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ルクソール・オンライン  作者: ルク穴禁
第13章(回想2。300年前)
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084(飛び込み乱入)

ーー竹田監督は「明日は見学に来るといい」と言って、また名刺を置いて帰って行った。俺は父親を説得する。


「俺はサッカー選手になれるんだよ。邪魔するな」

「詐欺だろ。お前は騙されてるんだよ」

「これでもか?」


俺は携帯電話で松本ミヤビのホームページを開いて、バカな父親に見せる。そこには竹田監督の写真と共にプロフィールが書かれていた。


「これでもか?」

「最近の詐欺師はな、こういうのを用意するんだ」

「もうバカと話さない」

「バカって誰の事よ!?」

「お前だよ、マヌケ」

「何だと!? 誰のお陰でご飯が食べれると思っとるのよ!」

「傷付いた? 子供にバカにされて傷付いた?」


父親が俺の頭を叩こうと振りかぶった。バシッ。ドカッ! 俺は腕でガードして父親の腹を思いっきり蹴った。


「何するのよ!?」

「オカマかてめえは。先に手を出しといてそれはないだろ」

「お前を絶対にサッカー選手にはさせんからな。母さんからも何とか言ってやれ」


母は父親の目の前に紙を出した。


「母さん! これは!?」

「離婚届です。あなたは父親失格よ。ここにサインしてください」


俺は囃し立てる。


「いいぞ、お母さん。こんな奴とは離婚だー」


父親は離婚届をグシャグシャに破り捨てる。


「離婚はなしだ。母さん、冗談にも程があるぞ」


母はもう一枚、離婚届を父親の目の前に出した。


「あなたのそういうところが嫌いなのよ。これは、リュウのサッカーとは別の話です」


父親は幼稚でワガママ、自己中心的なクズ野郎だ。母も積もりに積もったものがあったのだろう。だから最初から離婚届を用意していた。


ーー俺と母はその晩、荷物をまとめて母の実家に帰った。俺のばあちゃんちだ。母はルンルンでいる。男やもめに蛆がわき女やもめに花が咲くとはよく言ったものだ。男、山根はなんだろう?


ばあちゃんは優しく迎え入れてくれた。ばあちゃんちは木造二階建てで築30年だ。独り暮らしには広すぎる。


ーー次の日。俺はサッカー道具が入ったバッグ1つで松本ミヤビの練習コートを見学しに行った。徒歩で20分ほどだ。


俺はトップチームの練習試合をフェンス越しに観ていると、話し掛けられた。


「その年じゃトップチームには入れないよ」


俺が振り向くと竹田監督が居た。


「おはよーっす」

「おはよう。稲葉君、お父さんを説得出来たかい?」

「両親は離婚する事になったよ」

「なんかマズった?」

「お母さんは前から決めてたみたい。竹田監督が丁度良いきっかけになったよ」

「そうか」

「気を取り直して、練習に参加させてよ」

「それは勿論、喜んで」


ーー俺は、竹田監督に案内されてジュニアユースの練習ピッチへと来た。そこでは11対11の紅白戦が行われていた。竹田監督の指示で俺は飛び込み乱入する事になった。アップ感覚でやれとのことだ。急いでスパイクとビブスを着る。紅白戦は残り10分。俺は赤チームになった。背番号は8。


俺はピッチの外に立つと、竹田監督が指示を出す。


「新入りだ! ポジションはセンターフォワード! 皆、可愛がってやれ!」

「「「うっす!」」」


交代する選手がハイタッチをしてきた。


「あとは任せたよ、デカいの」

「おう」


俺の初陣だ。俺は目を閉じて深呼吸をする。そして、ピッチに入った。


俺はまず、相手のディフェンスラインを確認するとバラバラだ。乱れてるな。しかし、2対0で負けてる。俺が10分で何とかしなきゃな。


「8番! 行け!」


ボランチから早速スルーパスが入った。荒いな。追い付けるか分からないキラーパスだ。俺は全速力でボールに追い付く。そして、キーパーと1対1。ズドン! 俺は左足を振り抜き、キーパーの股を通して得点を取った。


「よっしゃーー!」


俺の周りにチームのメンバーが集まってきた。


「やるじゃん、8番。流石上級生だぜ」

「俺、小学生だよ」

「マジかよ! 年下!?」

「さ、あと2点で逆転だ。戻ろう」

「「「おおー!」」」


相手のボールでキックオフになる。俺は相手のバックパスに反応してボールを奪う。ディフェンスラインが乱れてるから、先に大きなスペースが生まれる。俺はドリブルで持ち込み、またキーパーと1対1になった。キーパーは足を閉じながら前に出てくる。今度は右足でループシュートを決めた。これで2得点。


後5分。楽勝だな。3得点目は簡単だった。相手からボールを奪ったミッドフィルダーが俺にパスを出して、ワンタッチでボレーシュートを決めた。


ピピーー! 紅白戦が終わり、俺は結果を出した。

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