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12話 合宿

今回は短いです

合宿 当日


京都へ向かうことになった俺たちは朝の8時前に集合し、学園の校門前に集まって、学園専用のバスに乗り、そのまま、空港へと向かった。


まさか、学園用のバスがあるとは思わなかった。


それほどまでに重要な学園であることを政府はそう思っているのだろうか?その辺の話はよく分からないが恐ろしいは恐ろしい。


詳しい説明とか聞いていないから分からない。


しばらく、バスが走っていると俺たちは空港に着いた。


すぐに飛行機に乗り、京都へ向かっていた。


流石に全クラスが同じ飛行機に乗れることはできないため、分けてそれぞれの飛行機に乗った。


そう、飛行機で京都だ。

新幹線じゃない、飛行機。


全国から集まる能力学園の生徒とはいえ、415人もの生徒を飛行機で移動させるなんて、常識的に考えても相当な金がかかる。


飛行機を幾つかに分けているとはいえ、とんでもないお金が使われているのは間違いないがそれをお構いなしに使うのは正直に怖い。


何十万で済むような話ではないはずだ。百万どころのレベルではなく、数百は超えているだろう。


どこにそんなお金があるんだ?と思うくらいには疑問を抱くほどまでにサービスが充実している。


この規模を当たり前のようにこなす能力学園……改めてヤバさを実感する。


空の上でさえ、非日常が加速していく。俺たちの常識は、この空のどこかで置いてきたようだった。


______


飛行機内


「これ……全員乗れないって話だったけど、やばくないか?」


風間が顔をひきつらせながら言った。

確かに、俺もそれには同意しかねない。


SランクとAランクの生徒は、まるでワンルームのような個室に割り当てられていた。俺たちSクラス15人と、Aクラスの80人ほどが特別待遇。


Sクラスは人数少ないからまだできると思うが流石にAクラス80人もできるとは…待遇がとんでもないな…


Bランク以下の生徒は、普通の旅客機のような席で移動しているらしい。


「お前そんなことを言っているなら個室でUNOやってる場合じゃなくね?」


「……確かにな」


しーちゃんと風間と一緒に俺の部屋でカードゲームをしているが、なんというか、この状況のスケールに語彙力が追いついていない。


「俺、こんな豪華な飛行機初めて乗ったぞ……」


「俺も。合宿でこれって、修学旅行だったらどうなるんだ?」


「まず、修学旅行あるのか?」


『……』


「いや、あるだろ」


流石に修学旅行くらいあると思うぞ?体育大会はないみたいだけど。


「てか、学園がこの飛行機所有してるのが一番の驚きだわ」


政府公認の学園ってのは知ってたけど、ここまでとは思ってなかった。


能力者の危険度が高いってのは分かるが、それにしても度を越えている。


外を見れば、眼下に雲が流れていた。まるで地上の現実から一時的に切り離されたような、そんな錯覚さえ覚える。


「これが、能力学園か……」


思わず、呟いた。


正直、俺は能力学園を甘く見ていた。

常識が次々と打ち砕かれていく。だけど、これが俺たちの現実なんだ。受け入れるしかない。


「とんでもねえな」


この先、どうなるやら…


_____


京都観光

飛行機で関西空港に着いた俺たちは、そこから新幹線に乗って京都駅へ。


そこからは、初日のメインイベント――京都観光が始まった。


「まずは金閣寺か」


タクシーで金閣寺へ向かう。これまた学園専用のタクシー。

どれだけ金があるんだこの学園……もはや笑えるレベルだ。


タクシーの車窓から、古都らしい町並みが見えてきた。

瓦屋根の家々、のれんが揺れる茶屋、着物姿の観光客。どこを切り取っても絵になる風景だった。


金閣寺に到着し、その美しさに改めて圧倒される。

まばゆいほどに輝く金の壁面が、池に映って揺れていた。


「記念に写真撮ろうよ!」


しーちゃんが提案する。もちろん、全員一致で賛成。


「あっ、すみません! 写真お願いできますか?」


近くの観光客にお願いし、無事に集合写真を撮る。

写真を撮った瞬間、しーちゃんがカメラに向かってVサインをしてたのを、俺はちゃんと見逃さなかった。


その後、俺たちは御髪神社に立ち寄り、参拝し、おみくじを引いた。


「大吉だ」


「なっ、凶だと……?」


「俺は中吉か」


「吉」


「大吉〜」


紅谷も大吉。しーちゃんは……ドンマイ。

さすがに「髪がなくなる」なんて予言はないだろう、たぶん。


俺は大吉だ。死ぬまでに髪が残っていることを祈る。


「髪が無くなる未来がないことを祈るしかないな」


「そうだな。大正寺谷は怪しいが」


「あ?お前喧嘩売ってんのか」


「おいおい…紅谷。喧嘩売るような発言やめろ」


喧嘩に勃発するような発言はやめてくれ。ここで戦闘になったらたまったもんじゃねえことが起きる未来が来るから


「喧嘩はやめろ。しーちゃんも落ち着け」


とんでもねえ殺気をしーちゃんが紅谷に向けているが大丈夫じゃねえな。


「とにかく、落ち着け」


「流石に神社の前で喧嘩なんてしたら神の裁きをくらうぞ」


「お前はどこを心配しているんだよ」


風間が言っていることも一理あるが協力して喧嘩を止めろ。しーちゃんの殺気がとんでもなくなっているから抑えるように何かしてくれ!


「全く…こうなるとはな」


「誰のせいだ」


和音がすごい顔をして紅谷を睨んでいる。


元凶は黙ってくれマジで


ようやく、しーちゃんが殺気を抑え、喧嘩はなんとか鎮まった。


神社を出る頃には日が傾き始め、あたりはやわらかな朱に染まりつつあった。


夕暮れの京都は、どこか時間が止まったような静けさがあった。


ただ、俺と和音と風間は疲れた顔をした。


流石に今のは疲れた…


_____


清水寺


「清水寺だ〜」


人が多く、まさに京都屈指の観光地といった感じだ。

清水の舞台から見下ろす景色は、やはり美しい。春の京都、風情がある。


土産物屋の通りを抜け、坂道を登ると、本堂の大きさに思わず息を呑んだ。


しーちゃんがはしゃぎ、紅谷がカメラを構える。俺たちの周囲だけ、妙に活気づいていた気がする。


「さて、写真撮るぜ」


「ああ、頼む」


……が、撮った写真を見て、しーちゃんがいないことに気づく。体すら写っていないんだが…


「俺がいない……なんで?」


「逃げるんだよ〜!」


撮影者である紅谷が笑いながら逃げようとするのを即座に捕まえる。

完全にわざとだろお前。


また、問題を起こし上がってあの野郎。


「喧嘩するな。次は俺がやる」


次は風間にカメラを託し、無事に全員が写真に写っていた。


「写真撮るの上手いな風間」


「大したことではない。天野、お前でもできることだろ」


「…そうかもな」


観光を続けているうちに、19時が近づいていた。

俺たちは再び学園のタクシーに乗り、京都駅へ向かい、そこからバスで合宿地へ。


_____


合宿地・古旅館

到着したのは、山の中にある巨大な古旅館。

一般公開はしていないらしいが、俺たちがいる間だけ非公開ってことだろう。さすがに、常時非公開なら経営できないはずだ。


「……想像以上にデカいな」


まるで武士の屋敷を思わせる風情。ただ、それよりはるかに大きい。

格子戸をくぐると、畳の香りがふわりと鼻をくすぐった。


「歴史を感じる……」


「京都だからな。500年以上続いてる建物がザラにある」


能力学園は設立から100年経っていない。

ただ、この旅館は江戸時代以前から存在しているらしい。

そりゃ、歴史的な風格があるわけだ。


男女は当然、部屋は別。先生たちから注意事項が説明されるが、まるで過去に何か事件があったかのような口ぶりに、妙なリアリティを感じた。


「紅谷みたいな奴が女湯を除いたのか?」


「風間…なぜ、俺が覗いた前提の話をする…」


「いや、間違っていないだろお前」


「?」


公明院、何が間違っていないんだ?


「…公明院。まさか…紅谷って…」


「…前科持ちだ」


『……』


こいつ、マジか


俺たちは紅谷をゴミを見ているような目で見下ろした。


_____


温泉

「Sクラス専用の温泉ってなんだよ……」


思わず看板にツッコミを入れる。

クラスごとに温泉が分けられているってどんな待遇だよ。


「ふ〜、これは効くな……」


「なんか、疲れが取れる感じすごくない? まさか能力……?」


いやいや、温泉の効能まで能力と結びつけるなよ。

……と思ったら、本当に回復系能力者が作った温泉らしい。


「マジかよ……」


「自然の温泉が良かったなあ」


「贅沢な悩みすぎるぞお前」


9人の男たちで温泉を満喫し、疲れを癒やす。

湯気の中で交わされる会話はどこか穏やかで、学園でのピリついた空気が少し遠ざかっていた。


「紅谷。女湯覗くなよ」


俺は紅谷に言うと公明院は風間を見て


「公明院…お前が覗いたら警察呼ぶぞ」


「なんで俺が覗く話になってんだよ…」


「何故…公明院?」


首を傾げる麻に天野が教える。


「公明院が紅谷の前科を指摘したからだろ」


「ああ…なるほどね」


ゴミを見ているような目で紅谷を見る麻がいたとか。


____



夜のひととき

夕食は和風の懐石料理。湯上がりにこれは……完璧すぎる。


「合宿って、もっと体力勝負だと思ってた」


「お前は何と勝負するんだ?」


何と勝負する気だ、しーちゃん。


「明日からが本番なんだろ。今日は準備日ってことだ」


和音はそう言って食べた。だが、食べた物が辛かったのか大量に水を飲んだのは言うまでもない。


「これか」


赤色の唐揚げを見つけた。和音がヒーヒーと口をパクパクしているのはこれが原因だろう。


「うまっ」


あんまり辛くなかったが美味かった。辛味と肉の味が丁度良かった。


夕食後は自由時間。カードゲーム、雑談、部屋の行き来。

修学旅行のような、少し浮かれた夜の空気が漂う。


障子の向こうからは、虫の声と風の音。普段の学園生活では味わえない静けさに、どこか安心している自分がいた。


ただし――


「明日、何やるか知ってる?」


「いや、まだ現地で説明されるってだけ」


「現地って、まさか山奥とか……」


期待と不安が交錯する夜。


俺たちは布団に潜り込みながら、それぞれ思いを巡らせていた。


この合宿――ただの“観光付き訓練”で終わるはずがない。

そう確信しながら、俺はゆっくりと眠りについた。


次の日、二日目開始となる。

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