42話 過去編1
過去編突入しました!
1994年 夏
「暑い〜夏は最悪〜」
山登りをしている女性がため息する
彼女はわざわざ山を登る必要があるのか疑問を抱いていた
魔法を使用して転移したり、空中で移動することができるからだ
「なんで私が山登りなんてしないといけないんですか」
はあ〜とため息すると横には彼女と別に女性がいた
「仕方ないじゃないか」
タバコを吸う金髪の女性
「今回は君と私の仕事なんだからさ」
未成年でありながらタバコを吸う金髪の女性
タバコを吸う事は禁止なのだがこの場に彼女を止める人はいない
「能力学園の生徒が任務なんて・・・クソですよ」
嫌な学園だな〜と思った
暑い中でこんなことをさせるのは彼女は嫌だった
「来年で卒業だ。我慢するんだよ。私はまだまだ元気さ」
自分は大丈夫だと笑う
それに対して自分は大丈夫じゃないみたいな顔をする
「卒業したら大学行って警察になるんでしたっけ?」
金髪の女性の進路がどうなっているのか知っているのか指摘すると
「ああ、そうだよ。警察官というより能力者関係の所属に入りたいと思っている」
すでにどんな仕事をしたいのか決めているようだ
現在の彼女の服は長袖長ズボン
夏に着る服とは思えない
明らかに夏で着るような服ではない
それなのに汗を一切かくことなく、登っていた
ため息した女性は半袖半ズボンである
「それは分かりましたが今日暑くないですか?なんですかこの暑さは・・・」
いくら自然に囲まれているとしてもここまでの暑さは異常だった
「今日の気温は40度だ」
「ええ!?40度!?」
「5月1日で30度超えるどころはあったからな。仕方ない」
「信じたくないですね」
そんなに暑くなるとは思ってなかったと呟く
「先月で39度あったところなんてあったんだ。我慢するんだよ。私に文句言ったって何も変わらないんだからさ」
「うう〜酷いですよ」
「仕方ないだろう。去年と比べると想像出来ないが自然には勝てない。能力にそう言う環境を操る能力者がいてもやらないし」
「もうこれは自然ではないですよ。それに暑くないのですか?その格好は」
「問題ない。元気だ」
「私汗出ているのに先輩は出てないのはおかしいです」
「言うではないか」
登っている2人は会話をする
「うちわでは無理ですね」
うちわを持っているが意味がない
暑さから逃げるなんて出来ないのが悔しい話だ
なので魔法で涼しくする
それ以外にする方法がないからだ
どうにもならないのが悲しい話である
「嫌な時期ですよ本当」
「それを私に言われても困るよ」
自分のせいではないと呟く
それ聞いてガクンと肩をすくめる
「そうですよね〜」
「さてそろそろ対象がいる場所は着いたよ」
しばらく歩くと大きめの屋敷があった
かなり古い建物
人が行かなそうな場所であるが今回彼女達が来た理由はこの屋敷だ
「ここに能力者犯罪組織がいるんですか?」
今回の任務は能力者犯罪組織の一員達がいるという場所で捕まえるという任務
簡単にように見えて簡単ではない
本部ってわけではないがそれでも犯罪組織は危険だ
しっかり集中して相手する必要がある
「ああ、そうだ。それに今いるよ。気配からして10人ほど。幹部級なら嬉しいが・・・」
そんな簡単に現れないよねと苦笑する
「どうなんでしょうね?ただの組合員かもしれませんし」
「行くよ」
「え?」
扉をおもっきり蹴って破壊する
「!?何者だ!」
侵入者に気づく
「君達を捕えるただの高校生さ」
ふっとかっこよく笑う金髪の女性
「何言っているだ・・・まぁいい!おい、こいつらをやれい!!!」
「では捕まってもらいましょうか」
「高校生!そう言うことか!捕まるとでも思ったか?餓鬼どもが!」
犯罪組織の組員達は2人を襲う
2人は能力を使う
金髪の女性は一撃で敵を戦闘不能
「弱いね」
「行きます!」
黒髪の女性は剣で数人を気絶させる
「これで9名」
倒れている敵の数を数える
「あと1人ですか」
2人は屋敷の奥に行く
屋敷を探しても敵がいなかった
どこにいるんだと思いながら探す2人
2人は屋敷に出る途中何かの音に気づく
「!外からだね」
音が外から聞こえていることに気づく
「何かあるのでしょうか?」
「・・・3人だ。おそらく仲間か逃げているのだろう。探ったら残りの1人はもう屋敷に居ないね」
気配を探ると3人いた
「いや!なんで教えないんですか!?」
「何か証拠のあるものを見つけるためさ」
「確かに・・・いや、逃したら駄目でしょうよ!」
屋敷の外にあるならもっと早く行って欲しいと文句を言う
「大丈夫だよ。あっ下がってごらん」
「?」
下がると地面がひび割れして下の階に落ちる
そのひび割れがどんどん増えていた
屋敷が少しずつ崩壊する
「え?」
「逃げるよ」
走る金髪の女性
このままいたら巻き込まれると気づいたからだ
「ちょっ!?」
黒髪の女性も走る
2人は走って屋敷の端の窓に突進して破壊し、脱出した
すると屋敷は全壊した
瓦礫の山になり、無様な姿となる
ーーーーー
2人は屋敷の崩壊を逃れて最後の1人を探すと
「あれれ〜生きていたんだな!伊織〜元気?」
2人の前に来たのは黒髪の男
瓦礫の山に乗って笑っていた
「なんでいるのよ!玲!」
伊織と呼ばれた女性は黒髪の男ー海野玲に文句を言う
「あ?増援が欲しいと言われて来たんだが?」
何を言っているんだお前と困惑している玲
「必要ないよ。なんで来たんだい?」
わざわざ援軍を必要とするほどのことではないと教えると
「あいつが増援が必要と言われてきたんだよ。その様子から何も言ってないのかよ」
「なるほどね」
海野の言葉に何かに気づいた
「おお〜い!玲いる・・・あっ生きているんだ伊織先輩」
「お前が原因か!甲!!」
最後の1人を引きづる黒髪の女性ー甲智が来た
もう片手にはロケットランチャーを担いでいた
「必要だと思ったがいらなかったんだ」
と呟く
「お前のせいで俺怒られるんだけど」
ふざけるなよという目で甲を見る
「いいじゃないか。面白いし」
「よくねえよ」
ふざけるなと思った玲
「番長悪い、俺のせいだわ。流石に予想外すぎて責められるのは嫌だけど今回は俺のせいだな」
今回の件の元凶は甲智であるが自分が鵜呑みしたことも責任がある
なので、取るべき責任を取るべきと考える
「いいさ。君のせいではないし、元気ならね。それに屋敷破壊したのは智ちゃんが原因だから」
番長ー金髪の女性は笑う
「え?分かるんですか?」
『君/お前/甲ちゃん以外に居ないでしょ/だろ!』
普段の行動を知っている3人はツッコミをする
「ええ〜!?」
「と言うよりどうやって破壊したの?」
「ロケラン」
ロケットランチャーを3人に見せる
「うん、君は銃刀法違反って知っている?」
日本の法律を彼女が知っているのかと聞く
「こいつの能力危険な能力だから仕方ないとしてもこいつの性格上、法律効かないぞ」
こいつが法律知っているのかと甲を見る海野
「いや、裏社会の犯罪者かよそれ」
「嫌だね〜伊織のくせに〜まあ、分からんでもないけど」
「あとで話をするわよ」
「あ?嫌に決まっているだろ。そんなことで俺の時間を奪うなよ」
睨み合う2人
「んでロケランを屋敷に打ったのよ」
「無視??」
玲は無視されてテンションを下げる
「面白いからね」
『面白くない!!』
3人はツッコミをした
この時の3人の気持ちは同じだった
金髪の女性はタバコの火を消して新しいタバコを吸う
「そもそも番長のほうが犯罪しているじゃん!タバコ吸っているんだよ!」
「・・・否定できねえ・・・」
「何?私がタバコを吸おうが問題ないだろう?」
「高校生が何をやっているのか理解しているのか番長」
タバコを吸う事は未成年は禁止なはずだが彼女は吸っていた
「安心してくれ、お酒は飲んでいない」
「安心できるか!?」
「番長って常識人だと思っていたよ」
「それはブーメランだぞお前」
「え?なんで?私タバコ吸っていないよ!?」
「ロケットランチャーを建物に撃つ時点で常識もクソもねえんだよ!」
「ダニ!?」
「うんうん、玲の言う通り」
「私もそれは駄目だと思うよ」
「そう言いながらタバコを吸っているのは説得力のかけらもないですよ」
「何、問題ない。病気になろうが私には関係ないからね」
「全然よくねえよ」
呆れてため息する玲
「法律くらい守れよ番長」
「教えてやろう。玲君。法律はね、守るものではなく、破るものだよ」
「なんで犯罪者思考している奴が俺の先輩なん?」
やべえ先輩だらけだなおいと思っている海野
堂々と恐ろしいことを言う番長を前に恐怖を覚える
「それで警察志望って・・・ええ・・・犯罪組織壊滅しているとはいえ、流石にその考えは駄目だろ」
「安心してくれ、公私は分けているから」
「安心できるか!!」
海野の叫びは山の中でかなり聞こえたとか聞こえなかったとか
ーーーーー
「それで誰が犯罪組織の幹部の屋敷を破壊したのかな?」
テレビで報道されているところを見せて2人を見る女性
現在、テレビでは最近表に出ている犯罪組織の幹部の屋敷が崩壊したことがニュースされていた
現在タバコを吸っているのは担任の八尾先生
玲と智は正座された
原因がこの2人の誰かと分かっているため聞いたら答えたのは玲
真面目に答えるのか
「今回の件。屋敷を破壊したのは智です」
あっさりと暴露した
「ええ!?私を売るの!酷いよ!」
いきなりの裏切りにびっくりする甲
裏切りもクソもない事実を述べたのみ
「売るも何もお前がやったからな」
悪いのはお前だろと呟き窓の外の空を見る
「よし、拳骨だ」
ポキポキと鳴らして拳を握る先生
「嘘だぁ!!」
拳骨されて気絶する智
「やれやれ」
玲は教室から出た
ーーーーー
「って事があったんだ」
『何やってんの智』
同級生数人に話した玲
今日の出来事を話すと3人はドン引きしていた
「ロケランを屋敷にぶつけるのか普通・・・しかも人がいたんだろ?やばいだろうが」
赤髪の男性は呆れていた
「まあ、智らしいじゃない」
黒髪の女性は笑う
「いつもの事だろう」
銀髪の男性はため息する
「いつものことで済む話じゃないだろ」
「え〜普通じゃない?」
「お前の普通は意味が分からん。お前に同感だ」
「そりゃそうだろ。あと、番長は何を言っているんだよ。堂々と犯罪しますと宣言しているようなものだろ」
「俺に言うなよ。俺だってびっくりしているんだからよ」
「普通じゃないの・・・ええ・・・」
「一回黙ろうかお前。お前と話していると理解が追いつかない」
「あ?」
この3人は玲と智の同級生でS級
Sクラスは5人だけ
だが5人の強さは歴代上位クラス
「いつもの事だがなんで落ち込んでいるんだよ」
玲は後ろでシクシクと泣いている智を見る
「頭痛い」
『それは自業自得』
「なんで!!私悪くない!!!!」
『何言っているの?嘘つくなよ』
「そもそも先輩達がいる中でロケランを打つ理由が面白いからじゃねえんだよ」
「マジかよ。馬鹿かお前」
「この人どう言う人生送ったらこうなるの??」
4人は智を見てため息した
しばらくすると
「お〜い、お前らいるか?あっ全員いるか。丁度Sクラスに入る元Aランクの餓鬼を連れてきた」
授業が始まる前に先生が言った
「あ?餓鬼が来たって?」
子供でも連れてきたのかと思った一同
「いや、餓鬼って何?」
「教師が生徒を餓鬼って言ったら駄目だろそれ」
「ふん、私から見たら皆餓鬼さ。来いよ餓鬼」
教室に入ったのは黒髪に星の髪飾りをしている男
「誰が餓鬼なんですか俺は星宮勝蔵です」
彼の出会いにより物語は大きく変わる
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次回もお楽しみに〜