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月夜の代行者  作者: うた
第三章
112/330

平安 徒然小話①

※ほのぼの話。本編とは、全く関係ありません。



「ハナ殿」

「何?」

 御館様が、ハナに話しかけた。

「ハナ殿が生きてた時は、どんな一日を送ってたの?」

 何となく気になって、聞いてみた。タエは、側でお茶を飲んでいる。

「普通の犬だったから、寝て、食べて、散歩して、遊んで一日終わってたなぁ」

 懐かしい、と目を細める。

「お座り」

 ぴっと条件反射なのか、御館様の言葉に、姿勢正しくお座りする。

「じゃあ、お手」

 御館様が右手を出した。ハナはまた、ぴっと動く。

「……ん?」

 首を捻る御館様。

「お手」

 もう一度言うと、ハナも同じ動きをもう一度した。

「タエ……」

 御館様がタエを見ると、タエはくくっと笑っていた。

「ハナさんは、ちゃんと”お手”を覚えなかったからね」

「これが楽だったんだもん」

「“お手”じゃなくて、“あご”だな」

 御館様がふっと笑った。ハナは、お手と出された彼の手の上に、顎を乗せていたのだ。

「今はちゃんと分かってるから。ちゃんとお手、出来るから」

 ハナが照れながら、右手を彼の手に乗せた。御館様は、ハナの頭をなでなでする。


「かわいい……」


 ふさふさのしっぽを振って、御館様に撫でられ続けるハナだった。


読んでいただき、ありがとうございました!

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