君の声に続くあと
掲載日:2020/05/14
盛り上がるココロ
次はこちらの番だ
「息を飲む」とは、こういうことか
みんなが号令とともに
いっせいに立ち上がり
そのまわりを
地鳴りのような声でつつまれてゆく
声高らかに
同時に両手いっぱいに弧を描いてゆく
背中まで伸びるロングハチマキが右に左に揺れる
度重なる練習のせいで
いつもとは全く違う声
みんなが後に続く
その間、約2分半
スターターピストルが
渇いた音を響かせる
響き渡る音は
静寂の中に消えてゆく
高調したココロのおさまりもないままに
僕は
君のほうをとっさに見つめる
空を仰ぐようにして
耳は赤く、涙を浮かべたように見えた
「よく頑張ったね・・」
僕はつぶやく
そして、君とは
やっぱり、つり合わないなと
僕は、
君に言えないままでいた言葉を
君が見つめる方向とは別のところに
ゆだねるしかなかった




