表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

・もう理解が追い付かないです

出会ったばかりの頃の話__



 __不思議な少女に、今日は出会った。

 ミディアムサイズの妖艶なピンク色の髪。そして、血よりも濃いが、それでも鮮やかで目立つ、真紅色の瞳の少女。



「いやさぁ、森の奥から出てきたんだよ・・・」

 怪物が出る可能性もある、セフィロトの森。そんな恐ろしい森の奥から、その少女はたしかに俺の目の前に現れた。

「それに随分と平気そうな表情で・・・さ・・・」

 怪物に襲われた形跡はない。

 少女からの被害も、今のところ報告はされていないため、オレの家に上げている。少女は元気よく、ただ無邪気だ。

 そのせいで、家の中がハチャメチャだ。

「これどーするの? 景虎」

「・・・まだ簡単に無害とは、一概に言えない。ただそこら辺に放置するのも、それはそれで、可哀想じゃな・・・」

「うむ、ディルク」

 オレを呼ぶのは、この町の町長である景虎かげとらだ。東洋の国出身者の旅人だ。好奇心旺盛であり今では町長を務めている。

「お前さん、この小娘を引き取ってはくれぬか?」

 マイペースだが、飄々としている。結構発言が黒い。

「景虎・・・なぁ、コイツ世話できるのアンタでしょ」



「それに、命を落とす可能性が大きいのは、アンタ達よりもオレの方なハズだ。それに、子どもの世話なんてできない」

「控え目に言うが、コイツの世話はオレの適役じゃない」

 ふふ、そう微笑む景虎。きっと意図があるのだろうけど、バカなオレには、全くもってその意図がわからない。


「助けが必要な場合は、儂達に気軽に声をかけてくれぞ」

 景虎は、家から去っていく。

 無邪気に遊んでいた少女は、景虎との難しい話が終わったのを見てから、オレの足元に一目散に寄ってきた。

「おにーちゃん、あの人だーれ?」

 なぜだか、オレに信頼を寄せているように見える。

「・・・景虎っていう名前の、この町のリーダーだ」

「東の国から来た旅人なんだ」

 東の国で引っかかる少女。けれど、全て忘れたかのように、また少女は無邪気に笑い出し、また遊び始めた。



「これ、オレがもたないタイプだったな・・・」

 特にベッドが気に入ったのか、ベッドの上に座り込み、そこら辺にあるモノで、リズム感のある音楽を出している。

 一方オレは、朝食がてら料理を作ろうとしていた。

「食べれるモノ・・・甘いモノがいいか?」

 冷蔵庫を一回り見てみても、甘いモノは無さそう。次は台所の下の棚。でも下の棚には、調理器具しかない。

 その次は上の棚。見えたのは小麦粉など。そこでパッと思い付いた。卵が二個と牛乳が残っていた。作れる。


 皿を用意してー・・・。

 まず小麦粉を100g、砂糖20g、牛乳100cc、卵1個をボウルに入れて、泡立て器でかき混ぜる。

 ・・・その前に、フライパンを弱火で温める。

 かき混ぜた物が気持ち滑らかになったら、油を温めたフライパンに薄くひいた後、タネをフライパンで焼く。

「おっ、焼けてきた」

 焼けてきたタネを裏返す。いい色をしている。

「・・・おにーちゃん、それなーに?」

 裏返した方も焼けた頃に、少女がやってきた。

「パンケーキだ。ちょっと待ってて・・・」

 裏返してみる。こちら側もいい色をしている。用意した皿に、いい色のしているパンケーキを移しかえる。

「これにバターやメイプルシロップをかけて、食べるんだ」

 少女にパンケーキの乗った皿を差し出す。少女は皿を受け取ると、すぐさま机の上に置く。そして、椅子に座る。

「ほら、これがバター。そしてこれがメイプルシロップ」

「どっちをかけて食べる?」

 少女はバターとメイプルシロップの両方を取った。最初はバターを少量塗り、その後メイプルシロップをかけた。

「それじゃあ、フォークとナイフ」

 差し出してみると、丁寧にパンケーキを切り始める。特に難しそうにはせず、四分の一に切ったのち、食べ始める。


 そして、一口食べた所で目を輝かせた。



__その後、パンケーキを三枚程度作ったんだ。その三枚とも全部、美味しそうに食べてたさ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ