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ルクソール・オンライン  作者: ルク穴禁
第3章(脱出へ)
8/91

008(アリガトポイント)

「8番フィールドだ!」


アールはピンと来て叫ぶ。アールのスタートフィールドにライガーは居た。


「アールの旦那、ライガーの居場所が判るんで?」

「スマートモンキーはプレーヤーの位置が判らないのか? ルクソール・オンラインの差し金だろ」

「あっしは、あくまで、アールの旦那の案内AIでさあ。他プレーヤー個人の居場所までは把握できねえでさあ」

「使えねえな。……皆、8番フィールドに急ごう。俺はライガーと8番フィールドで会ってる」


ギルドメンバーは案内AIのスマートモンキーを先頭にエリアを移動して、8番フィールドへワープした。すると、スマートモンキーが立ち止まる。


「ギルドの皆さん、アリガトポイントが入ってやすぜ」

「何だ、アリガトポイントって」

「ゲームを観戦したプレーヤーから攻略の手本になる戦いをすると貰えるポイントでさあ。メニューページを開けば、何アリガト貯まってるか判るでさあ。アールの旦那が250アリガト。キノコさんが100アリガト。バイオレットさんが80アリガトでさあ」

「そのポイントを貯めると何か良いことあるのか?」

「1アリガト、100コインでさあ」


アールは後悔した。初回11連ガシャをアリガトポイントでやればよかったと。しかし、アールは凹んでる場合じゃない。8番フィールドの模様が違うからだ。スタートした時は近未来の廃墟だったのに、森林公園のような所に変わっている。アールはスマートモンキーに聞く。


「ここは本当に8番フィールドか?」

「メニューページの頭に現在のフィールド、エリア、プレー中のゲームが表示されまっせ」


アールはメニューページを見る。確かに8番フィールド1エリアと表示されていた。


「バグか? ここは特に酷いな」

「まあ、手分けして、ライガーを探しやしょう」


「皆、二人一組になって、8番フィールドを隈無く探そう。私はワープエリアで待機している」


キノコの提案だ。皆は納得してペアを組む。アールは自然とバイオレットと組んだ。ギルドメンバーは散り散りにエリアの捜索に出発する。アールとバイオレットはエリアの北へ向かう。


「なあ、バイオレット」

「なぁに?」

「バイオレットはエリア全体の声が聞こえるんだよな。ライガーは何か発してないか?」

「そうか! それだよ、アール君。ちょっと待ってて、エリア全体のボイスチャットを聞いてみる」

「おう」


その頃、アールと同じギルドメンバーの〝エロビパトロール〟と〝武者願仏〟はエリアの西側の捜索に当たっていた。武者願仏はスーパーサッカーで活躍した屈強な男のアバターだ。


「何だよ、俺がたったの3アリガトかよ。ゴールに迫ったのに」

「僕なんてキーパーやってたのに7アリガトだよ」

「ゴリラのシュートはヤバかったな。ありゃチートだぜ」

「武者願仏、待った!」

「どした?」


足下に3体の死体が転がっていた。


「ライガーじゃなさそうだね」

「アールって奴、ゲームはデキるが、ガセネタで俺達を振り回してないだろうな」

「記憶喪失みたいだけど。ギルドを組んだんだし、信じようよ」

「ふん! あの案内AIも怪しいな」


エロビパトロールと武者願仏は更に奥へ進む。すると、一人の生きてるプレーヤーと出くわす。男で戦闘スーツのアバターだ。


「君達、こんな所に居ても過疎地帯だから、プレーヤーが集まらないよ」

「あんた、ハンネは? オープンスコアにしろ」

「嫌だね」


フワッと、男はゲーム内に消えた。すぐに、エロビパトロールと武者願仏はギルド専用ボイスチャットで皆に伝える。


「ライガーらしき、男と会った。何かのゲームに逃げ込みやがった」

「オープンスコアを求めたところ、拒否された。怪しいよ」

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