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3話ー2 順位発表

そんな話をしているうちに、教室にはだんだんと生徒が集まってきた。


最終的に集まったのは、15人。


「思ったより少ない・・・・・・?」


クラスにいる生徒が少ない、まだ来るのだろうか?

なんて思ったけど、そういえば叔父さんが言ってた。

Sクラスってのは、毎年人数がかなり絞られるらしい。

だいたい5〜20人程度で、15人ってのは平均くらいらしい。


そして、8時半をちょっと過ぎたころ――


ガラッと教室のドアが勢いよく開いた。


「おーし、今年は15人か! なかなか粒ぞろいだな! 俺の名前は中田浩介! これからよろしく頼むぞ!」


急に大声で自己紹介を始めたのは、どうやら担任の先生らしい。

ノリが体育会系で、テンションが妙に高い。正直、びっくりして最初の一言しか聞き取れなかった。


体育教科を担当している先生なんだろうか?と思うくらいには元気がいい先生。担任の先生が体育系か・・・・・・何か問題があっても根性論で解決できる脳筋タイプの人ではないことを祈る。


「じゃあ早速だけど、最初のイベントだ。これから“クラス内の順位”を発表するぞ!」


『・・・・・・え? 順位?』


俺以外にも驚いている人が周りにいて少し安心したがまさか順位があるとは予想外。叔父さんの話を聞いていたから順位については知っていたがまさかいきなり発表するとは・・・・・・


クラス中がざわついた。俺も驚いたけど、叔父さんとの会話を思い出して黙る。


中田先生が、手にした水晶を掲げて説明する。


「これは“評価水晶”。君たちが入学時に触れた水晶のデータが、この中に転送されている。特定の能力を持った者が作った、情報共有可能なアイテムだ。」


なるほど。まさかそんな高性能なモノがあるとはな。

絶対、魔法とか特殊能力の類だ。科学技術でこんなもん作れるとは思えない。


やっぱりあの水晶とんでもねえやつだったんだな。能力とか魔法で作ったとは予想していたがまさかここまで高性能なモノとは驚きだ。


「では、発表していくぞ!」


先生は黒板に向かい、名前と順位を書き出していく。

“今から決める”って言い方だったのに、もう決まってたのかよ。


1位 紅谷総司(べにたに・そうし)


2位 風間雄一(かざま・ゆういち)


3位 今村春香(いまむら・はるか)


4位 海野流星(うんの・りゅうせい)


5位 島田優菜(しまだ・ゆうな)


6位 麻真郎(あさ・しんろう)


7位 天野和音(あまの・わおん)


8位 酒井霞(さかい・かすみ)


9位 大正寺谷豪(たいしょうじたに・ごう)


10位 七五三木宗太郎(しめき・そうたろう)


11位 宮本心(みなもと・こころ)


12位 公明院凱(こうめいいん・がい)


13位 和野三郎(わの・さぶろう)


14位 鎌田南(かまた・みなみ)


15位 北坂乃亜(きたさか・のあ)



順位発表が終わった。

俺の順位は――4位。


4位か。

結構、上位じゃないか。

いや、普通にすごくないか俺?


「・・・・・・えっ、マジで?」


思わず声が漏れた。

いや、まあある程度自信はあったけど、さすがに上位とは思ってなかった。


「俺、結構高かったな」


小声でつぶやいたら、隣から反応が返ってきた。


「俺も。7位だった」


声の主は、隣の席の天野だった。

近くで呟いたのが聞こえたんだろう。


ちょっとした会話のあと、中田先生が続ける。


「さて、この学園には一つ重要なルールがある。それは――“主従制度”だ」


……あー、やっぱりか。聞いたことある制度だ。


「この学園は、実力がすべて。“強い者が弱い者を従える”というルールが存在する。もちろん、殺人や犯罪行為はNGだが、勝負に勝った者は相手を“配下”にする権利を得る。主従関係は、ある意味で信頼や責任でもある」


うわ、やっぱやりづらい制度だな。

俺みたいに自由に過ごしたい人間には、いちばん合わない。


酒井が手を挙げて質問する。


「その配下って、具体的にどう決まるんですか?」


先生はうなずいて答える。


「いい質問だ。方法は2つある。自分から勝負を挑んで勝つか、相手の挑戦を受けて勝つかだ。勝者が敗者を配下にする。もちろん、配下にしないって選択もできるぞ。Sクラスだと、あえて配下を持たないタイプも多い」


続けて、公明院が質問する。


「勝負って、1年生同士だけですか?」


「基本的にはそうだ。1年生が上級生に挑むのは禁止。逆もあまりないが、生徒会の許可があれば例外もある」


つまり、生徒会がルールをいじれるってことか。

やばいな・・・・・・生徒会、マジで権限持ちすぎじゃない?


生徒会の権力は学園長と同党の権限を持つという校則が存在しているとしたらやりすぎだ。いくらなんでも学生に権力を持ちすぎるのは良くない。


まあ、それで何十年・・・百年近く続いている伝統だから今更言っても無駄なんでしょうけど


長いホームルームが終わったころ――

ようやく実感が湧いてきた。


(・・・・・・ああ、本当にこの学園に入ったんだな)


俺たちは本当に、この“能力学園”に入学したんだ、ということを。


_____


ホームルームを終えた後、俺は学園長室へと向かった。

この学園の学園長――つまり、俺の叔父が待っている。


「ようこそ、流星くん。入学してみて、どうだい?」


「うーん・・・・・・主従制度とか、想像以上にヘビーです」


やっていることが昭和に近いわ。


「ふふ、慣れるさ。それと、水晶に何か細工したんじゃないかって疑ってないかい?」


「・・・・・・まさか。そんなこと・・・・・・」


本当にやっているのか?


ってか、なんだよその顔。

絶対にやってるだろ、その笑い方。

裏で何か引いているな。


「まぁ信じるとして。で、何か俺に話があるんじゃないですか?」


叔父はゆっくりと頷いた。


「流星くんには、“生徒会長”を目指してもらいたい」


「は?」


聞き間違いかと思った。


「生徒会長って・・・・・・あの? あの、生徒会長ですか?」


先生達の雑用をやらされる生徒会の象徴の、あの"生徒会長"だと・・・・・・


「そう。生徒会長は最強の象徴。この制度の中で自由に生きたいなら、頂点に立て。変えたいと思うなら、自分でルールを変えられる存在になるしかない」


俺が予想していたのと全く違ったわ。

・・・・・・確かに理屈は合ってるけど、重すぎないか?

俺、平和に暮らしたいだけなんだけど。


「これはまた、とんでもない話を持ってきましたね・・・・・・」


この人は俺に重要な仕事を任せてくるとは思っていたがまさか学園最強の地位を就くことを要求するとはとんでもねえな。


「期待しているよ、流星くん」


叔父との話を終え、俺は寮へと向かった。


______


部屋に入って、まず驚いた。


「・・・・・・広っ!」


マンションというか、もうスイートルーム級の広さ。部屋も複数あるし、台所も本格的。


マンションの一室よりも豪華と言えるほどに最新式の道具がこの部屋にあった。


さすが、Sクラス特典ってやつか。


荷物を片付けて、寮の食堂へ。

食事は無料で、ランクに関係なく平等らしい。


「助かるわ・・・・・・」


メニューも豊富だったが、俺が選んだのは激辛カレー。


「・・・・・・プハッ・・・・・・水美味え〜水が美味く感じるわ・・・流石に辛い」


・・・・・・後悔した。マジで辛かった。水なかったらたぶん地獄だった。


店に出る地獄カレーみたいなもんを出してくるとはびっくりだ。


感想

学食の激辛カレーは、店のカレーと同じか、それ以上の辛さだった。

水がなかったら本当にやばかった。


さてと。

明日からが、本番か。


そんなことを思いながら、長かった1日が終わった。

とはいえ、すぐに寝たわけじゃない。


「さてと、明日はどうなるんだろうな。」


そう呟きつつ、結局ゲームをして少し遅い時間に寝た。

安心しろ、日付は変わってない。夜の11時には寝たからな。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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