プリティアとの戦い
「まずはダイのチーム"プリティア"について勉強します。」
おれはマチ、クノ、ミコの三人にダイ、エティ、ヨウジについての情報を教えようとした。
しかし……。
「そんなもんいるかよ。私がいれば十分だろ!」
人の話を聞けないクノ。
「後半はともかく前半は賛成ね。アタシの鑑定スキルがあればそれ以上の情報はないわ!」
だめな方向に自信満々なマチ。
「ちょっとクノさん、そんなこと言ってるからあなた負けたんじゃないの。」
言ってることはそうなんだけど、言い方が悪いミコ。
「なんだと!おめえがしっかりしてなきゃ負けなかったんじゃねえか!」
はああああああああ。
話が進まない。
そんなこんなで何とか打ち合わせをして、オレはダイのパーティーに挑戦状をたたきつけた。
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「おもしろいじゃねえか!わかってるんだろうな、負ければお前らはここで退学だぞ!」
俺たちは戦いができる広い場所で、ダイのパーティーを待ち構えた。
「ああ、わかってる。ダイ、いや、チーム"プリティア"!お前たちに勝って、ミコさんにはうちのパーティーに入ってもらう!」
「その名で呼ぶんじゃねええええ!」
ダイが本気でキレた。
やっぱり気にしていたんだ、この名前。
「ヨウジ、エティ、いいな!ここでこいつらに身の程をわからせてやるぞ!」
「わかったわ!今日こそ決着をつけてやるわ!」
「悪く思うなよ、ライト!」
エティとヨウジが身構える。
「このコインが落ちたらスタートだ。それまでは強化もなしの模擬戦ルールだ。いいな!」
コインが砂に落ちた音を合図に、ダイが地面を蹴った。
速い。
オレは基礎魔法を放つ。
「煙幕霧!」
白い煙が二つのパーティーの間を埋めていく。
「なに!」
ダイが動揺する。
「いきなり煙幕とは何を考えてやがる!エティ、解除しろ!」
「了解!めんどうくさいことを!突風波!」
あたりに突風が吹き荒れ、煙幕が吹き飛ばされる。
「そうはいくか!煙幕霧!」
オレは再び煙幕を起こす。
「またか!しつこい!突風波!」 再び、突風が巻き起こる。
お互いの姿が徐々に見えるようになる。
だが、時間は稼げた。
「たぁりゃああああ!」
マチがダイに襲いかかる。
剣は模擬戦用のものになっている。
しかし、殴られれば痛いし、当たり所が悪ければ骨折くらいはする。
「ちい!」
ダイがマチの剣を受け止める。
マチは一旦引き、別の角度からダイを責める。
しかし。
「甘いぜ!」
ダイは別角度からの攻撃にも対応し、マチの重心を崩す。
「なっ——!」
マチがよろめくき、ダイの剣が額に迫る。
マチはまた体ごと後ろに後退する。
いいぞ、速さは完全にダイをうわまっている。
「つ…」
マチが額をさする。
血が流れる。
かすっていた。
ダイ、マチのスピードのついていっていたのか。
「……速さだけじゃ、俺には通じないぞ。」
ダイがにやりとわらす。
やはりダイは強い。
付け焼刃が通用しない
速さでうわまわるマチに、剣術の技術でついていってる。
でも——
「ハァ……ハァ……。ふん、まだよ!」
マチが息を整えながら、再び構えをとりダイに襲い掛かる。
一方、ダイはその場から動かず防御に徹して、最小限の動きで攻撃をしのいでいる。
まずい。
これだと、いつかマチのほうが先にスタミナ切れを起こす。
「さてはドーピングしたわね!」
エティがドーピングに気がついた。
解除の魔法を放とうとする
「させるか!炎弾!」
オレはエティめがけてフレアボムを放つ。
「エティ!」
ヨウジがエティをかばおうとした、
その瞬間。
「お前の相手は私だよ!」
重騎士の姿になったクノがヨウジに立ちふさがる。
「ちい!」
やむなくエティは解呪魔法を中断し、オレのフレアボムをシールドで防ぐ。
マチがダイの相手をし、クノがヨウジの相手をする。
その間にオレはエティへの攻撃に集中する。
『炎弾!』
エティのシールドが揺らぐ。
『炎弾!』
「くっ——!」
エティがめんどうくさそうにシールド展開する。
『炎弾!』
「なんなのよこいつ!MP10じゃなかったの!?」
『炎弾!』
「うざったい!」
オレの魔法ではエティのシールドはやぶれない。
しかし、抑え込むことくらいはできる。
『炎弾!』
エティが膝をつく。
「いつの間にこんな魔法力を——!」
このまま押し切れる。
そう思ってマチに目をやると。
「ハァハァハァ……」
やばい。マチが肩で息をしている。
身体強化したところで、体力がアップするわけじゃない。
オレはいったん攻撃魔法を中止し、マチの体力を回復する。
その瞬間、エティが解呪魔法をクノにかけた。
ドーピングが外れる。
その瞬間、クノの動きが鈍くなる。
「もらった!」
ヨウジがクノにとどめを刺そうと剣を振り下ろした。
「そう簡単にいくかよ!『鎧脱』!」
刹那、鎧が消える。
身軽になったクノがヨウジの剣をすり抜け、その懐に潜り込む。
しかし、重装備のヨウジは素手のクノなど意に介さない。
しかし
「これで終わりだ!爆裂流!発勁 !」
クノの掌打がヨウジの鎧越しに内臓をゆらす。
「ぐっ——!」
ヨウジがよろめく。
「よし——!」
クノがヨウジに追撃を展開しようとした、その瞬間。
熱風が頰を叩いた。
「お前ら、逃げろ!」
誰かの声がした瞬間、影が空を覆った。
気づいた時にはヨウジが炎に包まれていた。
「ぐわああ!」
「「消火弾!」」
オレとエティは同時に魔法を放ち、ヨウジの火を消す。
オレは思わずヨウジに回復魔法をかけた。
「なんだ!?」
模擬戦を止め、思わず頭上を見上げる。
空にはCランクの精霊、フレイムバードとアイスバードの群れが争っているじゃないか。
「なんだこれは!」
「召喚士同士の戦いで、フレイムバードとアイスバードの召喚合戦が始まって、お互いコントロールできなくなったんだ!」
「試験官を呼べ!学生は逃げろ!」
魔道士やアーチャーの試験官たちが対応を始めた。
「ヨウジ、大丈夫!?」
エティが声をかける。
「ああ……。エティ、それにライト、すまなかった。だが戦いはどうする。」
「そんな場合じゃないでしょ!逃げるわよ!」
エティが我先にと逃げようとする。
「待てよ!エティ、戦いはまだ終わっちゃいないぞ!」
オレはエティをよびとめる。
「アンタ死ぬ気!?」
「くそ——!退くぞ!」
三人が離れていく。
「じゃあ、おれたちの勝ちでいいんだな!ダイ!」
オレはダイを呼び止める。
「ク、それは!」
ダイが立ち止まりるが・・・
エティが振り返り叫んだ。 「好きにすればいいでしょ!……ダイ!行くわよ!」
「クソ!」
それだけ言って、三人は走り去った。




