442話 最悪な道に走る
星宮霞と甲秀は衝突していた。
甲は薄い硬い強度を持つ結界で防御しながら刀で攻撃して、刀と刀同士衝突し、火花が飛び散るほどに力強く、斬り合いをしていた。
数分ほどやり合っているもお互い互角な戦闘を演じた。甲は生徒たちの避難するための時間稼ぎのために周りを見ながら戦闘をしているため本気を出していなかった。
そんな中、嫌な予感がした甲は霞を見るとニヤリと笑っている顔だった。気味の悪い顔というわけではなく、何かに対して決断を下したようなさっぱりとした顔。
悩み事から解放されたような笑顔にも見えていた。
「なるほど、貴様の力は危険だと理解したわ」
「何?」
いきなり何を言っていると思った甲であったが刀を振って斬撃による攻撃、先程から同じ攻撃をしてきたが予想外な出来事が起きた
「!!?何!?」
結界を貫通してきた。今までヒビすら入らなかったが突然、結界を破壊して貫通してきた。刀に能力を付与したわけではなく、何かしらの別の力を使用したような変化
甲は嫌な予感が当たったことに顔を顰めた。そして、霞が使った謎の力を正体に気づくことができた。直接見たことがあるわけではないがそれが何なのか聞いたことがあった
「!?これは……(大正寺谷や京極先輩が使用していた能力の中和!)」
能力の中和による現象とまさに同じだった。霞もその使い手であることを気づくのは使用始めてからそこまで遅くはなかったが対応するのが遅かった。
甲は離れると霞は斬撃を飛ばす。避けていく甲であったが霞の斬撃は早く、さらに能力の中和の力が強く、能力の権能の無力化をしてくるため暴挙ができないという不利な状況に陥る。
「札がまだ残っていたのか……」
「残っていないという不安感を持つことはないからな」
軽く返答して甲を殴り飛ばした。甲はすぐに体制を直すも霞は刀に禍々しいオーラを纏わせて連撃、斬撃を喰らってしまう
甲は回復魔法で癒そうとするも傷の治りができなかった
「!貴様…妨害か……」
吐血する甲は倒れかけるも立ち上がる。滝汗をかいて顔色が悪くなり、命の危険性のある状況の中でも構える
能力の中和は使用者に影響を受けないようにするための力が主にであるが使用者次第の力量によって他者に大きく影響を与えることができる使用できない者にとって悪夢な力がある
「まだ動けるのか、頑丈さと生命力は高いようだが貴様はここで終わる。死にたくなければ抵抗をやめろ」
「……ははっ…!愚かだなぁ…止まるわけがなかろう……!」
「そうか……ならば死ぬしかなかろう。威勢のあるただの人間だとな」
首を刎ねようと刀を構える。そして、動いた瞬間ー邪魔をされた
「!」
後ろから違和感を感じた甲は後ろを振り向く。霞は動きを止めた
「……また一人…増えたか」
コツコツと足音が聞こえ、歩いてくる男。腰に短剣二つがあり、短剣使いと分かる。ため息をして地獄の炎で霞を吹っ飛ばした。
霞は能力の中和で暴挙するも威力を最小限にすることはできなかった
「くっ……!」
刀を構えて炎を切る。
「全く…毎月も面倒事が起きるのは勘弁してほしいものだ」
現れたのは風間雄一。この男が参上した。能力学園東京校の2年生の最強クラスの実力者の男が参上し、甲と交代して止まる
「お前を倒すとしよう」
そう宣言して無表情で霞を睨んでいた
――
魔法学園にて
野崎と八崎は互角に戦闘を演じていた。八崎の拳の威力はとても重く、並の能力者では即死するほどに規格外な力の込め方をしていたが野崎は片手で受け止める。
「力任せとは…若いな」
「うるせぇ……!」
拳で殴るのをやめて風魔法で野崎を吹き飛ばすも野崎は魔法を消滅させて刀で攻撃してきた。八崎は避けて魔法で遠距離攻撃のみに集中的に狙っていた
当然の如く、対処されるも焦る顔をせず、イライラと怒りを顔に露わにするだけ、野崎に魔法を消されても想定内のようで問題なかった。
弱点を見つけるためにいろんな魔法を使用していく。能力はないため、能力の権能を使用する事はできないためだ。魔法による攻撃は野崎に通じる確率が限りなく低い
いろんな魔法を試す八崎であったが野崎は全て無効化、舌打ちして蹴り飛ばした
「それで負けると思っていたのか?」
「チッ」
また舌打ちして離れる。
野崎は思考しながら戦闘、八崎からの攻撃を対処していくととあることをした
「!」
それは八崎にとって最悪な出来事であり、回避不能の技
「ーーーー」
何かの言葉を唱えて八崎に向ける。八崎は頭を抑え、悲鳴をあげる
「あがぁぁぁぁぁ!!!がぁぁ!!!ぎゃがぁぁ!!!」
頭を必死に手で抱えて悲鳴をあげる。そして、暴れて暴れて壁にぶつかって倒れ転んでいく
そして、悲鳴が聞こえなくなった後、野崎は八崎の瞳を見ていた。何も変わらない表情であるが気配が変わっていた
「八崎紅。貴様も魔王殺しの協力をしてくれるか?」
その問いに立ち上がって野崎を見て口を開く
「いいよ。俺も参加しようではないか」
八崎紅が魔王討伐に参加することになった
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