表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月夜の代行者  作者: うた
第三章
159/330

平安 徒然小話④

ブックマーク・評価・感想、ありがとうございます!

※ほのぼの話。本編とは、全く関係ありません。




「はい、どっち?」


「右」

 貞光が右を指さした。目の前には綱と竜杏が並んで立っている。短い髪の毛をまとめて烏帽子をかぶった竜杏。着物も同じ柄。屋内にいるなら、竜杏の緑の瞳も暗くなり、綱の瞳の色とさほど変わらない。ぱっと見では全く見分けのつかない双子を前にして、“どっちが綱でしょうゲーム”をしているのだ。


 晴明とハナ、煉もその場にいるが、彼らは気配で分かるので貞光の反応を見て楽しんでいる。藤虎は、タエと一緒に皆の食事の準備をしていた。


「残念でした。右は俺、竜杏です」

「っかぁ~! 間違えたぁ!!」

 頭を抱えて悔しがる。晴明達は和やかに笑っている。


 さささ、と入れ替わる綱と竜杏。まるで分身の術のようだ。素早く変わり、ぴたりと止まる。

「はい、どっち?」

「ううーん」


「失礼しまーす。竜杏、本家から文を預かったよ」

 はい、これ。と、真っ直ぐ竜杏の前に立ち、手に持つ文を差し出したタエ。それに目を丸くしたのは竜杏本人と、綱、貞光だ。

「ありがとう」

 素直に受け取る竜杏。綱はにやにや笑い、貞光は呆然としている。

「へーえ」

「綱……。気持ち悪い笑い方、やめなよ」

「タエちゃん、どっちがどっちか、ちゃんと分かってるんだな……」

「え? 分かりますけど、そういえば、何してたんです?」


 タエの凄さを思い知る、貞光だった。


読んでいただき、ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ