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143話 元最高権力者

「そうですか・・・まさかあの世界でそんなことになっているとは思いませんでした。まずは自己紹介ね」


近くにある小さな店で話す俺達

小さい店とは失礼だから店と言わないといけないな


「俺は海野流星と言います」


「流星君ね。分かったわ。私は数谷雪、此の村に長く住んでいる者で元異能組合最高権力者として務めていた人です。幕府の役人でも言いましょうか」


「・・・え?」


今この人なんて言った?数谷雪?まさか、縁さんの元許嫁で数谷さんの先祖!?

なんでこの世界にいるの??いや、落ち着け俺。

この世界に来る人達が俺が知っている人ばかりなんてまずない。

偶然なんだ偶然


「私のことを知っているの?」


和谷さんの先祖が俺を見る

これって話したほうがいいことだろうか?あんまり話さない方がいいとか思うけど事実を言ったら何も怒らないだろう

話次第では怒られるかもしれないけど


「実は・・・数谷さんの子孫である数谷紅楼さんが俺の両親ー海野玲と甲智の高校時代の同級生で会ったことがあるのです。まさかご先祖様に会うとは思いませんでした」


「私の子孫の知り合いってことね。そう・・・なら、あの人は?縁さんに会ったことがあるかしら?」


縁さんのことも気になるのか

思ったんだけどこの人相当縁さんのことを気にかけているよな。

縁さんの話でも武器に変えられた元許嫁を大事にしていたらしいし、純愛でも言おうか。

本人に言ったら怒らせそうなのでこのことは言わないけど


「ええ、会ったことはあります。あの人は元気なので大丈夫ですよ。しっかり、貴方の子孫を守っています。元気にしているので心配は不要かと」


「あら、あの人が元気なら嬉しいわ。私があの人から離れて悲しいんでいると思ったから・・・でも、私の子孫を守ってくれているのね。私を思ってくれているからかな」


空を見る数谷さん。

悲しい目をしているのは気のせいではない。

でも、ここまで縁さんのことを考えていたら旦那さんに怒られない?


「それを口にしない方がいいよ。孫よ」


「いや、心を読まないでくれない?爺ちゃん」


俺が考えていることを気づいている爺ちゃんにツッコミする。

この人、俺が何を考えているのか分かるのが怖い。

読心レベルに人の心を読めるのか?


「流星君。私があの人をここまで思っているのに疑問があるみたいだね。あの人が突然いなくなってからお父さんからお見合いになって旦那様と結婚したのだけど仲が悪くて、子供を1人産んでから流行りの病気で亡くして仲がよくないまま人生を送っていたの。だから、旦那についてはそこまで感情が揺れるような思い出がなくて・・・ごめんなさいね。子供には難しい話をしてしまって」


「いえ、気になったことを話してくれてありがとうございます。俺が失礼なことを考えたから俺が謝るべきなので」


俺は数谷さんに謝る

流石に失礼であると思うし、彼女の過去を話すことは縁さんもよく思わないだろう。

数谷さんの子孫が何をしているかの話は後でしておくとして今やるべき話はこの世界への脱出だ。

この世界の創造主である相澤炎の情報を聞きにこの村に来たのだ。

目的を忘れてはいけない


「それでは本題に入られせてもらいます。数谷さんは相澤炎について何か知っているでしょうか?」


俺が言おうとしたところに祖父が言いたいことを言ってくれた。

俺が言おうとしたが仕方ない


「相澤炎・・・星夜池を作った人ね。なるほど、この世界を作ったのが相澤炎であると貴方達は考えているのね、彼なら昔見たことがあるわよ。もう数十年前の話だけど確か今住んでいるのは霊峰山じゃないかしら。何か霊と話していると言う噂があるくらい有名な話よ」


霊峰山?

確か、姿の神々しさなどで、信仰の対象としてあがめられている山とされているとスマホで調べたことがある。

霊山と何が違うのかで調べたのだ。

この世界にも信仰の対象としている山があるんだな。宗教的な儀式でもあるのだろうか?


「そこか・・・俺はそんな噂を聞いたことがないのだが?」


祖父が数谷さんに質問をする。

噂になっていると言っていたから祖父は知っているのかと思ったが知らなかったらしい。

何故、自分が知らないのか疑問に抱いているってことかな


「そうだったわ。貴方は知らないのも無理もないわよ。なんせ、噂になっていたのは貴方がこの世界に来る前だから、噂を知らないのは仕方ないわ。貴方が来た頃には噂を聞かなくなったから」


その噂を詳しく聞くと霊峰山に相澤炎がいると言う。噂に過ぎないとは思われるが本人から聞いた情報なので信憑性はある。

この世界に来たばかりなので変に疑うことはできないが嘘をついているような感じは全くない。

今もいるのかは謎だがその山に行くにはほぼ不可能であると言われた。

理由としては信仰の対象である神の山を登るのはまず駄目らしい。

信仰している人はいるのか分からないのだが基本的に立ち入り禁止になっているのでこの世界に住んでいる住民でも行く人は少ないと言う。

危険であると言うより神聖な山を登るという行為に恐れている人達が多いらしい


「崇められている山に行こうとする人は居ないの。だから私も行ったことがないのよね・・・今もいるのか分からないけど行ってみる必要はあると思うわ。この世界の創造主が彼なら君があの世界に戻れるかもしれないし、私も協力する。君から聞いた話では同僚だった黒田君も元気みたいだし、甲さんの娘さんを悲しまないようにしないとね。でも、私と甲さんだけでは戦力として足りるかしら?」


戦力が足りないとか足りるの問題ではないと思いますが?

一体何をしようとしているのです?

もしかしたら俺何かやらかした?


「やれやれ、貴方まで参加したら過剰戦力になるでしょう?最高権力者の強さは異常ですから」


「過剰戦力とは失礼ね。黒田君は若かったからあの男に負けたけど私は瞬殺できるくらいなことしか出来ないわよ」


「そのあの男とやらがあの最悪の武器職人刀坂公流でしょう。危険すぎる武器職人として有名だった人を瞬殺してしまう貴方が異常だと思います。最高権力者の普通と能力者の普通では基準が違いすぎる。戦力が足りないなんてないですよ・・・でもまあ、人手は多い方がいいですから反論はできないですが・・・」


祖父は数谷さんの提案に乗る

俺は断ろうとはしなかった。仲間が多い方がいいと思ったから


「ありがとうございます。協力してくれるのは本当にありがたいです」


「いえいえ、私は貴方が私の関係者の知り合いだから手助けをするだけよ。それは偶然なだけ、何か悪いことでもしたら、捕まえるからね」


ギロリと睨まれる

怖すぎませんこの人・・・


「どうやら、俺達が制御できない方を味方にしたようだ。すまない流星」


祖父が言う制御できない方とは何か分からないがその後にすぐに分かる

元最高権力者の力を


次回もお楽しみに〜

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