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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

僕は今、ラーメンが食べたい

作者: 滝川 海老郎
掲載日:2024/03/21

 僕は今、ラーメンが食べたい。


 特に好きなのは出汁が利いた醤油ラーメンだろうか。

 かつお出汁をベースに、旨味が凝縮して、しょっぱくて美味い醤油ラーメン。


 ハマグリのラーメンもかなり好みだ。

 日本の出汁、醤油文化は素晴らしいものがある。旨味を理解している。


 硬すぎず柔らかすぎず、ほどよい弾力の張りのあるしっかりした麺。

 ストレート麺も捨てがたいが、適度にくねくねしている縮れ麺もスープによく絡んで美味い。


 僕は今、ラーメンが食べたい。


 メンマ。そうメンマ。支那竹とも呼ばれていたが今の若者は知らないかもしれない。

 ラーメンもそういえば、支那そばだった。

 ほどよい歯ごたえ。濃いめの味付けで、ラーメンを彩ってくれる。


 チャーシュー。漢字で書くと叉焼。僕は素では読み書きできないのはご愛敬だ。

 豚のチャーシューはボリュームがあり、単純に肉は美味い。

 ラーメンの満足感をさらにプラスしてくれる。

 食べ応えがあるものも好きだし、口の中でほろほろに溶けるタイプも最高に美味しい。


 タマネギ。あればだが、みじん切りの新タマが載せてあるものも、かなりいける。


 ネギ。ネギのシャキシャキとした歯ごたえ。それから香味野菜の風味が口をさっぱりさせる効果がある。


 それから、表面に浮いている油。

 ラーメンの温度を保ち、またスープに旨味を加える効果もある。


 最後に、背油。油は単純に美味い。

 体にはよくないことくらいは知っている。しかし、この背油の旨味は冒涜的なのだ。


 あとは、色々な具材。

 あってもよいし、なくてもよい。

 鳥肉のチャーシューもよいし、きくらげも、それから、なんだろう。

 いろいろだよ。いろいろ。ラーメンごとに趣向を凝らした具材も捨てがたい。


 これらが混然一体となって、僕を襲う。

 僕はラーメンの具材連合軍に完敗し、「とても美味しかった」と言う。



  ◇


 しかしここははるか遠く、異世界の地。


「ねぇねぇ、マスターなに唐揚げ食べながら物思いにふけってるにゃ?」

「私にも、分かるように説明してにゃ」


 この子たちはこの国で出会ったパートナーの猫獣人の女の子だった。


 そうだ、サイドメニューである唐揚げ、餃子、炒飯も捨てがたい。

 その唐揚げを食べたから、思い出してしまったのだ。


「僕は今、ラーメンが食べたい」


 残念ながら醤油がないのだ。

 似ているものはあるようだが、全然違うとしかいえない。

 半ば完成されたラーメンを食べることはあきらめかけているが、この世界は広い。

 どこかに、ラーメンとそっくりの料理があることを祈っている。ラーメン。


挿絵(By みてみん)

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