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ルクソール・オンライン  作者: ルク穴禁
第10章(テラフォーミング)
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067(AIとAIの世間話)

ーーアールは目が覚めた。船長室の省電力モードが解除され、通常に戻る。またモコロが独り焼き肉をやっていた。


「何やってんの」

「うわっ! びっくりするではないか。ハラミが飛んでしまったであろう」

「今度は焼き肉かよ。この煙も電子の産物か?」

「そうじゃよ。肉…………肉…………ハラミ!」


アールが電子の布団から起き上がると、サーっと皿に盛られた焼き肉が流れされてアールの目の前で止まる。


「何これ?」

「ワシの奢りじゃ、取っておけ」

「意味が解らないけど、たまには食ってやるか」


アールは割り箸で焼き肉を一口食べる。暫しの沈黙…………。


「どうしたのじゃ? 生焼けか?」

「…………うう、うう。うーーまいぞーー!」

「どうやら刺激が強すぎたようじゃな」


アールは焼き肉に感動した。和牛のカルビだ、電子の。AIは味を検知出来る。


「もっとくれ!」

「美味かろう美味かろう。どんどん食え」


モコロは焼けた肉を皿に盛り、昆布茶の粉末を一つまみ振り掛ける。そして、サーっと皿を滑らせて、アールの目の前に止まらせた。


「ワシの奢りじゃ、取っておけ」

「そのセリフが言いたいために皿を流してるのか?」

「勿論じゃ」

「モコロは緊急制御AIなのにやりたい放題だな」

「だってせっかく必要とされて起動したのに、このままお払い箱は嫌じゃ」

「必要とされて…………ライガーの事だな?」

「そうじゃ。他の宇宙船からまたクラッキングを受ける可能性もなきにしもあらずじゃ」

「前にも言ってたな。日本の敵対国が足を引っ張るのか」

「そうじゃ。ワシは、チャイナ、ロシア、コリア辺りが怪しいと睨んでおる」

「帝釈天アールタイプで牽引してるエンツォ・フェラーリは大丈夫? 損傷した宇宙船がクラッキングされたら大変じゃない?」

「それはヤバめの懸念材料じゃな。しかし、イタリアは強い国じゃ。今のところ救難信号は出とらん」

「取り敢えず大丈夫か」

「イタリアのAI船長、エンツォもなかなかの手練れじゃしな」

「日本人は地底人と戦ったけど、イタリアは何をやってたの?」

「宇宙戦艦トマトの周辺を警備しておった。輪島九式の訓練にも1人イタリア人が参加していたのじゃ」

「九式の訓練? いつやった?」

「お前が寝ていた間じゃ。カーマインも参加しておった」

「無茶な。九式はAIでもキツいのに」

「カーマインは成績優秀じゃよ。流石にスーパーモードはまだじゃがな」

「ジョージは何を考えてる?」

「イーストフィールドのリディアの殺害が目下の狙いじゃ。リディアは危険な存在。輪島九式を使って暗殺する算段じゃ」

「あの女、ウエストフィールドの土地をくれるって言ったのに、ジョン達や地底人とか原住民が居た。何の権限もないのに口約束だけで」

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