091(輪島十式)
ーーリュウ達の殲滅部隊は亜人の圧倒的火力により、戦闘最前線から敗走していた。
リュウは意識不明から目覚め、新たな星に安寧をもたらすという条件付きでガンマスF1の初代大統領になるはずだった。だが亜人の抵抗は厳しい。いや、人間が抵抗しているのか。人間サイドは劣勢だ。リュウは陣形を立て直した。亜人のミサイル攻撃が激しさを増す。すると、一発の小型ミサイルがリュウの輪島九式に向かって飛んでくる。
「リュウ様、危ない!」
バイオレットが身を呈して庇う。ドカーン! 辺りに土煙が舞う。しかし、バイオレットの輪島九式は壊れてない。
「何事だ!? センサーで状況確認!」
リュウはセンサーを使い、全方位を見る。
「なんだこれは!」
「どうしたのですか?」
「大型ドローンの10倍の速度で後方から機影が迫ってくる! これは…………友軍機だ!」
「リュウ様、そんな兵器が我が軍にありました?」
「ない! だが助けられた。ミサイルを撃ち落としてくれたか」
「さーすが〝輪島十式〟だぜ。こちら、アール。敵にバルホーリーって奴が居る。ソイツを倒せば戦争は終わる」
アールはリディアからの情報を友軍機に通達した。
アールに託された輪島十式は、宇宙船の重力発生装置から派生した反重力システムで僅かな燃料で高速飛行が出来る。ボディーは九式の人工筋肉をそのままに、ガンマスチタニウムというガンマスF1で採掘された新素材で覆われている。武器は手にターボガン1丁、ビームブレード。両肩にそれぞれターボエックスという新兵器を装備する。ターボエックスの弾は100ミリメートル口径の劣化ウラン弾、装弾数は1丁10発。射程距離は10キロメートル。命中精度はSSS。爆発的火力を有する。
「輪島十式だと!?」
リュウは頭の中を整理する。リュウには輪島十式の存在は伏せられていた。宇宙船団がガンマスF1に到着してから開発が進められた新兵器というのもある。宇宙戦艦トマトの艦長、ジョージは輪島十式を戦争のゲームチェンジャーとして取っておきたかったが、惑星大統領候補に死なれては困ると思い、アールに託した。この輪島十式はプロトタイプだが、ほぼ完成形だ。
リュウはジョージに確認を取る。
「輪島十式とはなんだ? 本当にアールが操縦してるのか?」
「こちら、ジョージ。十式は新兵器だ。宇宙戦艦トマトで開発を進めていた。詳細はアールに聞け」
「くっ! あのポンコツAIで大丈夫なのか? 俺にもくれ」
「人間の反応速度では操縦出来ない。AIだから乗りこなせる。協力して敵を倒せ」




