215話 最高権力者VS襲撃者1
1時間ほど前
京都で大妖怪達と戦闘をしている大阪校と東京校とは別の場所では
「面倒な者じゃな」
最高権力者と戦闘をしている人達がいた。数時間前に能力学園に襲撃した人達、その者達の襲撃によって最高権力者が大妖怪の戦闘よりもこちらを優先する羽目になった。
普段なら、苦戦どころか蹂躙して戦闘に勝利するのだが襲撃者らの強さが異常だった
彼らの予想を遥かに上回る勢力。下手ーいや、襲撃者の戦闘能力は過去の危険人物達より強かったのだ。
「何故・・・我がやらないといけないのだ」
やる気のない人や
「眠い・・・寝よ」
戦闘中に寝る人がいる。襲撃者の中でおかしい人が何人かいるのだがそれはどうでもいい。
それほどの実力を持っているからだ
「貴様は何者なのだ?少なくても我々と同じ国の人間なのは分かるが・・・ここまでの実力者を今まで気づかなかったなんてないはずだ」
今村春香の祖父ー鬼門幸段は目の前に対峙している銀髪の男に聞く。襲撃している能力者の中ではおそらく1番強い男だ
「あっははは!天獄だよ〜」
と大声で笑う男ー天獄。最高権力者の攻撃を喰らっても軽く立ち上がる強さを持つ。体力が異常に高い男だ。
鬼門は覚醒能力者であり、大抵の能力は効かないし、防御しても貫通することはできる。
だが、天獄にはその特性を利用した攻撃を喰らっても大したダメージにはならなかった
「天獄か・・・偽名か?」
本名なのか分からないので聞いてみると
「ワハハ!!妹子天獄で〜す!これが俺の名さ」
聞いたことのない苗字に戸惑う鬼門。妹子という苗字なんて聞いたことがないからだ。
名前からしてすごいがそれはいい。今考えるような暇もないし、敵の名を知る目的は果たした
「妹子か「天獄でよろしく」
妹子と呼ぼうとしたが天獄によって強制的に天獄と呼ぶ羽目になった
「お前は何者だ?それに何故、能力組合を襲う?」
2つの質問に笑って答える
「俺は"この世界"の者じゃない!あと、目的はある物の回収だよ。お前達が保管している物をね」
何かを回収するために能力組合を襲撃した。理由としては納得したくないが理解できる。能力組合には様々な危険物を保管している。
主に能力者の歴史についての書物、能力者によって作られた物、日本の能力者の能力についての本など様々な重要な物を保管している。
それを襲撃者達によって突破された回収を許すほど最高権力者は甘くない
「そんなことを我々が許すわけがないだろう」
「そう?残念だね・・・俺を止めようとする勇気はいいよ?"あの世界"で相手しようと勇気がある人なんて少ないし
君のような若僧が何人居ようと俺を倒せないけど」
80歳近く生きている鬼門を若僧呼びする天獄に鬼門は自分より長生きしている敵だと判断する。
嘘をついているような感じではないし、ここで嘘をつく意味がない。
舐められているがそれほど自分が強いという自信が彼にある
(あの世界とやらが何か分からない・・・いや、まさか・・・)
天獄が言うあの世界が何なのか気づいた鬼門。気づいたというより思い出したの方が正しい。
能力組合で保管している一部の組員しか知らない"ある部屋"がある。
そこにある書物の中では異世界・・・パワレルワルードヘ行ける方法が書いてあった。
50年前にパワレルワルードヘ行ける方法を試したが失敗で終わり、それ以降、行われていない方法があった
(あの時は試したが失敗した。もしかしたら、パワレルワルードヘ行ける方法が他にあるかもしれない・・・)
昔から異世界へ繋がる場所が日本にはたくさんあった。
それが事実なのかと確かめたことがあるが結果は不明、何人もの人達が行方不明になったり、居なくなって戻ったりと危険すぎるためやらなくなった過去がある。
その中で成功した方法によってこの世界に来たのではと考える。だが・・・
それがパワレルワルードにもあるか分からない。もしかしたら戻ることができない・・・
いや、戻ることなく、永遠にパワレルワルードの世界で過ごすことになる。
その危険性がある中で複数人の襲撃者が異世界に来ていることと京都で暴れている妖怪達が異世界から来たのなら
(数百年前から日本・・・世界はこいつらの侵略されているかもしれないということか・・・!)
最悪の事実に気づいた鬼門はやばいと考える。侵略されているとしてどれくらい支配されているのか調べないといけない。
世界能力機関に報告しようとしてももしかしたら、世界能力機関がすでに彼らの支配下に置かれているのならそれは・・・
すでに手遅れ
「数百年前から侵略していたとはな・・・」
と嫌味を言うと天獄は反応する
「侵略ね〜俺はそこまで参加していないよ。親友もスペースが干渉した。
あの大妖怪が・・・ね。それ以降は2人は干渉していない。今の上がどうだろうと俺には興味ないんだ」
上・・・天獄達の世界の上層部が干渉していると聞いて冷や汗を流す。
"この世界"を干渉しているという言葉を聞いたのだ、反応しない方が無理がある。
それほどの重要な情報を漏らしてくれた天獄にそのような重要な話をしていいのかと思ってしまうがそれは残念ながら心配は不要だ。
今回の件の後にパワレルワルードにいる者達がこの世界に干渉しているとされると気づくだろうと考えている。
この世界の人間を舐めていないからの考えか自分達なら気づくから当たり前と考えているのか不明である
まだまだ重要な情報を隠し持っていると思われるこの男を捕らえるべきと考え、鬼門は攻撃する。
鬼門の打撃攻撃は生の能力者が喰らえば気絶するほど高い攻撃力を持つ、それは弱攻撃みたいなもので何度も何度もそれと同等の威力は簡単に出せる。
最高権力者と能力者の差は天と地ほど離れており、能力者のトップに立つのに相応しい実力を持っている
最高権力者としての強さを持つ彼の攻撃を受ける天獄中途半端な実力者なら
死ぬ
「へえ〜案外やるね」
腕で防御した天獄。腕を折るなんて簡単な規格外の威力を受けても腕は限界に保っている。
痺れることもなく、規格外の攻撃力を持つ鬼門の攻撃を防いだ。鬼門は特に驚くことなく、攻撃を続ける。
最高権力者と極一部の能力者を除いて一般人を殺してしまう危険性の高い攻撃を受けて無傷の人は久しぶりに見たが鬼門が驚かない理由は特にない。
別に彼がすごいからとかそういうのではなく、自分の弱攻撃くらいは受けて無傷の人は普通にあるだろう感覚なのだ。
結論で言えばその感覚は普通の人にとっては絶望である。軽い気持ちで背中を叩いたり、ケツバットでやられると死んでしまう。
だからこそ、普段、能力組合の勤務以外の共同任務などないのだ。死人を出したら責任を取れないから。死人が出にくい対策して
(それなりに面白い相手だね〜あの世界でも上位クラス・・・まではいかないか?まあ、トップ50は入っているくらいだね。まあ、俺でもトップ20すら入っていないけど)
天獄が普段いる世界でも上位に立つほどの強さはあるトップ100は確定入っているくらいでトップ30まではいかない。
あそこのレベルとなると化け物すぎるのでそうそういない。それほどの実力者がこの世界にいることに天獄は感心した。思ったより相手ができる者達がいるということを
「面白いね〜でも、君は力を使わないの?」
能力を使用していないことを指摘すると鬼門は無表情に答える
「国を消したくないのでな。お前も本気を出さないのだろう?あの妖怪達より強いお前が本気を出したら国が滅びる。この世界の国を滅ぼすことはないことをお前は理解していないとは思えない」
その答えに笑顔になる天獄。国を滅ぼすほどの力があるとなれば実力者として認められる。
国を滅ぼせるほどの力で実力者として認める基準がイカれているがそれが"あの世界"の上位者の基準なのだ
「そうだね〜この世界は国を覆う大結界がない。君が本気を出せば国を滅ぼすことができるのなら俺がいる世界でも上位に立てるよ」
「・・・そうか」
襲撃者と長々話しているが今のところは問題ない。他の最高権力者と戦闘している者が天獄に同等かそれ以下であるため弱いというわけではないが油断できない。
分かる範囲で実力を見えているだけであり、知略などの見えない部分はある
(どうなるか・・・)
油断せず、相手するしかないと考え、戦闘に集中するのであった
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