはドロシー様!そしてクエスターとかいう連中もやるじゃないか!」
オレたち"クエスター"と"ザ・ウィッチ"に、冒険者たちから拍手が送られた。
「ねえ!ヨウジ!あんたが逃げろとか言わなければ、あそこにいたのは私だったのよ!」
「いや、逃げろと言ったのはエティだったような……。」
「そんなわけないでしょう!」
「チッ!運のいいやつめ……。」
どこかでチーム"プリティア"の声が聞こえた気がした。
「あなたたち"クエスター"の、ライトさんにマチさんでしたね。」
振り返ると、ドロシー嬢が立っていた。
覚えていてくれたんだ、この人。
「はい!」
「明日からはお互いライバルですわね。よろしくお願いしますわ。」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
オレはドロシー嬢に笑顔で答えた。
隣でマチが「ライバルね……受けて立つわ!」と小声で闘志を燃やしているのが聞こえたが、今は黙っておくことにした。
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