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真、思い出の品を見つける

 ドールハウスに欠品があったらしい。

「フライパンのセットがありませんわ」

「スマホ用のコンセントも欲しい―のー」

 ドールハウスはおもちゃの家ではなかったのか。

 まぁ、備え付けの二段ベッドでわちゃわちゃしているふたりを眺めているのは、悪くない。

 そういえば妻が、大事なものという名目で、備品をまとめてしまっておいたはずだ。

 がさごそと遺品のはいった箪笥を漁れば、お目当ての箱が見つかった。桐でできた、立派な箱だ。

「まぁ素敵でお洒落なフライパンですわ!」

「たこ足コンセントもあるー」

 フライパンにステキもお洒落もないと思うのだが。そもそもおもちゃのキッチンで調理はできないだろう。

 まして、たこ足コンセントなど、なぜ備品として入っているのか理解できない。

「あら、この鋏はなんですの?」

「わたしたちには、おっきーのー」

 ふたりがしげしげと見ているのは、小さな爪切りばさみだ。

 娘は赤ん坊のころに、妻が苦労しながら切っていたな。あれからもう20年は過ぎたのか。

「きっと大切なものなのですわ」

「キレイにして、しまっておくのー」

 私は、色々なものを忘れてしまっているようだ。

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